矯正ブランドによって性能は異なりますが、インビザラインなどのマウスピース矯正で用いるマウスピースは割れ・変形を防ぐために耐久性を高めています。
耐久性を高めているのですが、マウスピース矯正中には何らかの原因でマウスピースが割れたり(ヒビが入る、裂ける)、マウスピースが変形する場合も。
■インビザラインのマウスピースが割れる・変形する主な原因&トラブルの防ぎ方
1.マウスピースの着脱方法が適切ではない
以下のような方法でマウスピースをつけたり外していると、過剰な負荷がかかってマウスピースが割れる・変形することがあります。
[マウスピースの不適切な着脱の仕方の例]
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力任せにマウスピースを外す・つける
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爪でひっかけてマウスピースを外す
≪トラブルの防ぎ方≫
以下をご参考にしていただき、インビザライン矯正中は適切にマウスピースを着脱しましょう。
マウスピースのつけ方
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マウスピースを歯にかぶせる
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前歯から奥歯に向かって指の腹でマウスピースを押し、パチッとはまるまで押し続ける
マウスピースの外し方
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奥歯の内側に指をかけ、マウスピースと歯のあいだにすき間を作る
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すき間ができたら、そのまま奥歯から前歯に向かってマウスピースを外す
2.爪が伸びているor突起物があるネイルアートをつけている
マウスピース矯正中、爪が伸びていたり、突起物があるネイルアートをつけていると、着脱時にマウスピースが割れる・変形することがあります。
≪トラブルの防ぎ方≫
インビザライン矯正中はこまめに爪を切りましょう。
インビザライン矯正中は、突起物があるネイルアートはお控えください。なお、突起物がなければ、インビザライン矯正中のネイルアートはしてもかまいません。
3.40℃を超す熱いお湯でマウスピースを洗っているorマウスピースをつけたままで40℃を超す熱いお湯・お茶などを飲んでいる
インビザライン矯正中、40℃以上の熱いお湯にふれたことが原因でマウスピースが変形することがあります。
≪トラブルの防ぎ方≫
インビザライン矯正中、マウスピースを洗うときは40℃未満の水(またはぬるま湯)にしてください。
洗浄時の水の温度への注意に加え、マウスピースをつけたまま、40℃を超す熱いお湯・お茶・コーヒー・紅茶などを飲むのはやめましょう。
4.マウスピースを外したとき、ケースに入れていない
飲食時や歯磨きなど、インビザラインでの矯正中、マウスピースを外したときにケースに入れていないと、落下したり物にぶつかり、マウスピースが割れる・変形することがあります。
≪トラブルの防ぎ方≫
インビザライン矯正中、マウスピースを外したときはケースに入れましょう。ケースへの収納時はマウスピースを洗い、水気をふいてから入れてください。
5.アルコールや研磨剤が含まれた洗剤・洗浄剤を用いてマウスピースを洗っている
インビザラインで矯正中、アルコールや研磨剤が含まれた洗剤・洗浄剤を用いてマウスピースを洗った場合、マウスピースが割れる・変形することがあります。
≪トラブルの防ぎ方≫
インビザライン矯正中に用いる洗浄剤は、アルコールや研磨剤を含まない物を選びましょう。
なお、専用のマウスピース洗浄剤のほか、インビザラインのマウスピースは食器用洗剤(アルコールや研磨剤を含まない物)でも洗えます。
6.噛む力が強いor歯ぎしり・食いしばりの癖がある
生まれつき噛む力が強い方、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は、インビザラインでの矯正中、マウスピースが割れる・変形することがあります。
≪トラブルの防ぎ方≫
噛む力が強い方、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は、そのままではインビザライン(を含む歯科矯正全般)を行えない場合があります。
対処の仕方としては、歯科で行うMFT(口腔筋機能療法)などにより、噛む力や歯ぎしり・食いしばりの癖を改善する方法も。
■インビザライン矯正中、マウスピースが割れた・変形したときはどうすればイイの?
◎できるだけ速やかに、矯正を受けている歯科医院を受診しましょう
インビザライン矯正中、マウスピースが割れた・変形したときは、できるだけ速やかに、矯正を受けている歯科医院を受診しましょう。
歯科医院では、担当の歯科医師がマウスピース・お口の状況をチェックします。チェックした上で、マウスピースを交換してくれます(※)。
(※)インビザラインのプラン・
クリニックの規定などにより、
マウスピースの交換費用がかかる場合があります。
受診までのあいだは、次につける予定の1つ先のマウスピースを装着しましょう。歯の動きがさまたげられるおそれがあるため、破損したマウスピースをつけるのはおやめください。
【矯正中のルールを守り、理想の歯並びへ】
ご自身が思い描く理想の歯並びを得るために、矯正中のルールを守りましょう。自己判断で破損・変形したマウスピースを装着し続けていると、口腔内に傷がついたり、適切な矯正力がかからないこともあります。
もし破損・変形してしまった場合は、速やかに歯科医院に相談し、判断を仰ぐことが大切です。