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赤ちゃん・子どもの「手づかみ食べ」はいつから何歳頃まで? 手づかみ食べが子どもの歯並び・顎・全身に与える影響について


通常、生後~6ヶ月頃まで、赤ちゃんはお母さんからのお乳やミルクを中心に栄養を摂ります。


授乳期が過ぎると、今度は離乳食期。開始時期に個人差はありますが、生後9ヶ月頃には赤ちゃんが手で食べ物をつかむ「手づかみ食べ」が始まることが多いです。


■「手づかみ食べ」は乳幼児期の大切なイベント


◎赤ちゃん・子どもが手でつかんで食べることで、歯並び・顎・全身の健全な成長をうながせます

「ああ~、また、手でつかんで食べてる… 汚れるし、やめさせないと…」


赤ちゃん・子ども(3歳頃まで)の手づかみ食べを見て、汚れる・掃除が大変などの理由で早くやめさせようとする親御さんもいらっしゃいます。


毎日の育児・家事に追われ、ついつい、赤ちゃん・子どもの手づかみ食べに対してイライラしてしまうこともあるかもしれません。お気持ちはよく、わかります。


お気持ちはよくわかるのですが、赤ちゃん・子どもの手づかみ食べは、子どもが健全に成長していくための大切なイベントの一つです。


汚れるなどのわずらわしい面はあるかと思いますが、赤ちゃん・子どもの手づかみ食べは、できるだけ見守ってあげてください。


赤ちゃん・子どもが手づかみで食べ、以下のような習慣が身につくことで、歯並び・顎・全身の健全な成長をうながせるのです。


■赤ちゃん・子どもの時期(3歳頃まで)の手づかみ食べのメリット


①唇を閉じて食材をとらえる感覚を身につけやすくなる

手づかみで食べることで、唇を閉じて食材をとらえる感覚を身につけやすくなります。


②前歯で食べ物を噛みちぎる感覚を身につけやすくなる

手づかみで食べることで、前歯で食べ物を噛みちぎる感覚を身につけやすくなります。


③奥歯でよく噛み、舌を動かす感覚を身につけやすくなる

手づかみで食べることで、お口の中にある程度の大きさの食べ物が入ります。


お口の中にある程度の大きさの食べ物が入ると、自然と、奥歯でよく噛むようになります。お口の中に大きなかたまりが入ってくるため、赤ちゃん・子どもは頑張って奥歯で食べ物を噛もうとするのです。


奥歯でよく噛むことで、奥歯で食べ物をすり潰す感覚を身につけやすくなります。奥歯ですり潰す感覚を身につけやすくなると共に、舌を使って奥歯の方へ食べ物を送ることで舌の筋肉も鍛えられます。


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上記のように、手づかみ食べは赤ちゃん・子どものお口周りの機能を鍛え、正しいお口の使い方を身につける効果を期待できます。


お口周りの機能を鍛え、正しいお口の使い方を身につけることで、歯並びの乱れ・舌位置の異常・顎の成長異常(成長不全)などの悪影響を防ぎやすくなるメリットも。


{手づかみ食べは顎の健全な成長(将来の綺麗な歯並びの獲得)にも大きく関係しています}


手づかみ食べにより、お口周りの機能の向上+正しいお口の使い方を身につけることで、顎の筋肉・顎の骨格が刺激され、子どもの顎の健全な成長をうながしやすくなります。


顎が健全に成長するとお口の中に歯が正しく並ぶスペースが生まれ、6~12歳頃の生え変わりの時期に永久歯がまっすぐ生えやすくなります(=将来の綺麗な歯並びを得やすくなる)。


■食べさせるときの姿勢も大事


◎頭と身体が垂直な姿勢で食べさせることで、噛む力&全身の筋肉を鍛えられます

ベビーチェア(椅子)やソファーに子どもを寄っかからせたり、お母さんが子どもをだっこして食べさせるのはあまり良くありません。


手づかみ食べをするとき・離乳食を食べさせるときは、子どもの頭と身体が垂直になる姿勢で、椅子に座らせるor立ったまま食べさせましょう。


頭と身体が垂直になる姿勢で食べさせることで顎の筋肉を動かしやすくなり、噛む力を鍛えられます。垂直な姿勢の維持により、全身の筋肉を鍛えられる効果も。


なお、赤ちゃんの首・腰がすわってくるまで(一般的には生後9ヶ月頃)は、だっこ食べでもかまいません。首・腰がすわる前の生後間もない時期に無理に座らせて食べさせようとすると、赤ちゃんが椅子から転げ落ちるなどの事故が起きる可能性があります。


■赤ちゃん・子どもの手づかみ食べは、何歳頃までさせるのがイイの?


◎3歳頃まで、赤ちゃん・子どもの手づかみ食べは温かい目で見守ってあげてください

一般的に、1歳頃になると赤ちゃんは自分でスプーンやフォークを使えるようになっていきますが、3歳頃まで手づかみ食べが続くことも。


お子さんによっては3歳頃まで続くこともありますが、手づかみ食べは歯並び・顎・全身の健全な成長に大きく関係しています。


どうか、赤ちゃん・子どもの手づかみ食べを見てもイライラせず、3歳頃までは温かい目で見守ってあげてください。


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食育教室は3部構成です。食育教室では、専門の管理栄養士がお子さんの食事やおやつの内容、食べ方、食事のタイミングなどについて、お話しします。


参加費は1回2,750円です。


食育教室へのご参加をご希望の方、食育教室について聞きたいことやわからないことがある方は、お問い合わせフォーム/お電話にてお気軽にお問い合わせください。

おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

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