こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。
目立たないマウスピース矯正「インビザライン」。痛みが少なく、矯正中はマウスピースを外していつもどおりのお食事や歯みがきができるなど、メリットが多い治療法です。
メリットが多い一方、インビザラインにはマウスピース矯正ならではの注意点があります。
もっとも気をつけていただきたいのはマウスピースの装着時間(1日20時間以上)、もう一つは毎日のマウスピースのお手入れです。
今回はインビザラインで大切な「マウスピースのお手入れの仕方」についてご説明します。
目次
■マウスピースのお手入れが必要な理由
◎マウスピースの汚れを放置すると口臭やむし歯・歯周病の原因に
インビザラインを含め、マウスピース矯正では毎日、飲食の都度にマウスピースを外して洗浄する必要があります。
マウスピースの洗浄が必要なのは、マウスピースについた歯垢・食べカスなどの汚れを放置すると口臭やむし歯・歯周病をひき起こす原因になることがあるためです。
◎付着した歯垢が石灰化してマウスピースが変形することも
マウスピースのお手入れを怠ってしまうと、マウスピースの中に付着した歯垢が石灰化してマウスピースが変形することがあります。
変形したマウスピースを装着すると力のかかり方が変わってしまい、治療計画通りに歯が動かなくなるおそれがあります。変形したマウスピースによって歯や歯ぐきを傷つけてしまう可能性も。
■マウスピースのお手入れの仕方
ポイント① 基本は流水によるこすり洗いでOK
インビザライン矯正中のマウスピースのお手入れは「流水によるこすり洗い」でOKです。
飲食の際、マウスピースを外したときは、水を流しながら指の腹でマウスピースの内側と外側をやさしくこすって洗いましょう。
ポイント② 水の温度は40℃以下にしましょう
流水でマウスピースを洗うときは水の温度は40℃以下にしましょう。
20~40℃のぬるま湯で洗うとマウスピースの汚れを落としやすくなります。ただし、高温のお湯でマウスピースを洗うと変形するおそれがあるため、40℃以上のお湯はNGです。
ポイント③ 汚れが落ちにくい場合は「やわらかめ」の歯ブラシや洗浄剤を使いましょう
流水によるこすり洗いで汚れが落ちにくい場合は、「やわらかめ」の毛先の歯ブラシを使ってマウスピースの内側と外側をやさしくこすって洗浄してください。マウスピースを傷つける原因になるため、ふつうやかための歯ブラシはNGです。なお、歯磨き粉は研磨剤によってマウスピースを傷つけるおそれがあるため、使わないでください。
こすり洗いややわらかめの歯ブラシを用いる方法のほか、汚れが多い場合はインビザライン専用の洗浄剤、または、市販のマウスピース矯正用の洗浄剤を使うと汚れが浮き上がって洗浄しやすくなります。
{強い力でマウスピースを洗うのはNG}
指の腹、歯ブラシ、どちらも強い力でゴシゴシとマウスピースを洗うのはいけません。強い力で洗うとマウスピースが変形するおそれがあります。
【清潔なマウスピースで理想の歯並びを目指しましょう】
インビザラインで用いるマウスピースは1~2週間ごとに新しい物に交換します。新しい物に交換するため、「どうせ新しくなるんだから」とついつい、マウスピースのお手入れをさぼりがちです。
マウスピースのお手入れをさぼってしまうと付着した歯垢・食べカスによって口臭が発生したり、むし歯・歯周病、および、マウスピースの変形をひき起こしやすくなります。
むし歯・歯周病が進行した場合は症状によってはインビザライン矯正を中止し、むし歯・歯周病治療が必要になることがあります。マウスピースが変形してしまった場合はしっかり歯が動かず、治療計画の修正・変更をしなければならなくなるケースも。
矯正治療を成功に導くためにも、インビザラインの期間中は毎日、飲食時のマウスピースのお手入れを欠かさずに行い、清潔なマウスピースで理想の歯並びを目指しましょう。