歯の矯正で人中(じんちゅう)が伸びる・短くなる? 見た目の変化の疑問にお答えします|マウスピース矯正(インビザライン)|名古屋市中川区のおしむら歯科

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歯の矯正で人中(じんちゅう)が伸びる・短くなる? 見た目の変化の疑問にお答えします


「歯の矯正で鼻の下(人中)が伸びることがあるって、ホント?」


歯の矯正をご検討中の患者さまから、上記のような質問をいただくことがあります。


人中(じんちゅう)とは、鼻の下と上唇のあいだにある縦の溝(縦の窪み)です。


矯正治療で人中が伸びる、または、人中が短くなることはあるのでしょうか?


今回は、「歯の矯正で人中が伸びる・短くなる見た目の変化」について、疑問にお答えします。


■歯の矯正で、人中が伸びる・短くなることがあるの?


◎歯の矯正で人中そのものの長さ(=上顎骨の長さ)が変わることはありません

まず、お伝えしたいことがあります。

歯の矯正が原因で、人中そのものの長さ(=上顎骨の長さ)が変わることはありません。


上顎骨の長さが変わることはありませんが、


  • 歯並びの乱れの種類

  • 矯正方法(抜歯矯正、非抜歯矯正、小児矯正(咬合誘導))


によっては、矯正後に


  • 人中が伸びて見える・短く見える(見た目の変化であり、人中そのものの長さ(=上顎骨の長さ)は変わっていない)


または


  • 実際に人中の長さが変化する(子どもから大人になるときの顎の成長に伴う、人中の長さの変化、矯正ではなく、顎の成長が原因)


場合も。


上記のように聞くと、患者さまによっては


「えっ!? やっぱり、矯正で人中が伸びて見える・短く見えることがあるんだ…」


と気になるかもしれません。


人中の長さが気になる方のために、次の項からは、人中が伸びて見える・短く見えることがある「歯並びの乱れ」や「矯正方法」について、お話しします。


■人中が伸びて見える・短く見えることがある歯並びの乱れ


以下のような歯並びの乱れは、歯の矯正後、人中が伸びて見える・短く見えることがあります。


出っ歯


以下のような理由により、出っ歯(上顎前突:じょうがくぜんとつ)の方は、歯の矯正後、人中が伸びて見えることがあります。


[出っ歯の方が、歯の矯正後に人中が伸びて見えることがある理由]


矯正を受ける前


前歯が前に出ていると、上唇が持ち上がって見えることがあり、人中が短く見える印象につながることもあります。


矯正を受けた後


出っ歯の方が歯の矯正を受け、前方への前歯の突き出しが軽減・解消されると、持ち上がっていた上唇が本来の位置に戻ります。

上唇が本来の位置に戻ることで、矯正前と比べると「人中が伸びたように見える」…


上記のようなメカニズムが、出っ歯の方が歯の矯正後に人中が伸びて見えることがある理由です。


■人中が伸びて見える・短く見えることがある矯正方法


矯正方法によっては、歯の矯正後、人中が伸びて見える・短く見えることがあります。


◎抜歯矯正

  • 出っ歯

  • 受け口

  • ガタガタ歯

  • 口ゴボ(上下顎前突)


などの歯並びの乱れ(or顎の骨格の異常に伴う歯並びの乱れ)に対し、抜歯矯正では、歯を抜いて、歯並び全体を大きく後ろに動かすことがあります。


歯を抜いたスペース分、歯並び全体を大きく後ろに動かすことで、噛み合わせを整えるのです。


噛み合わせが整うと、前方に突き出していた口元が後ろにひっこみ(口元が正しい位置に戻る)、矯正後に人中が伸びて見える場合があります。


{噛み合わせが整うことで、歯の矯正後に人中が短く見えるケースも}


口ゴボでいわゆる「ゴリラ顔」の方は、前方への口元の突き出しが原因で、本来の長さよりも人中が長く見えているケースが少なくありません(「ゴリラ顔」という呼び名の由来)。


歯の矯正によって噛み合わせが整うと、前方への口元の突き出しが軽減・解消されます。


前方への口元の突き出しの軽減・解消により、口元が正しい位置に戻ることで、口ゴボでゴリラ顔の方は歯の矯正後に人中が短く見える場合も。


◎非抜歯矯正

以下のような理由により、非抜歯矯正では、歯の矯正後、人中が伸びて見えることがあります。


  • 綺麗に歯を並べるために、本来、歯を抜くべきであるのにも関わらず、歯を抜かずに非抜歯矯正を行う


上記のような、無理な非抜歯矯正を行うと、綺麗に歯が並ぶためのスペース(口腔内のスペース)が足りず、前方に口元が突き出してしまうケースがあるのです。


無理な非抜歯矯正による前方への口元の突き出しが原因で、いわゆる「ゴリラ顔」になってしまい、歯の矯正後に人中が伸びて見えることがあります。


◎小児矯正(咬合誘導)

「顎の骨格の成長をうながし、乳歯から永久歯への歯の生え変わりの時期に、永久歯がまっすぐ生えてくるスペースを確保する」


というようなメリットを獲得するために、


小児矯正(5~12歳頃(ベストは5~8歳頃))では、顎の成長をうながす「咬合誘導(こうごうゆうどう)」という矯正を主に行います。


この治療では、顎の成長をうながす(顎の骨格を適切に広げていく)ため、顎の成長に伴い、矯正後に人中そのものが長くなる(=上顎骨が長くなる)ケースがあります。


なお、上顎骨の長さの変化の主な原因は、どなたにも見られる顎の成長現象です。顎の成長が原因であり、小児矯正が直接的に上顎骨の長さを変える訳ではありません。


【人中の長さが気になる場合は、矯正を担当する歯科医師に相談しましょう】


今回は「歯の矯正で人中が伸びて見える・短く見える理由」について、お話をさせていただきました。


上記のような理由により、歯の矯正後、人中が伸びて見える・短く見えることがあります。

人中の長さが気になる場合は、矯正を担当する歯科医師に相談しましょう。


人中そのものの長さ(=上顎骨の長さ)を変えるには、顎の骨切りなどの外科的な手術が必要になることがあります。


歯並び・噛み合わせの状態にもよりますが、矯正前であれば、人中が伸びて見えないようにする矯正方法(ゴリラ顔にならないようにする、適切な抜歯矯正など)で治療を進められる可能性があります。


ご不安な点があれば、お気軽にご相談くださいね。

おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

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