なぜ?矯正治療が長引く理由|マウスピース矯正(インビザライン)|名古屋市中川区のおしむら歯科

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なぜ?矯正治療が長引く理由


こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。

矯正中の患者様の中には、「早く矯正が終わらないかな」と願う方もいらっしゃるかと思います。

矯正は長期的な歯科治療です。長い治療期間のあいだには予期せぬトラブルや不具合が起きたり、ケースによっては治療期間が延長してしまうこともあります。

今回は「矯正治療が長引く理由」についてご説明させていただきます。


■矯正治療が長引いてしまう理由


矯正治療は以下のような原因により、治療期間を延長する場合があります。


[矯正期間が延長する主なケース]

{患者様の体質によるもの}
①歯の動きが遅い
②歯とあごの骨が癒着している

{歯科医師の原因によるもの}
③治療計画の立案ミス

{患者様の原因によるもの}
④矯正装置の破損や故障
⑤マウスピースの装着時間を守らない
⑥むし歯や歯周病による矯正の中断
⑦通院をさぼってしまうor定期的に通院できない
⑧クセが歯の動きを邪魔している

①歯の動きが遅い

歯が動くスピードには個人差があります。あごの骨の代謝能力や噛む力の違い、年齢など、歯が動くスピードは人それぞれです。食事のときの噛み方や睡眠時間などの生活習慣によっても歯の動き方は変わります。

歯の動きが遅く、治療計画どおりに歯が動かない場合は治療期間を延長するケースがあります。


②歯とあごの骨が癒着している

歯とあごの骨は歯根膜で隔てられているため、通常は歯とあごの骨が癒着することはありません。しかし、歯に強い衝撃を受けたり、何らかの原因によって歯根膜の細胞が異常に増殖すると歯とあごの骨が癒着してしまうことがあります。

歯とあごの骨が癒着すると歯は動かなくなります。歯とあごの骨が癒着している場合は矯正前に外科的な手術(コルトミー手術)を行い、あごの骨から歯を引き離す必要があります。


③治療計画の立案ミス

矯正治療は歯科医師の経験や技術、矯正に関する知識が治療結果を左右します。患者様の歯やあごの状態を精密にチェックしなかったり歯科医師が治療計画の立案を誤ると計画どおりに歯が動かず、治療期間が延長してしまうケースがあります。


④矯正装置の破損や故障

ワイヤー矯正中、硬い物やほおばる食べ物(丸ごとのりんごやカットしていないステーキ、フランスパンなど)をかじると矯正装置が外れたり破損してしまうことがあります。キャラメルなどの歯につきやすい食べ物も矯正装置が外れる原因になります。

矯正装置が外れた場合は歯科医院で再装着を行います。破損した場合は装置の作り直しが必要です。再装着・作り直すまでのあいだは歯にかかる力が弱まるため治療計画に遅れが出てしまい、治療期間が延長するケースがあります。


⑤マウスピースの装着時間を守らない

マウスピース矯正(インビザライン)では、歯を動かすために定められた1日のマウスピースの装着時間を守る必要があります。インビザラインは1日22時間以上のマウスピースの装着が必要です。

定められた装着時間を守らなかったり、マウスピースを着け忘れて外出し1日中マウスピースが着けられないなどのミスが続くと歯が動く機会が減って治療計画に遅れが出ます。

マウスピースの装着時間を守らないと矯正効果が半減したり、ケースによってはまったく矯正効果が見られない(歯並びが改善されない)こともあります。


⑥むし歯や歯周病による矯正の中断

ワイヤー矯正の場合、矯正装置を着けたら原則として治療が終わるまで装置を外せません。装置を外せないため、矯正中にむし歯や歯周病にかかりやすくなります。

お口の健康を守るため、ワイヤー矯正中は矯正装置に対応した歯磨きが必要です。

患者様によっては矯正装置に対応した歯磨きが面倒になってしまい、ついつい歯磨きをおざなりに済ませてしまうことがあります。

おざなりな歯磨きや歯磨きをさぼったことが原因でむし歯や歯周病にかかってしまったときは、お口の病気の治療が必要になる場合があります。症状によっては矯正装置を外して矯正を中断し、お口の病気の治療を進めていきます。

矯正を中断しているあいだは歯が動かないため、矯正期間が延長します。


⑦通院をさぼってしまうor定期的に通院できない

ワイヤー矯正中は4~6週間に1回の頻度で通院いただき、矯正装置を調整して歯を締め直します。マウスピース矯正中は2ヶ月に1回の頻度で通院いただき、ご来院時に新しいマウスピースをお渡しします。

治療計画どおりに歯を動かすためには定期的な通院が欠かせません。「仕事が忙しい」「モチベーションが続かない」などの理由で通院をさぼってしまったり通院の間隔に間が空くとしっかりと歯を動かせなくなり、治療期間が延長してしまうことがあります。


⑧クセが歯の動きを邪魔している

以下のようなクセがあると歯の動きが邪魔されてしまい、治療期間が延長してしまうことがあります。

[歯の動きを邪魔するクセ]

・舌で前歯の裏側を押す
・舌を上下の前歯のあいだに出す
・爪を噛む
・口呼吸(舌が下あごの中に落ち込みやすくなり、歯の動きを邪魔する)


【矯正を成功させるために必要なこと】


矯正期間を長引かせないためには、以下の3点が重要です。

①精密機器を使い、患者様の歯やあごの状態をしっかりチェックして綿密な治療計画を立てる(歯科医師による治療計画の立案ミスを低減)
②矯正中にしてはいけないこと(硬い物を食べる、歯磨きや通院をさぼる、など)はせず、マウスピース矯正の場合は定められたマウスピースの装着時間をかならず守る(患者様が矯正のルールを守る)
③舌癖や口呼吸などのクセがある場合はクセを改善する治療を行う

矯正治療を成功させるには、患者様・歯科医師双方が「するべきこと」を守ることが重要です。お互いがするべきことを守っていれば、矯正中のトラブルや治療期間が延長するリスクを減らせます。

理想の歯並びを手に入れるため、患者様と歯科医師、共に二人三脚で協力し合い、ごいっしょに矯正を楽しんでいきましょう。


おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

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