矯正は大きく分けて2つの種類があります。一つはインビザラインをはじめとするマウスピース矯正、もう一つは古くからある従来のワイヤー矯正です。
今回はマウスピース矯正、ワイヤー矯正のそれぞれの特徴やメリット・デメリットについてご紹介します。矯正治療をご検討中の方は、ぜひご参考にしてください。
目次
■矯正方法の種類
当院で行っている矯正は以下の2種類です。
・インビザライン(マウスピース矯正)
・ワイヤー矯正
■インビザライン(マウスピース矯正)
インビザラインとは、マウスピースを装着して少しずつ歯を動かす矯正方法です。
インビザラインはアメリカのアライン・テクノロジー社によって開発されました。1999年のサービス提供開始以来、現在までに日本を含めた全世界で約1,000万以上の症例を誇り、多くの患者様・歯科医師からの支持を獲得しています。
[インビザラインのメリット]
メリット①「透明なマウスピースで周りに気づかれにくい」
メリット②「取り外せる」
メリット③「矯正中の違和感が少ない」
メリット④「お口の中を傷つけにくい」
メリット⑤「金属アレルギーを起こしにくい」
メリット⑥「通院回数が少ない」
メリット⑦「さまざまな症例に対応」
メリット①「透明なマウスピースで周りに気づかれにくい」
インビザラインで使用するマウスピースは厚さ0.5mmほどのポリウレタン製です。透明で薄いため目立ちにくく、ちょっと見ただけではマウスピースを装着していることを気づかれません。
メリット②「取り外せる」
マウスピースはいつでも自由に取り外せます。矯正中はマウスピースを取り外していつもどおりのお食事を楽しめます。歯もしっかり磨けるため、むし歯・歯周病リスクを低減でき、衛生的です。
メリット③「矯正中の違和感が少ない」
インビザラインはやわらかいマウスピースを使って少しずつ歯を動かしていきます。固定式のワイヤー装置のように強い力を歯にかけないため、矯正中の違和感が少ないです。
メリット④「お口の中を傷つけにくい」
マウスピースはやわらかいポリウレタン製のため、お口の中を傷つけにくいです。
メリット⑤「金属アレルギーを起こしにくい」
マウスピースはポリウレタン製で非金属のため、金属アレルギーを起こしません(※)。
(※)アンカースクリューによる追加処置やワイヤー矯正の併用など、
治療内容によっては金属を使用する場合があります。
メリット⑥「通院回数が少ない」
通常のワイヤー矯正は調整のために1ヶ月に1回の通院が必要です。インビザラインは矯正中、患者様ご自身でマウスピースを交換していただき、治療を進めていきます。通院は2ヶ月に1回でOKです(通院時に2ヶ月分のマウスピースをまとめてお渡しします)。
メリット⑦「さまざまな症例に対応」
インビザラインは全世界で蓄積された1,000万以上の症例データに基づき、精度の高い矯正システムを構築しています。
精確性の高い矯正システムにより、軽度~重度の歯並びの乱れまで、さまざまな症例に対応可能です(※)。
(※)抜歯の本数が多い矯正やあごの骨格が原因の歯並びの乱れなど、
症例によってはインビザライン単体での治療を行えないケースがあります。
[インビザラインのデメリット]
デメリット①「対応できない症例がある」
デメリット②「マウスピースのみでは治療できない場合がある」
デメリット③「奥歯の噛み合わせが乱れることがある」
デメリット④「1日22時間以上、マウスピースを装着しなければならない」
デメリット⑤「飲食の度にマウスピースを外して歯磨きをしなければならない」
デメリット⑥「マウスピースを患者様ご自身で管理する必要がある」
デメリット⑦「1日に1回、マウスピースのお手入れが必要」
デメリット①「対応できない症例がある」
インビザラインは少しずつ歯を動かすため、抜歯矯正など、大きく歯を動かす(移動距離が大きい)症例が苦手です。大きく歯を動かす症例にはインビザラインのみでは対応できない場合があります(ワイヤー矯正への変更または併用が必要)。
あごの骨格が原因で起きる骨格性の歯並びの乱れもインビザラインのみでは対応できず、外科的矯正(あごの骨切り手術など)が必要になります。
デメリット②「マウスピースのみでは治療できない場合がある」
大きく歯を動かしたい場合にはアンカースクリュー(※1)やIPR(※2)など、症例に応じて追加の処置が必要になることがあります。
(※1)歯槽骨にアンカー(ねじ)を埋め入れ、
アンカーを固定源にして歯を動かす処置。
(※2)歯のあいだをやすりで削ってスペースを作る処置。
デメリット③「奥歯の噛み合わせが乱れることがある」
インビザラインに限らず、マウスピース矯正ではマウスピースの厚みが影響し、奥歯の沈み込み(圧下)が起きてしまうことがあります。
奥歯の沈み込みが起きた場合には該当箇所のマウスピースを切り取ったり、ワイヤー矯正で噛み合わせを治す処置を進めていきます。
デメリット④「1日22時間以上、マウスピースを装着しなければならない」
インビザラインは歯を動かすために1日22時間以上のマウスピースの装着が必要です。定められた1日の装着時間を守らなかった場合、歯が動かず矯正効果が半減する(しっかり歯並びが治らない)ことがあります。
デメリット⑤「飲食の度にマウスピースを外して歯磨きをしなければならない」
マウスピース矯正の矯正期間中は飲食の度にマウスピースを外さなければなりません(水と無糖・無着色の飲み物は外さなくてもOKです)。外すだけではなく、飲食後には歯磨きをしてからマウスピースを再装着する必要があります。
ちょっとしたおやつや甘い飲み物を摂るときにもマウスピースを外す必要があるため、患者様によっては「面倒くさい」「わずらわしい」と感じてしまうこともあります。
デメリット⑥「マウスピースを患者様ご自身で管理する必要がある」
マウスピース矯正ではマウスピースの保管や装着する順番の管理を患者様ご自身で行う必要があります。マウスピースは2ヶ月分をまとめてお渡しするため、管理ができていないとどのマウスピースを着ければ良いのか迷ってしまう可能性もあります。
デメリット⑦「1日に1回、マウスピースのお手入れが必要」
マウスピースは1日に1回、流水によるお手入れが必須です。歯磨きに加えてマウスピースのお手入れが必要なため、患者様によってはわずらわしさを感じてしまうかもしれません。
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以上が、インビザライン(マウスピース矯正)のメリット・デメリットです。メリットが多い一方、デメリットも存在します。
インビザラインをご検討中の方はメリットだけではなくデメリットも事前によくご理解いただいた上で治療をお受けになることをおすすめします。
次の項では、ワイヤー矯正の特徴およびメリット・デメリットについてご紹介します。
■ワイヤー矯正(ブラケット矯正)
ワイヤー矯正とは、金属やセラミック、プラスチックでできたブラケットを歯に接着し、ブラケットに通した金属製のワイヤーで歯を強く締め、歯を動かす矯正方法です。
ワイヤー矯正は歴史が古く一定の治療法が確立されています(インビザラインも一定の治療法が確立されていますがワイヤー矯正と比べると歴史が浅いです)。歯科治療において基本となる矯正であり、「普通の矯正治療」「従来の矯正治療」と呼ぶ場合にはワイヤー矯正を指します。
[ワイヤー矯正のメリット]
メリット①「幅広い症例に対応できる」
メリット②「矯正装置を取り外す必要がない」
メリット③「マウスピース矯正と比べて歯の移動が速く、治療期間を短縮しやすい」
メリット④「細かな調整を行える」
メリット⑤「歴史が古く、一定以上の治療方式が確立されている」
メリット①「幅広い症例に対応できる」
ワイヤー矯正は金属製のワイヤーを用い、強い力をかけて歯を動かします。歯にかける力が強いため、軽度~重度まで幅広い症例の歯並びの乱れに治療を適用できます。
メリット②「矯正装置を取り外す必要がない」
ワイヤー矯正では固定式の矯正装置を使うため、矯正中に装置を取り外す必要がありません。矯正中、飲食の度に矯正装置を取り外す手間がない点がメリットです。
メリット③「マウスピース矯正と比べて歯の移動が速く、治療期間を短縮しやすい」
強い力をかけるワイヤー矯正は歯の移動速度が速いため、治療期間を短縮しやすいです。
メリット④「細かな調整を行える」
ワイヤー矯正は1つ1つの歯にブラケットを装着するため、「歯によって力をかける方向を変える」などの細かな調整を行いやすいです。
メリット⑤「歴史が古く、一定の治療方式が確立されている」
ワイヤー矯正の歴史は古く、その始まりは100年以上前にさかのぼります。長い歴史を経て一定の治療方式が確立されているため、幅広い症例・さまざまな状況に対応できる基盤の強さがあります。
[ワイヤー矯正のデメリット]
デメリット①「目立つ」
デメリット②「痛みを感じやすい」
デメリット③「矯正装置でお口の中を傷つけることがある」
デメリット④「むし歯や歯周病にかかるリスクが高くなる」
デメリット⑤「矯正装置が外れることがある」
デメリット⑥「症例によってはワイヤー矯正のみでは対応できないことがある」
デメリット⑦「定期的(1ヶ月に1回)な通院が必要」
デメリット①「目立つ」
ワイヤー矯正で使うワイヤーやブラケットは金属製のため光ってしまい、矯正中に装置が目立ちます。
{目立ちにくいクリアブラケット・ホワイトワイヤーもあります}
おしむら歯科では、ワイヤー矯正の患者様向けに目立ちにくいクリアブラケット・ホワイトワイヤーをご用意しています。
デメリット②「痛みを感じやすい」
ワイヤー矯正は金属製のワイヤーを用いて強い力で歯を締めるため、痛みを感じやすいです。治療開始時に矯正装置を装着するときがもっとも痛みを感じやすく、定期通院の調整時にも痛みを感じることがあります。
デメリット③「矯正装置でお口の中を傷つけることがある」
矯正中、ワイヤーの先端やブラケットの角で頬や舌、唇の粘膜を傷つけてしまうことがあります。
デメリット④「むし歯や歯周病にかかるリスクが高くなる」
ワイヤー矯正は固定式の矯正装置を装着します。原則として矯正治療が終わるまで矯正装置を外せません。矯正中はすみずみまでしっかりと歯を磨けなくなるため磨き残しがでやすく、むし歯や歯周病にかかるリスクが高くなります。
デメリット⑤「矯正装置が外れることがある」
ワイヤー矯正中に大きく口を開けて食べ物を噛んだり、前歯に強い力がかかると矯正装置が外れてしまうことがあります。
デメリット⑥「症例によってはワイヤー矯正のみでは対応できないことがある」
あごの骨格が原因の歯並びの乱れなど、症例によってはワイヤー矯正のみでは対応できないことがあります(あごの骨格性の歯並びの乱れは外科的矯正(あごの骨切り手術など)が必要です)。
デメリット⑦「定期的(1ヶ月に1回)な通院が必要」
クリニックによって異なりますが、ワイヤー矯正は通常、月1回のペースで定期的に通院していただき、矯正装置の調整を行う必要があります。
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以上がワイヤー矯正のメリット・デメリットです。
マウスピース矯正、ワイヤー矯正、どちらが適しているかは患者様のご希望や歯並びの状態によって異なります。ご納得して矯正を進めていくためには、それぞれの矯正方法の特徴やメリット・デメリットを患者様ご自身がしっかりと理解しておくことが重要です。
【「目立たず」「気軽に始められる」矯正をご希望の方はインビザラインがおすすめです】
今回はマウスピース矯正、ワイヤー矯正、それぞれの特徴およびメリット・デメリットについてご紹介をさせていただきました。
ワイヤー矯正は幅広い症例に対応できる一方、「目立つ」「痛い」「矯正装置を取り外せない」など、少なからずデメリットも存在します。
マウスピース矯正のインビザラインはデメリットもあるものの、「目立ちにくい」「痛みが少ない」「矯正中もマウスピースを取り外していつもどおりのお食事を楽しめる」「歯をしっかり磨ける」など、メリットがたくさんあります。
矯正をご検討中で、以下のご希望やお悩みがある方はインビザラインをおすすめします。
・目立たずに歯並びを整えたい
・痛いのはイヤ
・矯正中、いつもどおりの食事を取りたい
・歯をしっかり磨きたい
・金属アレルギーがある、または、金属アレルギーが心配
・通院時間を作るのがむずかしい
歯並びのお困りごとや矯正方法に関するご質問は当院の無料矯正カウンセリングまでお気軽にご相談ください。ご予約はWEB/お電話にて承っております。