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いつから始めるのがイイ? 子どものむし歯予防のための「キシリトールの摂り方」 Q&A


こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。


主に、フィンランドなどの白樺や樫の木の樹液から抽出される天然の糖アルコール、「キシリトール」。


[キシリトールが持つとされる、「むし歯を防ぎやすくする」効果]


  • 歯に歯垢をつきにくくする

  • 歯の再石灰化をうながす


今回は、お子さんのむし歯が心配な親御さんに向け、「キシリトールの効果的な摂り方」をQ&A形式でご紹介します。


Q1.いつから(何歳頃から)、子どもにキシリトール製品を与えるのがいいの?


A1.1歳半頃からはキシリトールタブレット、3歳頃からは様子を見ながら、キシリトールガムを与えることをオススメします


1歳半頃(乳歯の奥歯が生えてくる頃)から、キシリトールタブレットを食べ始める(噛み始める)のが良いでしょう。


3歳以下の乳幼児にキシリトールガムを与えてしまうと、誤って飲み込んだときにのどにガムが詰まるおそれも。


3歳頃からは様子を見ながら、キシリトールガムも併せて与えていくことをオススメします。


Q2.下痢を起こすことがあるなど、「キシリトール製品の摂りすぎは良くない」って、本当?


A2.1歳半~15歳前後の子どもは1日「5g以内」、15歳前後~成人は1日「5~10g以内」が摂取量の目安です


お腹がゆるくなる(下痢をする)ことがあるため、キシリトールの摂りすぎには注意が必要です。


キシリトールタブレット、キシリトールガムなどの製品には、通常、裏面などにキシリトールの含有量がグラム(g)で記載されています。


お子さんにキシリトール製品を与えるときは、1日「5g以内」に収まるよう、


1回につき、0.5~1g前後のキシリトール製品を、1日に3回(主に食後)ほど与えることをオススメします。


15歳前後~成人は、15歳未満の子どもよりも多少、摂取許容量が増えます。摂取許容量は増えますが、お腹がゆるくなることがあるため、たくさんのキシリトールを一度に摂らないように注意しましょう。


Q3.どのタイミングでキシリトール製品を利用するのが効果的?


A3.毎食後、就寝前、おやつ、食べたいときなど、どんなタイミングでもキシリトール製品を利用できます


キシリトールは毎日の利用がオススメです。毎日、以下のようなタイミングでキシリトールを摂ることで、むし歯予防の効果を高めやすくなります。


  • 毎食後(食事によって傾いた口腔内の酸性を、唾液の作用で中性に戻しやすくなります)

  • 就寝前(歯に歯垢をつきにくくし、就寝中の歯の再石灰をうながしやすくなります)


上記のようなタイミングでの摂取がオススメですが、おやつ、食べたいときなど、どんなタイミングでキシリトールを摂ってもOK。


どんなタイミングでも、日頃からキシリトールを摂ることで、むし歯予防の効果を高めやすくなります。


Q4.歯磨きをした後、寝る前にキシリトールを食べてor噛んでもいいの?


A4.歯磨きをした後、寝る前にキシリトールを食べてor噛んでもかまいません(歯を磨いた後であれば、就寝前、キシリトールを摂取した後に歯を磨かなくてもOK)


キシリトールタブレット、キシリトールガムなど、キシリトール製品はキシリトール(天然の糖アルコール)由来の甘味があります。


甘味があることから、


「歯磨きをした後、寝る前にキシリトールを食べてor噛んでいいの?」


と、キシリトール製品の利用に抵抗感を持つ方もいらっしゃるかもしれません。


抵抗感を持つ方もいらっしゃるかと思いますが、キシリトールの糖アルコールはむし歯になりにくい天然の甘味料です。


むし歯になりにくい甘味料のため、歯磨きをした後、寝る前にキシリトールを食べてor噛んでもかまいません。


歯磨きをした後であれば、寝る前にキシリトールを食べたor噛んだ後に歯を磨かなくてもOKです。


なお、上記は「キシリトール100%」の製品に限ります。


むし歯予防の効果を高める目的でキシリトール製品を利用する場合は、砂糖を一切含まない「キシリトール100%」の製品を選びましょう。


Q5.キシリトールは本当に安全? 危険性はないの?


A5.外から摂取するキシリトール(外因性のキシリトール)が原因で健康被害が起きる可能性はほぼない、とされています


キシリトールの危険性についてですが、


  • キシリトールタブレット

  • キシリトールガム


などの、市販されているキシリトール(外から体内に摂取する外因性のキシリトール)製品が原因で健康被害が起きる可能性はほぼないとされています(※1)。


(※1)日本フィンランドむし歯予防研究会
むし歯予防に使用するキシリトールは安全である
(2024)より引用。


{身体の中で作られる内因性のキシリトールは、心筋梗塞などとの関連性を指摘する研究結果が報告されています}


研究段階ではありますが、


身体の中で作られる内因性のキシリトール(人の肝臓では、1日につき5~15gの内因性キシリトールが作られています)


は、心筋梗塞などとの関連性を指摘する研究結果が報告されています(※2)。


(※2)Marco Witkowski et al.
Xylitol is prothrombotic and ass
ociated with cardiovascular risk

(2024)より引用。


【日頃からキシリトール製品を利用し、むし歯予防の効果を高めましょう】


今回は、むし歯予防の効果を高められる天然の糖アルコール「キシリトール」の摂り方をQ&A形式でご紹介させていただきました。


子どもの乳歯や生え変わったばかりの永久歯は歯質が未成熟のため、むし歯にかかりやすいです。


子どもの歯をむし歯から守るために、日頃からキシリトール製品を利用し、むし歯予防の効果を高めましょう。


なお、子どもだけではなく、大人の方もキシリトール製品を利用することで、むし歯予防の効果を高めやすくなります。

おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

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