こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。
以前、ブログで「矯正中の歯磨きの仕方」についてお伝えしました。お読みいただいた矯正中の患者様からもご好評だったのですが、「ブラッシング方法はわかったけど、どうしてもワイヤー矯正中の歯磨きが面倒くさい」というお声もいただきました。
そこで今回は、前回の記事のおさらい&ワイヤー矯正中のブラッシングをシンプルに行うコツについてお教えします。ワイヤー矯正中の歯磨きでお悩みの方は、ぜひ、ご参考にしてください。
目次
■ワイヤー矯正中の歯磨きのポイント
ワイヤー矯正中は、以下のポイントに気をつけることで歯と矯正装置のあいだに溜まった汚れや歯垢を落としやすくなります。
ポイント①「鏡やスマホを見ながらブラッシングする」
歯を磨くときには鏡やスマホにお口の中を写しながらブラッシングすると、ご自身がどこを磨いているのかを把握でき、磨き残しを減らせます。
ポイント②「磨く順番を決め、同じ歯の面をまとめてブラッシングする」
歯を磨くときには磨く順番を決めておき、順番にしたがって同じ歯の面(噛み合わせ面や歯の表側・裏側など)をグルリとまとめてブラッシングすると磨き忘れや磨き残しを減らせます。同じ面をまとめて磨くことでブラシの向きを変える回数が減るため、ブラッシングの手間も少しだけ減ります。
■ワイヤー矯正中の歯磨きをシンプルに済ませたい場合は?
◎以下の4つのコツを参考にブラッシングしてみましょう
ワイヤー矯正中の歯磨きの仕方は気をつけるポイントがいくつかありますが、あまり細かく考えながら毎日、毎食、歯磨きをするのは疲れてしまいますよね。そんなときには、まずは以下の「4つのコツ」だけを頭に入れ、歯を磨くことをおすすめします。
以下の「ワイヤー矯正中の歯磨きのコツ」を守っていただければ、ワイヤー矯正中の基本的な歯磨きはほぼOKです。コツに沿ったブラッシングがスムーズに行えるようになったら以前の記事でご紹介した「ワイヤー矯正中の歯磨きの仕方」をご参照いただき、それぞれのポイントに沿ったブラッシングを実践してみましょう。
[ワイヤー矯正中の歯磨きのコツ]
コツ1.「歯ブラシは軽い力で持ち、小刻みに動かして磨く」
コツ2.「ブラケットと歯のすき間を磨くときは、ブラケットに対して「正面・上・下」から歯ブラシを斜めに入れて汚れをかき出す」
コツ3.「歯周ポケットの中を磨くときは歯ブラシの毛先を歯周ポケットの中にすべりこませるようにして磨く」
コツ4.「歯と歯のあいだはデンタルフロスや歯間ブラシで綺麗にする」
■マウスピース矯正中の注意点
◎マウスピース矯正中に気をつけたいポイント
マウスピース矯正はいつでもマウスピースを取り外せるため、歯磨きとお食事はいつもどおりでOKです。
マウスピース矯正中は「マウスピースの着け忘れ」と「マウスピースを装着したままの飲食」に気をつける必要があります。
ポイント①「スマホのリマインダーやアラームを活用する」
マウスピース矯正は1日22時間以上、マウスピースを装着する必要があります。マウスピースを着け忘れてお仕事やお出かけに行ってしまうと、1日マウスピースを着けずにすごすことになります。
1日だけマウスピースを着けなくても、矯正治療が失敗することはありません。ただし、マウスピースの着け忘れを何度も(何日も)繰り返してしまうと、治療計画どおりに歯が動かなかったり、矯正期間が延長してしまうことがあります。
マウスピースの着け忘れを防ぐためには、スマホのリマインダーやアラームを活用するのがおすすめです。飲食をする時刻や出社時刻にスマホのリマインダーやアラームをセットしておくことで、マウスピースの着け忘れを防ぎやすくなります。
ポイント②「予備のマウスピースを持つ習慣をつける」
スマホのリマインダーやアラームを使っていても、忙しいときにはうっかりミスでマウスピースを着け忘れることもあるかもしれません。そんなときのために、お仕事や外出の際にはふだんから予備のマウスピースを持って出かける習慣をつけておくとよいでしょう。
予備のマウスピースは今着けている物の1つ前または1つ後のマウスピースにしてください。予備のマウスピースを持つことでマウスピースを着け忘れた場合に予備の物を装着でき、後戻りが起きるリスクや矯正効果が薄れるリスクを減らせます。
ポイント③「マウスピースを着けたままの飲食はNG(水だけはOK)」
マウスピースの矯正中はマウスピースを着けたままの飲食はNGです(水だけはOK)。マウスピースを着けたまま飲食をしてしまうと、マウスピースと歯のあいだに飲食物が入り込み、むし歯や歯周病にかかりやすくなります。マウスピースが外れたり破損する原因にもなります。
無糖のコーヒーや無糖の紅茶、お茶はマウスピースを着けたまま飲んでもむし歯にはなりにくいです。ただし着色しやすいため、歯の白さが気になる方はコーヒーや紅茶、お茶を飲むときはマウスピースを外すようにしましょう。
【矯正中のブラッシングは「いつもの歯のお手入れ」感覚で行いましょう】
ワイヤー矯正中の歯磨きは、矯正装置に対応したブラッシングのポイントやコツがあります。守るべきポイントやコツがいくつかあるため、患者様によっては歯磨きがおっくうになってしまうかもしれません。
矯正中の歯磨きが面倒くさいときは、今回お伝えした4つのコツを守ればとりあえずはOKです。まずは4つのコツを習慣づけることを意識し、「いつもの歯のお手入れ」感覚で毎日の歯磨きを行うようにしましょう。
4つのコツに沿った歯磨きに慣れてきたら、前回のブログでお伝えした「ワイヤー矯正中の歯磨きのポイント」を実践してみてください。