こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。
当院では、インビザラインによるマウスピース矯正を行っています。
目立ちにくい透明なマウスピースを装着して歯並びを整えていく、インビザライン。
目立ちにくさなどのメリットがある一方、インビザラインをはじめとするマウスピース矯正では、「1日につき、20~22時間以上のマウスピースの装着」が必要です。
定められた装着時間(1日20~22時間以上)を守らず、インビザラインの矯正中にマウスピースをつけ忘れてしまった場合は、どうなるのでしょう?
目次
■インビザラインの矯正中にマウスピースをつけ忘れてしまった・装着時間を守れない場合は、どうなる?
インビザラインの矯正中、
「マウスピースをつけ忘れてしまった」などの原因で、装着時間を守れない(マウスピースの装着時間が足りない)場合、以下のような悪影響が生じる可能性があります。
1.しっかり歯が動かず、矯正の効果が薄れる可能性がある
マウスピース矯正、ブラケット矯正など、歯の矯正では、矯正装置をつけて歯を動かしていきます。
インビザラインの矯正中、マウスピースの装着時間が足りないと、しっかり歯が動きにくいです。しっかり歯が動かず、矯正の効果が薄れてしまい、思い描く「理想の歯並び」を得られなくなる可能性も。
2.元の位置に歯が戻りやすくなる(歯の後戻りが起きやすくなる)
インビザラインなどのマウスピース矯正やブラケット矯正で特に気をつけたい現象が、「歯の後戻り」。
歯の後戻りとは、元々の乱れていた位置に歯が戻ってしまう生体現象です。
インビザラインの矯正中、マウスピースの装着時間が足りないと、歯の後戻りが起きやすくなります。
インビザラインの矯正中に起こり得る、歯の後戻り。
マウスピースのつけ忘れによって生じる「歯の後戻り」への対処方法は、次の項でご説明します。
■≪つけ忘れた時間別≫インビザラインの矯正中のマウスピースのつけ忘れへの対処方法
インビザラインの矯正中のマウスピースのつけ忘れは、特に避けていただきたい注意点です。
とは言うものの、お仕事や学業などで何かと忙しく、ついついうっかり、マウスピースをつけ忘れてしまうこともあるかもしれません。
{お酒が入ったお食事の後は、マウスピースのつけ忘れ(再装着忘れ)にご注意}
特に多いマウスピースのつけ忘れの“あるある”としては、お酒が入ったお食事の際、食後のマウスピースの再装着忘れです。
お仕事の後に「疲れた~ 飲むぞ!」「自分へのごほうび」など開放的な気分になり、お酒が入ると、マウスピースの再装着を忘れやすくなります(お気持ちはよく、わかります)。
居酒屋やファミレスでのお食事など、お酒が入ったお食事の後は、マウスピースをつけ忘れ(再装着を忘れる)ないようにしましょう。
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マウスピースをつけ忘れた場合は、つけ忘れた時間別に、以下のような悪影響が考えられます。なお、数時間程度、1日程度のつけ忘れなど、つけ忘れの時間が短い場合は、特に対処は必要にならないケースも。
①2時間~数時間程度のつけ忘れ(1日のみ)(1日18時間~20時間以下の装着など)
対処方法:
特になし(今後は、マウスピースをつけ忘れないように気をつけましょう)
マウスピースのつけ忘れが1日のみ、かつ、2時間~数時間程度のつけ忘れであれば、矯正に大きな悪影響(歯の後戻りなど)は出ないことが多いです。
大きな悪影響は出ないことが多いため、特に処置は行いません。今後は、矯正中にマウスピースをつけ忘れないように気をつけましょう。
②まるっと1日のつけ忘れ(1日中、マウスピースをつけ忘れた)
対処方法1:
特になし(今後は、マウスピースをつけ忘れないように気をつけましょう)
対処方法2(歯の後戻りが見られる場合):
歯並びの状態に応じて、現在つけているマウスピースの装着期間を1日~2日程度、延ばす
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お家を出る前にマウスピースをつけ忘れた
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予備のマウスピースを持ち歩いていなかった
など、患者さまによっては、まるっと1日中、マウスピースをつけ忘れてしまうこともあるかもしれません。
1日中、マウスピースをつけ忘れるのはあまり良くありません。良くありませんが、1日程度であれば、マウスピースをつけなくても歯の大きな後戻りは起きないことが多いです(※)。
(※)多少の後戻りが生じる可能性があります。
1日中、マウスピースをつけ忘れた場合、歯の大きな後戻りが見られなければ、特に処置は行なわないことが多いです。
{歯の後戻りが見られる場合は、マウスピースの装着期間を1日~2日程度、延ばす対処が必要になるケースも}
1日以内であれば、つけ忘れによる歯の大きな後戻りは起きないことは多いです。ただし、患者さまや歯並びの状態によっては、1日中マウスピースをつけ忘れたことが原因で歯の後戻りが起きてしまう場合も。
歯の後戻りが起きると、元の位置に歯が近づいたことが原因で、以前よりもマウスピースの装着時に歯の痛みを感じる場合があります。
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1日中、マウスピースをつけ忘れてしまい、マウスピースをつけると、以前よりも歯が強く痛む
場合は、インビザラインの矯正を受けているクリニックへご連絡ください(または、ご来院ください)。担当の歯科医師が、マウスピースの装着期間を延ばすかどうかを検討し、対処方法をお伝えします。
③2日以上のつけ忘れ
対処方法:
歯並びの状態に応じて、矯正の治療計画を変更する(歯の大きな後戻りが起きている場合)
2日以上、マウスピースをつけ忘れた場合、歯の後戻りが起きている可能性があります。歯の後戻りが起きていると、現在使用しているマウスピースが歯に合わなくなるケースも。
歯に合わないマウスピースをつけてしまうと、歯・歯周組織に過剰な負荷がかかるおそれがあります。
{インビザラインの矯正を受けているクリニックを受診しましょう}
2日以上、マウスピースをつけ忘れてしまい、「マウスピースをつけると、以前の装着時よりも歯が強く痛む(歯の後戻りが起きている可能性があります)」場合は、歯科医師の判断により、矯正の治療計画の変更が必要になる場合があります。
2日以上、マウスピースをつけ忘れた場合は、矯正を受けているクリニックを受診しましょう。
診察の際は、「〇日、マウスピースをつけ忘れてしまった」旨を歯科医師にお伝えください。歯科医師が歯並びの状態を確認し、治療計画の変更が必要か・必要でないかを判断します。
【理想の歯並びを得るために、インビザラインの矯正中は1日20~22時間以上、マウスピースを装着しましょう】
1日20~22時間以上のマウスピースの装着など、マウスピース矯正には「守るべきルール」が少なからず存在します。
守るべきルールがあるマウスピース矯正ですが、すべてのルールは、患者さまが思い描く「理想の歯並び」を手に入れるために必要なものです。
理想の歯並びを得るために、インビザラインの矯正中は1日20~22時間以上、マウスピースを装着しましょう。
もし、インビザラインの矯正中、ストレスを感じて矯正を続ける気力が落ちてしまったときは、矯正を担当している歯科医師までご遠慮なくご相談ください。
ご相談は、どんなお話でもかまいません。
患者さまからのお話を歯科医師が真摯にお伺いし、必要に応じてアドバイスを行うなど、最後まで矯正を続けるためのサポートをさせていただきます。