こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。
今回は、5~12歳のお子さまを対象にした小児矯正「マイオブレース矯正」についてご紹介します。
■子どもの歯並びが乱れる原因
マイオブレース矯正をご紹介する前に、なぜ、子どもの歯並びが乱れるのかについてご説明します。
◎あごの成長不足が歯並びの乱れをひきおこします
子どもの歯並びを乱れさせる最大の原因は「あごの成長不足」です。あごがしっかり成長せず骨格が広がらないと乳歯や永久歯がきちんと生えてくるスペースが足りなくなります。
あごのスペースが不足すると歯が重なって生えてきたり歯が生える方向が不揃いになってしまい、歯並びがガタガタになりやすいです。歯並びのガタガタは歯科用語では「叢生(そうせい)」と呼び、不正咬合の一種に分類されます。
最近はあごが小さい子どもが多く、歯が生えるスペースが足りずにガタガタ歯になるケースが見受けられます。遺伝的要因(生まれつきあごが小さい)で歯が生えるスペースが足りなくなる場合もあります。
◎悪い癖や正しくない呼吸法、間違ったお口の使い方はあごの成長異常や歯並びの乱れをひきおこす原因になります
子どもの歯並びを乱れさせる大きな原因「あごの成長不足」。では、あごの成長不足はどのようなことが原因でひきおこされるのでしょうか?
あごの成長不足が起きる原因はさまざまです。多くの場合、子どもの悪い癖や正しくない呼吸法、間違ったお口の使い方が原因であごの成長不足(成長異常)や歯並びの乱れがひきおこされます。栄養不足(カルシウムの不足など)で骨格が発達せずあごの成長不全が起きるケースもあります。
[あごの成長異常や歯並びの乱れをひきおこす原因になる悪い癖、正しくない呼吸法]
・指しゃぶり
・舌癖(前歯で舌を噛んだり、前歯のあいだに舌を突き出す癖など)
・頬杖
・お口をぽかんと開けて息をする口呼吸
上記のほか、間違ったお口の使い方も良くありません。
[あごの成長異常や歯並びの乱れをひきおこす原因になる間違ったお口の使い方]
・前歯だけで食べ物を噛む
・片側の歯ばかりで噛む
・ほっぺたの中に食べ物を溜めて飲み込む
・下あごをしゃくるようにして飲み込む
などの間違った食べ方・飲み込み方はあごの成長異常や歯並びの乱れをひきおこす原因になります。
■マイオブレース矯正とは
◎あごの正しい成長をうながし、正しいお口の使い方を身につけるために行う小児矯正です
マイオブレース矯正とは、マウスピース(トレーナー)を装着してあごの正しい成長をうながし、正しいお口の使い方を目指す小児矯正です。
マイオブレース矯正では、以下の5つを目標にしてマウスピースの装着およびマウスピースを使ったお口のトレーニング(アクティビティ)を進めていきます。
[マイオブレース矯正が目指すこと]
①会話、食事中以外はお口を閉じる
②お口を閉じ、鼻呼吸する
③正しい食べ方・飲み込み方を身につける
④あごの正しい成長
⑤将来のきれいな歯並び
◎マイオブレース矯正があごの正しい成長や将来のきれいな歯並びにつながる理由
{舌の正しい位置について}
舌の正しい位置は上あごの裏側(上の前歯の手前の上あごの粘膜部分(「スポット」と呼びます))です。上あごの裏側の粘膜に舌先の上部が当たっている状態が本来の舌の位置になります。上あごの前歯の裏側を舌先で強く押している状態や、下あごの中に舌が落ち込んでいる状態は「誤った舌位置」です。
誤った舌位置は子どものあごの成長や歯並びにさまざまな悪影響をおよぼします。
口呼吸や下の前歯の裏側を舌で押すクセがあると舌が下あごに落ち込んでしまい、あごの成長異常や歯並びの乱れ(受け口など)をひきおこす原因になります。舌が下あごに落ち込むことであごの成長が阻害され、あご無し顔、いわゆる「アデノイド顔貌」になる場合もあります。
[マイオブレース矯正があごの正しい成長やきれいな歯並びにつながる理由]
①舌の位置の正常化
②お口周りの筋肉バランスの正常化
③お口の機能の正常化によりあごの正しい成長をうながす
①舌の位置の正常化
マイオブレース矯正では、ご自宅でマウスピースを使って1日2~3分のお口の筋肉トレーニングを行い、日中1時間程度+就寝中にマウスピースを装着します。
矯正期間中、毎日、お子さまがお口の筋肉トレーニングを行いマウスピースを装着することにより本来あるべき正しい位置に舌が戻り、あごの正しい成長がうながされます。あごの成長がうながされることでバランス良くあごの骨格が広がり、歯が生えてくるスペースが確保されて将来のきれいな歯並びにつながります。
②お口周りの筋肉バランスの正常化
お口の筋肉トレーニングはお口周りの筋肉バランスを整える効果を期待できます。
③お口の機能の正常化によりあごの正しい成長をうながす
お口周りの筋肉バランスが整うことで、お子さまに「正しく食べる」「正しく飲む」が身につきやすくなります(お口の機能の正常化)。お口の機能の正常化によりあごの正しい成長がうながされるため、将来のきれいな歯並び・バランスの取れたお顔立ちにつながります。
■マイオブレース矯正の適応年齢
◎あごの骨がやわらかい7~8歳ごろまでにスタートするのが望ましいです
マイオブレース矯正はあごの成長メカニズムを利用する矯正治療です(歯科用語では「咬合誘導」と呼びます)。適応年齢は5~12歳のお子さまが対象になります。
一般的に上あごは10歳頃になると骨格の成長がほぼ完了します。下あごは女の子で14歳頃、男の子で18歳頃まで成長します。
マイオブレース矯正はお子さまのあごが未成熟でやわらかい「7~8歳」までに治療を開始するのが望ましいです。9歳以降でもマイオブレース矯正は行えますが、上あごの骨格が固まり始める10歳以降になるとあごの成長を利用して歯並びを整えるのがむずかしくなります。
【お子さまの歯並びやお口の使い方でお悩みの方はお気軽にご相談ください】
従来の固定式のワイヤー矯正とは異なり、マイオブレース矯正は「痛みを我慢する」場面が少ない矯正治療です。
マイオブレース矯正は取り外し式のマウスピースを使うため、固定式のワイヤー装置のような強い痛みや生活上での大きな不便さを感じにくく、小さなお子さまでも矯正治療を続けやすい点がメリットです。
おしむら歯科では、お子さま・保護者様が通いやすく、リラックスして治療をお受けいただけるよう、以下の院内環境を整えております。
・お口の筋肉トレーニングをお教えするアクティビティ専用ルーム
・キッズルーム
・お母様のためのパウダールーム
・赤ちゃんのためのオムツ交換台
お子さまの歯並びやお口の使い方、悪い癖でお悩みの方はまずはお気軽にご相談ください。相談費は無料です。矯正の内容や流れをご理解していただくために初回の無料相談は60分程度を予定しております。ご相談の際はお電話/メールフォームよりご予約をお願いいたします。