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「かじりとり」とは? 子どもの噛む力を育てるメリット オススメの食材 練習はいつから?


こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。


歯の土台となる、顎の骨。

顎を健全に成長させ、良い噛み合わせ(将来の綺麗な歯並び)を得るには、乳幼児から「噛む力」を育てていくことが大切です。


噛む力を育てるために行う方法としては、「かじりとり」があります。

今回は、子どもの噛む力を育てるために行う「かじりとり」のご紹介です。


■「かじりとり」とは? かじりとりのメリット


◎子どもの噛む力(前歯で噛み切る力、一口分の食べ物を噛み切る感覚など)を育てるための方法の一つです

「かじりとり」とは、子どもの噛む力を育てるための方法の一つです。


[かじりとりの役割・目的]


  • 前歯で食べ物を噛み切る力をつける

  • 一口分の食べ物を噛み切る感覚を身につける


など、お口の機能(&お口と全身の連動機能)を鍛える


◎乳幼児期からかじりとりの練習を始めることで、口腔機能や脳、お口と全身の連動機能を発達させやすくなります

乳幼児期から行うかじりとりには、以下のようなメリットを期待できます。


[かじりとりのメリット]


①一口分を噛み切る感覚を身につけやすくなる

大きくお口を開け、前歯で食べ物を「あんぐり」とかじりとり。一口分(自分のお口のサイズに合った一口分)を噛み切る感覚を身につけやすくなります。


②顎の健全な成長をうながせる

前歯で食べ物をかじりとることで噛む刺激が顎の骨に伝わり、顎の健全な成長をうながせます。


③お口周りの筋肉を鍛えられる

大きくお口を開け、前歯で食べ物をかじりとり、唇を閉じて咀嚼する、という一連の動作により、お口周りの筋肉を鍛えられます(※)。


(※)咀嚼の機能が身につく時期は、乳歯が生え揃う
3歳以降の、ある程度の年数を経てからになります。


お口周りの筋肉を鍛えることで、お顔の豊かな表情づくりやはっきりとした発音にもつながります。


④脳の活性化

前歯で食べ物をかじりとり、噛む刺激を増やすことで脳への血流が増し、脳が活性化。脳が活性化すると、記憶力・集中力・判断力などの脳の機能が向上しやすくなります。


⑤味覚の発達

前歯で食べ物をかじりとることで、食べ物の硬さ・味・形を感じやすくなり、味覚の発達につながります。


⑥消化を促進

前歯で適切な量の食べ物(一口分)をかじりとることで咀嚼しやすくなり、消化が促進されます。


⑦目・お口・手が連動する機能を鍛えられる

目で確認し、手でつかみ、前歯で食べ物をかじりとることで、目・お口・手が連動する機能(全身の協調運動能力)を鍛えられます。


■かじりとりの練習はいつから始めればイイ?


◎上下の8本の前歯の乳歯が生え揃う、生後12ヶ月頃からかじりとりを始めましょう

個人差はありますが、生後12ヶ月頃になると、赤ちゃんの上下の8本の前歯の乳歯(乳中切歯(真ん中の前歯)、乳側切歯(真ん中の隣の前歯))が生え揃います。


上下の8本の前歯の乳歯が生え揃えば、かじりとりを始められるサイン。生後12ヶ月頃からかじりとりを始めましょう。


なお、赤ちゃんにより、前歯の乳歯が生えてくる時期に差があります。生後12ヶ月~18ヶ月頃を目安に、上下の8本の前歯の乳歯が生え揃いましたら、かじりとりを始めるようにしてください。


■かじりとりにオススメの食材


◎茹でた野菜、卵焼き、やわらかめのパンなど、手でつかめる&無理なくかじりとりやすい食べ物から始めましょう

かじりとりは硬い物を噛み切る練習ではありません。硬い物ではなく、赤ちゃんの頃から「前歯で食べ物を噛み切る感覚」を身につけるために、かじりとりを行います(※)。


(※)上下の奥歯の乳歯が生え揃う3歳頃になると、
ある程度、硬い物が噛めるようになっていきます。


硬い物ではなく、以下のような、手でつかめる&無理なくかじりとりやすい食べ物から、かじりとりを始めてみましょう。


[赤ちゃんのかじりとりにオススメの食材]


以下の食材は手でつかめるサイズ(一口大より、少しだけ大きいサイズ)に切り、赤ちゃんに与えてみてください。


  • 茹でた野菜(噛み切りやすく、筋っぽくない野菜)
    さつまいも、かぼちゃ、にんじん、大根など

 

  • 卵焼き


  • やわらかめのパン
    蒸しパン、ホットケーキなど


「手づかみ食べ」が大切


かじりとりでは、上記のような食材を赤ちゃん自身に手でつかませ、「手づかみ食べ」で食べさせましょう。


【赤ちゃんの頃から「噛む力」を育て、顎の健全な成長&良い噛み合わせの獲得につなげましょう】


生後12ヶ月頃から始められる、かじりとり。生後12ヶ月はまだまだ、赤ちゃんです(可愛い盛りですね)。


のどに食材を詰まらせるなど、万が一のトラブルが起きたときのことを考慮し、かじりとりの際は、親御さんが見守ってあげることが大切です。お子さんの状態を確認しながら、一口大より少し大きめに切った食材を手でつかませて与えてください。


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今回は、赤ちゃんの頃から行う「かじりとり」をご紹介させていただきました。


赤ちゃんの頃から「噛む力」を育て、顎の健全な成長&良い噛み合わせ(将来の綺麗な歯並び)の獲得につなげましょう。

おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

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