こんにちは。おしむら歯科　院長の押村侑希です。

当院では、3～12歳頃のお子さまを対象にむし歯予防処置のシーラントを行っています。

今回はお子さまのむし歯予防に役立つ「シーラント」についてご説明します。

■シーラントとは

◎奥歯の溝や前歯の裏側にプラスチック樹脂を詰めるむし歯予防処置です

シーラントとは、乳臼歯や大臼歯（永久歯）などの奥歯の溝にレジンという白いプラスチック樹脂を詰めるむし歯予防処置です。レジンを詰めることで、奥歯の溝がむし歯にかかりにくくなる効果を期待できます。

奥歯の溝のほか、前歯の裏側にシーラントを行う場合もあります。特に「盲孔（もうこう）」と言って前歯の裏側の歯ぐきとの境目近くに小さな穴が開いていると、穴の内部がむし歯になりやすいです。盲孔がある場合はシーラントで前歯の裏側の穴を埋めることでむし歯を防ぎやすくなります。

◎フッ素の力で歯のエナメル質を硬く強化します

シーラントで用いるレジン（フッ素徐放性レジン）には歯のエナメル質を硬く強化する作用を持つフッ素が含まれています。シーラントでレジンを詰めることで奥歯の溝がむし歯にかかりにくくなるほか、フッ素が持つ歯のエナメル質の強化作用によりさらにむし歯予防の効果を高められます。

■シーラントの対象となる歯

主に、むし歯になりやすい臼歯（乳臼歯、大臼歯（永久歯））の噛み合わせ面にシーラントを行います。前歯の裏側や小臼歯（永久歯）にシーラントを行う場合もあります。

［シーラントの対象となる歯］

・乳歯の第1乳臼歯

・乳歯の第2乳臼歯

・永久歯の第1大臼歯（6歳臼歯）

・永久歯の第2大臼歯（12歳臼歯）

・前歯の裏側（前歯の盲孔がある、または、前歯の裏側がむし歯になりやすい場合）

・永久歯の小臼歯（噛み合わせ面の溝が深い場合）

■シーラントの対象年齢

◎3～12歳頃のお子さまが対象です

シーラントは乳歯、または、生え変わったばかりの永久歯を持つ3～12歳頃のお子さまが対象です。

乳歯や生え変わったばかりの永久歯は歯質が未成熟でむし歯になりやすく、むし歯の進行スピードも速いです。また、奥歯の溝は歯ブラシの毛先が入らないため、どうしてもむし歯にかかりやすくなります。

むし歯になりやすいお子さまの奥歯の溝や前歯の裏側をシーラントで埋めることでむし歯予防の効果を高められます。

■シーラントは保険適用できる？できない？

◎シーラントは保険適用できます

シーラントは保険で受けられます。ただし、すべてのお子さまがシーラントを保険で受けられる訳ではなく、以下の条件を満たす必要があります。

①6～12歳で、COまたはC1の初期むし歯にかかっている乳歯が1本以上あること

②6～12歳で、生えてから間もない（幼若な）第1大臼歯（6歳臼歯）または第2大臼歯（12歳臼歯）であること

上記に当てはまらない場合は自由診療となり、シーラントの費用は自己負担になります。

お子さまがシーラントを保険で受けられるかどうかを知りたい方は歯科医師までおたずねください。

■シーラントの流れ

おしむら歯科では、以下のような流れでシーラントを進めていきます。1本の歯につき、所要時間は2～3分程度です。

1．歯を清掃して綺麗な状態にします

2．酸処理をしてシーラントをつきやすくします

3．奥歯の溝や前歯の裏側にシーラント材を充填します

4．シーラント材を研磨し（必要な場合のみ）、最後に噛み合わせのチェックをしてシーラントを終了します

■シーラントの頻度は？

◎定期検診の際にシーラントがはがれていないかチェックします

シーラントは一度行えば長い場合で数年以上持つケースもあります。ただし、「シーラントは何年持つ」という保証はありません。お子さまや歯の形によっては比較的短い期間（数ヶ月程度）でシーラント材の一部がはがれてしまうことも。

シーラント材の一部が中途半端にはがれるとプラスチック樹脂と歯の溝のあいだにむし歯菌が入り込み、むし歯が進行しやすくなります（シーラント材が邪魔をして歯の溝をしっかり磨けなくなるため）。

シーラント後は3～4ヶ月に1回程度のペースで小児歯科検診に通い、シーラントがはがれていないかを定期的にチェックすることが大切です（※）。シーラントがはがれている場合は古いシーラントを取り除き、新しいシーラントの再充填を行います。

（※）お子さまや歯の状態によって定期検診のペースが異なります。

【定期検診とシーラント、フッ素塗布でお子さまのむし歯を予防しましょう】

おしむら歯科ではお子さまを対象にした小児歯科の定期検診を実施しています。検診ではお子さまの歯やあごの状態をチェックし、歯のクリーニングを行います。定期検診を受けることでむし歯や噛み合わせの異常をいち早く察知でき、早期治療につながります。

検診時には併せてシーラント、フッ素塗布を受けることが可能です。検診時以外でもご予約をいただければ適宜、受けられます。シーラント、フッ素塗布をご希望の方は歯科医師までお申し出ください。

お子さまの大切な歯をむし歯から守るためにも、毎日のケア（お子さまご自身で行う自分磨き＋保護者様による仕上げ磨き）に加え、歯科医院で定期的に検診を受けましょう。