近年は、マウスピース矯正「インビザライン」をはじめとして、矯正治療を始める方が増えています。未成年のお子さま~20代・30代の方に加えて、40歳以上の中高年の方が矯正を行うケースも。
中高年での矯正、と聞くと「40歳以上で歯科矯正なんてできるの?」と疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
40歳以上でも歯科矯正は可能です。ただし、お口や身体の状態によっては、矯正治療を行えない場合もあります。
今回は、「歯科矯正は何歳までできる?」および「矯正治療を行う際の年齢ごとの注意点」についてお話しします。
目次
■歯科矯正は何歳までできる?
◎歯科矯正に年齢の上限はありません
気になる矯正の年齢の上限ですが、歯科矯正に年齢の上限はありません。中高年以上の方でもお口と身体の状態が良ければ、何歳でも歯科矯正を行えます。
何歳でも矯正を行える、裏付けとなるデータとして、厚生労働省の調査では、50代・60代の方の約3%、80代の方の約0.5%が矯正治療を受けていることが明らかになっています(※)。
(※)厚生労働省「患者調査」(2017)より引用。
◎歯が生え揃う前の0歳の赤ちゃんから矯正を行えます
年齢の上限はない歯科矯正。上限に対して、下限=子どもは何歳から矯正を行えるのでしょうか?
子どもの矯正は、歯が生え揃う前の0歳の赤ちゃんから始められます。
矯正は装置を用いて歯並びを整えるだけの治療ではありません。0歳の赤ちゃんの時期から、お乳の飲み方、離乳食の食べ方に気をつけることであごの成長がうながされ、乳歯がまっすぐ生えやすくなる効果を期待できます。
■矯正治療を行う際の年齢ごとの注意点(年齢ごとの矯正方法の違い)
歯科矯正に年齢制限はありません。ただし、年齢ごとの注意点はあります。
矯正を行う際には、患者様のお口と身体の状態が健全であることを確認すると共に、年齢ごとの注意点に気をつけて治療を進める必要があります。
①0~3歳「お乳の飲み方、離乳食の食べ方に気をつける」
生まれたばかりの、小さな赤ちゃんの時期です。歯が生え揃っていない赤ちゃんには、装置で力をかけて歯を動かす矯正は行いません。
赤ちゃんの時期には、お母さんからのお乳や哺乳瓶からのミルクの飲み方、および、離乳食の食べ方に気をつけることが大切です。0歳の赤ちゃんの時期から、お乳の飲み方、離乳食の食べ方に気をつけることであごの成長がうながされ、正しい位置に乳歯がまっすぐ生えてくる効果を期待できます。
②3~12歳「歯並びを乱れさせる悪い癖に気をつける」
この時期になると、お子さまによっては口呼吸、舌癖などの悪い癖が目立ち始めます。
口呼吸や舌癖は歯並びを乱れさせる大きな原因です。小さな子どもの時期の悪習慣・悪い癖に対しては、マイオブレース矯正(咬合誘導)を行い、癖の改善にアプローチします(※)。
(※)マイオブレース矯正の適応年齢は5
~9歳ごろのお子さま限定になります。
なお、赤ちゃんの時期と同じく、小さな子どもの時期には装置で力をかけて歯を動かす通常の矯正は原則として行いません(※)。
(※)歯並びの乱れが大きい場合は、ワイヤー矯正やマウスピース
矯正による通常の矯正治療が必要になるケースがあります。
③12~18歳「あごの成長による歯並びのずれに気をつける」
この年齢になると、永久歯が生え揃い、装置で力をかけて歯を動かす通常の矯正治療を行えるようになります。ただし、未成年の方への歯科矯正はあごの成長に注意が必要です。
12~18歳ごろの時期はあごの成長が進んで、整えた歯並びがずれてしまうことがあります。このため、患者様や症状によっては矯正治療をいったんお休みするケースも。
矯正をいったんお休みする場合は、10代の時期から数年間空けた後、、頃合いを見計らって再度、クリニックにご来院いただき、あごの成長が落ち着いたかどうかを歯科医師が確認します。
あごの成長が落ち着いてから矯正を再開することで、あごの成長による歯並びのずれが起きる事態を防ぎやすくなります。お口・あごの状態によっては、数年間空けた後、成人以降(18歳以降)に矯正を再開するケースもあります。
④18~40歳「矯正方法に気をつける」
成人後の18~40歳頃までの期間は学業・お仕事など、人生の中でももっとも忙しくなる時期です。この時期の矯正は、忙しさのあまり、「めんどくさい」「もういいや」とあきらめてしまい、最後まで治療を続けられないケースが少なくありません。
途中で矯正をやめてしまわないようにするためにも、18~40歳頃に行う矯正ではご自身のライフスタイルに合った矯正方法を選ぶことが大切です。
通院にあまり時間を割けない方、矯正中にできるだけ目立ちたくない方は、2ヶ月に1回の通院で済み、目立ちにくいマウスピース矯正「インビザライン」をおすすめします(※)。
(※)患者様や歯並びの症状によって通院のペースが異なります。
⑤40歳以上「歯周病、歯根破折、および、身体の病気に気をつける」
40歳以上の中高年の時期になると、歯周病や歯根破折のリスクが高まり始めます。
矯正は装置で力をかけて歯を動かす治療です。力をかけるため、歯周病で歯ぐきやあごの骨がダメージを受けていたり、歯根破折で歯の根っこが折れている方には、そのままの状態では原則として矯正は行えません。
歯周病、歯根破折が見られる場合は症状に合わせ、矯正前に適切な治療を行っておくことが重要です。症状に合わせて各種の治療を行い、歯や歯ぐき、あごの骨の状態を改善することで、矯正を実施できる可能性を高められます。
{糖尿病、骨粗しょう症などの身体の病気にも注意が必要です}
歯周病、歯根破折に気をつけると共に、中高年の時期の矯正では糖尿病や骨粗しょう症などの身体の病気にも注意が必要です。
糖尿病や骨粗しょう症などの身体の病気がある方は、歯周病やむし歯が進行してお口の状態が悪いケースが多いです。身体・お口の状態が悪い方には、そのままでは矯正を行えません。
糖尿病や骨粗しょう症などの病気がある場合は、薬物療法を中心に血糖コントロール、食事療法、運動療法を行い、身体の状態を改善することが重要です。身体の状態の改善に加え、適切な歯科治療&クリニックでのプロケア(定期検診、歯のクリーニング)でお口の状態を改善することで、矯正を実施できる可能性を高められます。
【矯正治療で歯並びを整え、活き活きとした人生を】
矯正治療に年齢制限はありません。お口と身体の状態が健全であれば、何歳の方でも矯正を始めることが可能です。
矯正治療を受け、歯並びが整うと口元のコンプレックスの解消につながり、自分に自信を持ちやすくなります。
自分に自信を持つことで人付き合いや恋愛、お仕事、イベントなど、人生のさまざまな場面において積極的になる効果を期待できます。
-歯並びの乱れでお困りの方は、お気軽にご相談ください-
おしむら歯科では、日本矯正歯科学会の矯正認定医による矯正治療を行っています。
当院は、おしむら歯科オリジナルのマウスピース矯正ブランドである「クイックライン」を中心に、マウスピース矯正「インビザライン」を用いての矯正治療を得意分野としております。
マウスピース矯正に加え、従来のワイヤー矯正にも対応可能です。ワイヤー矯正は通常の装置のほか、目立ちにくいクリアブラケット・ホワイトワイヤーもご選択いただけます。
5~9歳ごろのお子さまには、歯並びを乱れさせる悪い癖を改善し、あごの骨の健全な成長をうながす「マイオブレース矯正」を中心とした小児矯正を実施しています。
・前歯の歯並びの乱れ
・奥歯を含めた全体の歯並びの乱れ
・口ゴボ、受け口などのあごの症状
上記のような、歯並び・お口周りのお困りごとがある方は、まずはお気軽にご相談ください。相談費は無料です。
カウンセリングでは、日本矯正歯科学会の矯正認定医、および、日本顎咬合学会の噛み合わせ認定医が現在のお悩みやご希望(理想の歯並び、通院のペースなど)をお伺いし、患者様に適した矯正方法を丁寧にわかりやすくご説明させていただきます。