「矯正って、どれくらい期間がかかるんだろう？」

「ワイヤー矯正とマウスピース矯正は治療期間が違うの？」

こんにちは。おしむら歯科　院長の押村侑希です。

歯科矯正を受けるとき、治療期間が気になる方も多いのではないでしょうか。

矯正の治療期間は人それぞれです。患者様や歯並びの乱れ方によって矯正にかかる期間が異なります。

今回は「歯科矯正の治療期間」についてご説明します。

■歯科矯正の治療期間

◎矯正の期間は3ヶ月～3年程度

歯科矯正にかかる治療期間は、3ヶ月～3年程度です。

部分矯正の場合は3ヶ月～1年程度、全体矯正の場合は1～3年程度かかります。

	全体矯正	部分矯正	通院頻度
表側矯正	1～3年程度	3ヶ月～1年程度	1ヶ月に1回
マウスピース矯正 （インビザライン）	1年半～3年程度	3ヶ月～1年程度	2ヶ月に1回

◎矯正範囲によって治療期間が異なる理由

＜矯正範囲の違いで治療期間が異なる理由＞

前歯のみなど一部の歯並びを治す部分矯正は治療期間が比較的短く、奥歯を含む全体の歯並びを治す全体矯正は治療期間が長くなります。

◎ワイヤー矯正とマウスピース矯正の歯の動かし方の違い

｛ワイヤー矯正は歯体移動ができ、強い力で歯を動かせる｝

ワイヤー矯正（表側矯正、裏側矯正、ハーフリンガル矯正）は歯を動かす力が強く、歯根ごと歯を平行移動させて歯並びを整えられます。これを「歯体移動（したいいどう）」と呼びます。

｛マウスピース矯正は歯にかける力がマイルド、傾斜移動で歯並びを整える｝

マウスピース矯正（インビザライン）はやわらかいマウスピースを使うため、ワイヤー矯正と比べると歯を動かす力がマイルドです。

インビザラインによる矯正では、歯根はあまり動かさず歯冠（歯ぐきから上の歯の部分）を傾ける「傾斜移動（けいしゃいどう）」を中心に歯並びを整えます。

◎アタッチメント、光加速装置で治療期間を短縮

マウスピース矯正は歯を動かす力がマイルドなため、ワイヤー矯正と比べて治療期間が長くかかることがあります。ただし、マウスピース矯正でもインビザラインは独自技術のアタッチメントや光加速装置を使うことで治療期間を短縮可能です。

・アタッチメント

アタッチメントとは、インビザラインの独自技術です。

アタッチメントを使ったインビザライン矯正では歯に樹脂製のポッチを着け、ポッチに合わせてマウスピースに窪みを作ります。マウスピースの窪みにポッチをはめることで歯を動かす力がUPするため、治療期間が短くなる効果を期待できます。

・光加速装置（PBMヒーリング）

光加速装置（PBMヒーリング）とは、あごの骨（歯槽骨）の代謝を活性化し、歯が動くスピードを速める装置です。

インビザライン矯正で1日8分程度、光加速装置を使うことであごの骨の代謝が活性化して歯の移動がうながされ、治療期間が短くなる効果を期待できます。

■矯正期間に関わるさまざまな要素

矯正の治療期間には、以下のようなさまざまな要素が関係します。

①歯並びの乱れ方

歯並びの乱れ方は矯正期間にもっとも大きく関係する要素です。

前歯が少しだけ開いているなど、軽度の歯並びの乱れは数ヶ月～1年程度の治療期間で済むことが多いです。

歯並びが全体的にガタガタしている、歯が大きく前に突き出している、噛み合わせが大きく乱れている、など、中程度～重度の歯並びの乱れは1年半～数年以上の治療期間がかかることがあります。

②むし歯や歯周病の有無

矯正を始める前には、お口の状態を診てむし歯や歯周病の有無を確認します。

むし歯や歯周病が見つかったときは、矯正前にお口の病気を治してから矯正に入ります。お口の病気の治療が必要な場合は「お口の病気の治療期間」＋「矯正期間」となり、全体の治療期間が長くなります。

③抜歯の有無

歯科矯正では、歯を動かすスペースを作るために抜歯をすることがあります。抜歯矯正は歯並びを整える前に歯を抜くやり方と、ある程度歯並びを整えてから歯を抜くやり方があります。

抜歯にかかる期間は、抜歯本数が1～2本の場合は2週間～1ヶ月程度、3～4本以上の抜歯が必要な場合は1～2ヶ月程度かかります。

④埋伏歯の有無

埋伏歯（まいふくし）とは、歯の一部またはすべてが歯ぐきに埋まっている歯を指します。

埋伏歯がある場合、埋まり方によってはメスによる切開が必要になることがあります。メスによる切開をともなう埋伏歯の抜歯は通常の抜歯と比べ、傷口が落ち着くまでの期間が長くかかります。通常の抜歯では3日程度で矯正装置を着けられるケースが多いですが、歯ぐきの切開をともなう抜歯をした場合は装置を着けるまでに1週間以上かかることがあります。

｛埋伏歯を抜かないことも｝

埋まり方によっては歯を抜かずに埋伏歯を引っ張り出し、その歯を生かして歯並びを整えるケースもあります。埋伏歯の牽引が必要な場合、牽引処置を行う分、治療期間が長くなります。

⑤補助処置の有無

矯正では歯を動かすために補助処置を行うことがあります。矯正の際に行う主な補助処置は以下の2つです。

・IPR（ディスキング）
歯と歯のあいだのエナメル質を最大0.5mm程度削り、歯を動かすスペースを作ります。

・アンカースクリュー
ネジのような形をしたスクリューを歯槽骨に埋め入れ、スクリューを固定源（アンカー＝船のイカリ）にして歯を牽引します。

 

補助処置の施術は1日～数日で終わります。ただし、補助処置が必要な症例はそうでない症例と比べて矯正期間が長くなる傾向があります。

 

⑥外科的矯正の有無

 

あごの骨格異常によって歯並びが乱れている場合は外科的矯正が必要です。外科的矯正ではあごの骨切り手術などの外科手術を行います。外科手術は口腔外科や形成外科、美容外科で行われます。

 

外科的矯正が必要な症例では歯科医院で歯科矯正を行い歯並びを整えたあと、口腔外科などで外科手術を行います。最後に歯科医院で仕上げの歯科矯正を行い、治療を完了します。

 

外科的矯正が必要な場合、外科手術や手術後の治癒に時間がかかるため、全体の治療期間が長くなります。

 

⑦マウスピースの装着時間

 

インビザラインなどのマウスピース矯正では定められた装着時間、マウスピースを装着して歯並びを整えます。インビザラインは1日22時間以上のマウスピースの装着が必要です。

 

1日に必要なマウスピースの装着時間を守らなかった場合、あまり歯が動かず、治療期間が延びてしまう場合があります。

 

【歯並びのお悩みや矯正治療に関するご質問を受付中です】

 

おしむら歯科では、矯正の無料相談を行っています。

 

「前歯の部分矯正を受けたい」

「矯正方法や治療期間について知りたい」

 

など、歯並びのお悩みや矯正治療に関するご質問がある方はお気軽にご相談ください。

 

カウンセリングでは日本矯正歯科学会の矯正認定医が現在のお悩みをお伺いし、歯並びやあごの状態を確認してお1人お1人の患者様に合った矯正方法をご提案させていただきます。