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歯並びは子どもに遺伝する?先天的な要因から考える歯並びの乱れの予防



「歯並びは子どもに遺伝するの?」

「悪い癖が歯並びを乱れさせると聞くけど…原因はどっちなのかな?」


お子さまへの歯並びの遺伝、気になる方も多いのではないでしょうか。


歯並びを乱れさせる原因の多くは、子どもの頃の悪い癖です。


・いつもポカンとお口を開けている

・口呼吸

・舌で前歯の裏側を押す、上下の前歯のあいだに舌を出すなどの舌癖(ぜつへき)

・指しゃぶり(4歳以降の継続的な指しゃぶり)

・頬杖

・変な飲み方(のど以外の筋肉(頬の筋肉)で押し込むように飲む、など)

・変な食べ方(全体の歯を使わずに食べる、前歯でかじり取らない、など)


上記のような悪い癖があるとあごの骨が正常に育ちにくく、歯並びが乱れやすくなります。


今回は、「歯並びは子どもに遺伝する?先天的な要因から考える歯並びの乱れの予防」についてのお話です。


■歯並びは子どもに遺伝するの?


◎歯並びが子どもに遺伝するケースはほとんどありません

結論から申しますと、おしむら歯科では、親の歯並びが子どもに遺伝するケースはほとんどないと考えています。


子どもの歯並びの良し悪しを決める大きな要素は、子どもの頃の悪い癖の有無、そして、正しいお口の使い方(のどの筋肉のみを使って飲む・全体の歯でしっかり噛んで食べる・鼻呼吸をする)ができているか、この2点です。


◎あごの骨格が遺伝して、子どもの歯並びが乱れることがあります

親の歯並びが子どもに遺伝するケースはほとんどないです(※)。ただし、あごの骨格が遺伝して、子どもの歯並びが乱れることがあります。


(※)当院の見解です。


あごの骨格は比較的、親の遺伝を受け継ぎやすい部分です。両親、または、祖父母が下あごが突き出ている場合(受け口、しゃくれ)、あごの骨格が受け継がれて子どもが受け口になるケースがあります。上あごが突き出ている場合は、遺伝で子どもが出っ歯になることも。


◎遺伝病の「下顎顔面異骨症」で下あごが小さい子どもになるケースも

多くはありませんが、遺伝子の病気(染色体の異常)の「下顎顔面異骨症」で下あごが小さい子どもになるケースもあります。


◎あごの骨格が小さいと、歯並びの乱れをひき起こしやすいです

あごの骨格の異常(成長異常)をひき起こす原因は、両親・祖父母からの遺伝、および、下顎顔面異骨症などの先天的要因に限りません。生まれた後、子どもの頃の舌癖や口呼吸など、悪い癖が原因であごの骨が正常に育たないケースの方が多いです(後天的要因によるあごの骨の成長異常)(※)。


(※)当院の認識です。


あごの骨が正常に育たず、あごが小さいまま成長すると、永久歯が生えるために必要なお口の中のスペースが足りなくなります。


あごが小さい子どもは、生え変わりの際に、スペース不足によってまっすぐ永久歯が生えにくくなり、変な方向に歯が生え、ガタガタ歯(叢生)などの歯並びの乱れをひき起こすケースが少なくありません。


■あごの骨格が遺伝して歯並びが乱れている場合の対処方法は?


◎早い時期から始めるマイオブレース矯正で、あごの骨格の健全な成長をうながせる可能性があります

マイオブレース矯正とは、小さな子どもの未成熟でやわらかいあごの骨の成長を利用する小児矯正(咬合誘導)です。


5~9歳ごろの早い時期にマイオブレース矯正を行い、あごの骨格の健全な成長をうながすことであごが適切に広がり、永久歯がまっすぐ生えやすくなります。永久歯がまっすぐ生えると共に、マイオブレース矯正により正しいお口の使い方を身につける&舌の位置を正常化することで、歯並びが整う効果を期待できます。


◎あごの骨格の状態によっては、成人後、外科的矯正が必要になるケースも

・遺伝で生まれつき、あごの骨格そのものが大きい・小さい

・生まれつき、あごの位置が大きくずれている

・生まれつきのあごの骨格・位置の異常により、歯並びが乱れている


上記のような、遺伝によるあごの骨格・位置の異常、および、遺伝性のあごの異常でひき起こされている歯並びの乱れは、歯科矯正では改善できない可能性が高いです。


遺伝によってあごの骨格・位置の異常が起きている場合は、子どもが成人した後に、あごの骨切り手術などの外科的矯正を行うことで、あごの異常と歯並びの改善にアプローチできます。外科的矯正が必要なケースでは手術と併せ、歯科医院にて、歯並びを整えるための歯科矯正も行います。


あごの骨格・位置の異常に対して、成人後に外科的矯正を行う理由は、未成年の子どもはあごが成長して形が変わることがあるためです。未成年のうちにあごの骨切り手術などの外科的矯正を行うと、成長によってあごの位置が変わり手術の効果が薄れてしまうおそれがあります。


【お子さまの歯並びの乱れやあごの症状でお困りの方は、まずはお気軽にご相談ください】


おしむら歯科では、お子さまの歯並びを乱れさせる悪い癖の根本的改善にアプローチする「マイオブレース」による小児矯正を行っています。


マイオブレースはマウスピース(トレーナー)を用い、お子さまのあごの健全な成長をうながす小児矯正です。


あごが未成熟な子どものうちにマイオブレースを行うことでお子さまの悪い癖の改善にアプローチすると共に、あごの健全な成長をうながします。あごが健全に成長すると生え変わりの際にまっすぐ永久歯が生えやすくなり、将来の綺麗な歯並び、および、バランスの取れたお顔立ちにつながります。


・お子さまの歯並びが乱れている

・あごの形が気になる

・舌癖、口呼吸などの悪い癖がある


上記のような、お子さまのお口周りのことでお困りの方は、当院までお気軽にご相談ください。相談費は無料です。


カウンセリングでは歯科医師が歯並びやあごの状態、悪い癖の有無をチェックし、それぞれのお子さまに合った適切な治療方法をご提案いたします。

おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

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