「矯正の精密検査では、何を見るの?」
歯の矯正は、難しい歯科治療です。難しい歯の矯正を成功させるためには、矯正を始める前の「精密検査」が欠かせません。
今回は、歯の矯正に欠かせない「精密検査」について、何を見ているのかなど、詳しくご説明します。
目次
■矯正の精密検査で確認すること
1.お口の健康状態をチェック
矯正を始める前には、歯科医師が患者さまのお口の健康状態をチェックします。
目視による確認に加え、レントゲン撮影も行い、口腔内の状態を詳細にチェックしていきます。
検査でむし歯・歯周病や口腔内の異常が見つかった場合は、原則として、そのままでは矯正を行えません。
必要に応じて、患者さまのご同意を得た上で、むし歯・歯周病治療や口腔内の異常に対する治療・処置を実施。矯正を始める前に、歯・歯周組織を健全な状態に近づけておくことが重要です。
2.口腔内、および、お顔の写真撮影
お口の健康状態をチェックした後は、口腔内、および、お顔の写真撮影を行います。
[写真撮影で確認すること]
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お口を開けたときの歯並びの見た目
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笑ったときの歯並びの見た目
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顎やお顔にゆがみがないか
上記を写真でチェックすることで、矯正前・矯正後でどのように歯並び・お顔立ちが変化したかを確認できます。
3.パノラマレントゲン撮影
パノラマレントゲンとは、口腔内を横長に撮影可能な撮影機器です。
パノラマレントゲン撮影により、矯正治療に必要な以下のような情報を確認します。
[パノラマレントゲン撮影で確認すること]
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歯の位置
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歯根の長さ
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顎の形
4.歯科用CT撮影
歯科用CTとは、歯科専用のCTです。歯科用CTは以下のような箇所を立体的(3D=縦・横・奥行き)に確認できます。
[歯科用CT撮影で確認すること]
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歯根の長さ・歯根の形
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顎の形
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顎の骨の中を通る神経・血管の位置
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顎の骨の骨密度
上記のような箇所を立体的に確認することで、お一人おひとりで異なる歯並び・顎の形に合った矯正の治療計画を立案しやすくなります。
歯科用CT撮影は「矯正で起こり得るトラブル」の発生リスクを低減する役割も
精細な3D画像に基づく、歯・歯周組織や神経・血管の位置の確認により、矯正で起こり得るトラブルの発生リスクを低減できます。
[矯正治療で起こり得るトラブルの例]
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歯根が割れる(歯根破折)
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歯槽骨の外側に歯が飛び出す
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歯根が大きく吸収(歯根が体に吸収されて短くなってしまうこと)し、歯が抜け落ちる
5.セファロレントゲン撮影
セファロレントゲンとは、矯正専用のレントゲンです。セファロレントゲンは以下のような箇所が矯正でどのように変化していくかを、経時的(タイムラプス=時間の流れ)に確認できます。
[セファロレントゲン撮影で確認すること(矯正でどのように変化していくかの確認)]
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歯並び
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顎の形
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お口とおでこ・鼻・唇・顎の位置関係
セファロレントゲンで上記のような情報を経時的に確認しながら矯正を進めていくことで、歯並びを整えるだけではなく、顎をはじめとするお顔全体のパーツの位置も考慮する矯正治療にアプローチできます。
6.歯型の採取(口腔内スキャナー or 印象材による歯型取り)
口腔内スキャナー「iTero(アイテロ)」を用い、歯型取りを行います(インビザラインの場合)。短時間(1分程度)のスキャン撮影で歯型を採取可能です。
ブラケット矯正では、印象材(シリコン・石膏)による歯型取りを行うことがあります。
(必要に応じて)7.噛み合わせ・顎の機能をチェック
上記1~6の検査で噛み合わせ・顎の機能に異常が見つかった場合は、必要に応じて、噛み合わせ・顎の機能をチェックすることがあります。
噛み合わせ・顎の状態によっては、下記のような治療が必要になるケースも。
[噛み合わせ・顎の機能の異常に対する治療の例]
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外科的矯正(顎の骨切り手術など)(顎の骨格が原因で歯並びが乱れている場合)(※)
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咬合調整(噛み合わせ面のエナメル質を削り、噛み合わせを正常に近づける治療)
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補綴治療(インプラント・ブリッジ・入れ歯など。歯が足りず、そのままでは矯正をスムーズに進めるのが難しい場合)
(※)口腔外科・形成外科、または、
美容外科で外科的矯正を行います。
【歯並びの乱れでお困りの方はお気軽にご相談ください】
おしむら歯科では、日本矯正歯科学会の矯正認定医、および、日本顎咬合学会の噛み合わせ認定医による矯正治療を行っています。培った経験・専門性を高めた治療に基づき、難症例の矯正にも対応可能です。
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前歯の歯並びの乱れ
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奥歯を含めた全体の歯並びの乱れ
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口ゴボ、受け口などの顎の骨格異常
上記のような、歯並び・お口周りのお困りごとがある方は、まずはお気軽にご相談ください。相談費は無料です。ご予約はWEB・お電話にて承っております。