「子どもの乳歯がグラグラしてきた… 指で歯をつまんで抜いてもイイのかな?」
個人差はありますが、通常、6~12歳頃になると乳歯が抜け、永久歯が生えてきます。
乳歯が抜ける時期になると、お子さん・親御さんによっては、
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乳歯がグラグラするまで、自分で乳歯を抜かない方がイイ?
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乳歯がグラグラしてきたら、自分で(または親御さんが)指で歯をつまんで抜いてもイイ?
など、心配なこと・わからないこともあるかもしれません。
以前、当院のブログでも、乳歯から永久歯に生え変わるときの注意点をご説明させていただきました。
今回は、「乳歯が抜ける時期」「適切な乳歯の抜き方」について、お話しします。
目次
■乳歯が抜ける時期・乳歯が抜ける順番
◎6~12歳頃に乳歯が抜け、永久歯が生えてきます
子どもによって個人差がありますが、通常、6~12歳頃になると乳歯が抜け、永久歯が生えてきます。
◎下顎の前歯の乳歯から抜け始め、前歯から奥歯に向かって乳歯が抜けていくことが多いです
乳歯が抜ける順番についてですが、上顎と下顎では、乳歯の抜ける順番に多少の違いがあります。上顎と下顎で抜ける順番に多少の違いはあるものの、通常、以下のような順番で乳歯が抜けていくことが多いです。
乳歯が抜ける時期 |
上顎/下顎 |
乳歯の名称(乳歯の位置) |
7~8歳頃 |
上顎 |
乳中切歯 |
8~9歳頃 |
乳側切歯 |
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9~11歳頃 |
第1乳臼歯 |
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9~12歳頃 |
第2乳臼歯 |
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11~12歳頃 |
乳犬歯 (C:3番目の前歯) |
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6~7歳頃 |
下顎 |
乳中切歯 (A:真ん中の前歯) |
7~8歳頃 |
乳側切歯 (B:2番目の前歯) |
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9~11歳頃 |
乳犬歯 (C:3番目の前歯) |
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10~12歳頃 |
第1乳臼歯 (D:手前の奥歯) |
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11~13歳頃 |
第2乳臼歯 (E:奥の奥歯) |
なお、上記の時期・順番は目安です。必ずしも、上記の時期・順番に乳歯が抜けていくとは限りません。乳歯が抜ける時期がずれたり、乳歯が抜ける順番が変わるケースもあります。
多少の差であれば、乳歯が抜ける時期がずれたり、乳歯が抜ける順番が変わっても、大きな問題は起きないことが多いです。
■適切な乳歯の抜き方 乳歯がグラグラしてきたら指でつまんで抜いてもイイ?
◎適齢期ではない乳歯は無理に抜かない方が良いです
適切な乳歯の抜き方についてですが、まず、注意していただきたいのが、「適齢期ではない乳歯は無理に抜かない方が良い」点です。
[乳歯の位置別(上下の乳歯) 乳歯が抜ける適齢期とされている年齢]
乳歯の名称(乳歯の位置) |
年齢 |
乳中切歯(A:真ん中の前歯) |
6~8歳頃 |
乳側切歯(B:2番目の前歯) |
7~9歳頃 |
乳犬歯(C:3番目の前歯) |
9~12歳頃 |
第1乳臼歯(D:手前の奥歯) |
9~12歳頃 |
第2乳臼歯(E:奥の奥歯) |
9~13歳頃 |
適齢期ではないときに無理に乳歯を抜いてしまうと、
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歯茎が裂けて出血する
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乳歯の歯根が折れ、顎の骨の中に乳歯の歯根が残る
などのトラブルが起きる可能性があります。
◎乳歯が抜ける適齢期&乳歯がブラブラしてきたら、お子さんご自身、または、親御さんが乳歯を抜くこともできます
上記の表にあるように乳歯が抜ける適齢期になり、かつ、乳歯がブラブラ(グラグラではなく“ブラブラ”であることが重要)してきましたら、
お子さんご自身や親御さんが乳歯を抜くこともできます。
お子さんご自身、または、親御さんが乳歯を抜くこともできますが、注意していただきたい点も。
乳歯がグラグラしているときは、無理に乳歯を抜くのはやめましょう。無理に乳歯を抜くと歯茎が大きく裂け、歯茎からの出血が増える、などのトラブルが起きる可能性があります。
グラグラではなく、
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乳歯がブラブラしている(グラグラではなく、かろうじて、歯茎に乳歯がぶら下がっている状態)
場合は、お子さんご自身、または、親御さんが乳歯を抜いてもOKです。ブラブラした乳歯を抜くときは、手を洗い、清潔な指で乳歯をつまんで抜いてください。
◎乳歯がグラグラし始めたら、お子さんご自身が舌or清潔な指で乳歯を揺らす方法も
乳歯がグラグラし始めたら、お子さんご自身が舌or清潔な指で乳歯を揺らし、乳歯が抜け落ちるのをうながす方法もあります。
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子どもが「歯がグラグラしてきた」と言っている
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子どもの歯がグラグラしている
場合は、親御さんからお子さんに、
「舌で歯を押してみて。抜けやすくなるかも」
「洗った指で歯を押してみて。抜けやすくなるかも」
「痛くなるまで、歯を押さないでね」
など、痛くない範囲で歯を押して(揺らして)みるよう、伝えてあげてください。
◎乳歯が抜けた直後は、清潔なガーゼやティーバッグで抜けた部分を止血しましょう
乳歯が抜けた直後は、歯茎から出血します。乳歯が抜けた直後の出血は、5~10分程度で止まることが多いです。
少量の出血であれば、特に止血は必要ないことも。止血は必要ないことも多いですが、出血が多い場合は、清潔なガーゼを噛んで、乳歯が抜けた部分の歯茎の穴を圧迫し、止血しましょう。
{ガーゼがないときは、ティーバッグでの止血もOK}
ティーバッグにはタンニンなどの止血を助ける成分が含まれているため、ガーゼがないときは、お茶や紅茶のティーバッグを噛むことで歯茎の穴からの出血を止めやすくなります。
なお、ティッシュは乳歯が抜けた部分に張り付いて残ってしまう場合があるため、ティッシュでの止血はあまりおすすめできません。
{歯茎からの出血が止まらない場合は、速やかに歯科医院を受診しましょう}
乳歯が抜けた後、歯茎からの出血が止まらない場合は、歯茎が大きく裂けているなどのトラブルが起きている可能性があります。
乳歯が抜けた後、歯茎からの出血が止まらない場合は、速やかに歯科医院を受診しましょう。
【なかなか乳歯が抜けないなど、乳歯から永久歯への生え変わりでお困りの場合は当院までご相談ください】
新しい命が生まれ、赤ちゃんのカワイイ時期が過ぎたと思ったら、もう、乳歯が抜けて永久歯に生え変わる… 子どもの成長は、本当に早いものですね。
乳歯はブラブラした状態であれば、お子さんご自身、または、親御さんが抜くことも可能です。
もし、以下のように、乳歯から永久歯への生え変わりでお困りの場合は、当院までご相談ください。
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適齢期が来ているor過ぎているのに、なかなか乳歯が抜けない
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乳歯を無理に抜き、歯茎からの出血が止まらない
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乳歯が抜けた後、なかなか永久歯が生えてこない
診察では、歯科医師がお子さんの乳歯の状態を確認します。乳歯の状態を確認した上で、必要に応じて、抜歯をはじめとする処置方法をご提案させていただきます。