こんにちは。おしむら歯科　院長の押村侑希です。

今回は「矯正治療中のスポーツ」についてお話しします。

スポーツをされていて、矯正をご検討中の方、また、矯正を受けており、スポーツを始めるご予定の方など、「矯正中にスポーツを行う方」もいらっしゃるかと思います。

矯正中もスポーツを行うことが可能です。ただし、スポーツや矯正治療の種類によっては矯正装置がお口の中を傷つけてしまったり、装置が外れてしまう場合があるため、注意が必要なケースも。

■ワイヤー矯正のデメリット

◎ワイヤー矯正は矯正装置によってお口の中を傷つけてしまうことがあります

ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットというパーツを接着し、ブラケットの中に通した金属製のワイヤーでギュッと歯を締め、歯並びを整えます。

ワイヤー矯正で用いるブラケットには金属製やプラスチック製、セラミック製などさまざまな素材があります。ワイヤーは金属製の物が一般的です。

ブラケット、ワイヤー、どちらも硬い素材でできているため、装置の角や先端がごつごつしています。

装置がごつごつしているため、ワイヤー矯正の矯正中は矯正装置によってお口の中（頬の内側や舌の粘膜など）を傷つけてしまうことがあります。

■矯正治療中のスポーツにおける注意点

◎格闘技などのコンタクトスポーツ、球技はお口を傷つけてしまうことがあります

ワイヤー矯正では、以下のようなスポーツは矯正中、お口にケガをすることがあります。

・柔道、レスリング、ボクシングなどの格闘技

・サッカー、バレーボール、バスケットボールなどの球技

ワイヤー矯正の装置はごつごつしているため、上記のようなスポーツをすると顔面や口元に衝撃を受けたときに装置によってお口の中を傷つけてしまうことがあります。衝撃が原因で装置が外れてしまうケースも。

◎ワックスや角を丸くするなどの対処法もありますが、あまり効果は期待できません

ワイヤー矯正の装置がお口の中を傷つけるのを防ぐために、ワイヤーの先端にワックスを塗ったり、装置の角を丸くするなどの対処法もあります。

対処法はあるのですが、上記のような激しいスポーツでは顔面や口元に大きな衝撃を受けることがあります。ワックスを塗ったり装置の角を丸くしても、衝撃を受けた場合はお口の中を傷つける可能性が高く、あまり効果は期待できません。

◎歯の裏側に装置をつければ大丈夫？

ワイヤー矯正には歯の表側に装置をつける表側矯正のほか、歯の裏側（舌側：ぜっそく）に装置をつける裏側矯正（舌側矯正：ぜっそくきょうせい）があります。

「歯の裏側に装置をつける」と聞くと、スポーツをされる患者様によっては、

「歯の裏側に装置をつける裏側矯正なら、格闘技や球技などの激しいスポーツでも口の中を傷つけにくいのでは？」

と考える方もいらっしゃいます。しかし、裏側矯正にもリスクはあります。

たしかに、裏側矯正は歯の裏側に装置をつけるため、歯の表側部分の頬の粘膜は比較的傷つきにくいです。ただし、裏側矯正は歯の裏側に装置があることから、舌を傷つけやすいデメリットがあります。

裏側矯正にしても、格闘技や球技などで顔面や口元に激しい衝撃を受けてしまうと、歯の裏側につけた矯正装置によって舌が傷つく可能性があります。

■マウスピース矯正は比較的、安全性が高いです

◎インビザラインではやわらかいポリウレタン製のマウスピースを用います

矯正をご検討されており、スポーツをする方におすすめしたいのがマウスピース矯正の「インビザライン」です。

インビザラインは厚さ0.5mmほどのやわらかいポリウレタン製のマウスピースを用い、歯並びを整えます。

薄くやわらかいポリウレタン製のマウスピースを用いるため、先端や角がごつごつしているワイヤー矯正の矯正装置と比べて、インビザラインはお口の中を傷つけにくいです。

◎インビザラインなら、より安心してスポーツに集中できます

やわらかいマウスピースを歯に装着して歯並びを整えるインビザライン。

やわらかいマウスピースを用いるインビザラインであれば、スポーツで顔面や口元に衝撃を受けた場合も、装置がお口の中を傷つける可能性を減らせます。

スポーツをする方はお口の中を傷つける可能性があるワイヤー矯正ではなく、インビザラインにすることでお口を守りやすくなり、より安心してスポーツに集中できます。

◎マウスピース矯正なら、どのブランドでもOK？

世界にはたくさんのマウスピース矯正ブランドが存在します。しかし、すべての矯正ブランドがやわらかいマウスピースを用いる訳ではありません。

ストローマン社のクリアコレクトなど、矯正ブランドによっては比較的硬めのカチッとしたマウスピースを用いる物もあります。

もちろん、硬い素材のマウスピースだとしても、金属製でごつごつしているワイヤー装置と比べれば、スポーツで顔面や口元に衝撃を受けた場合にお口の中を傷つけにくいです。

硬い素材・やわらかい素材、どちらのマウスピース矯正ブランドを選ぶかは患者様のご判断になります。スポーツをする方は、衝撃を受けたときのことをイメージして、硬い素材・やわらかい素材、どちらのマウスピースがよりご自身に合っているのかを入念にご検討することをおすすめします。

【矯正治療の無料相談を行っています】

おしむら歯科では矯正治療の無料相談を行っています。

歯並びの乱れやお口の不具合でお悩みの方、矯正治療に関するご質問がある方はお気軽にご相談ください。相談費は無料です。

カウンセリングでは日本矯正歯科学会の矯正認定医、および、日本顎咬合学会の噛み合わせ認定医が患者様からお話をお伺いし、お1人お1人に合った矯正方法を丁寧にわかりやすくご説明させていただきます。