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乳歯の仕組み 赤ちゃんの歯が生える順番


こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。


赤ちゃんが生まれ、はじめての乳歯が生えて喜んでいたのもつかの間、気がつけば小学校に入学する年齢になり、乳歯が抜けて永久歯へと生え変わる…お子さまの成長は本当に早いものです。


数年で生え変わる子どもの乳歯について、保護者様の中には「乳歯は子どものときだけのもの」「抜ける歯だから治さなくても大丈夫でしょ」とお考えになる方が時折、いらっしゃいます。


けっして、乳歯は子どものときだけの歯・永久歯には関係のない歯ではありません。


乳歯は永久歯の土台を作る大切な歯です。乳歯の健康状態や永久歯への生え変わりに気をつけることで、大人になった後も一生にわたって丈夫な永久歯を保ちやすくなります。


今回は「乳歯の仕組み」「赤ちゃんの歯が生える順番」および「乳歯で気をつけたい「むし歯」と「生え変わり」」についてお話しします。


■乳歯の仕組み


◎お母さんのお腹の中にいるときに赤ちゃんの歯の芽が作られます

人の歯は2種類あります。1つは生後6ヶ月ごろから生え始める乳歯、もう1つは6歳ごろから生え始める永久歯です。


乳歯・永久歯はどちらも、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときに作られ始めます。お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんのお口の中では、乳歯の芽である歯胚(しはい)が妊娠7週目ごろから、永久歯の歯胚が妊娠14週目ごろから作られ始め、後に歯となって生えてきます。


■赤ちゃんの歯(乳歯)が生える順番


◎生後6ヶ月ごろ~3歳ごろにかけて乳歯が生えてきます

赤ちゃん・小さなお子さまの歯である乳歯は生後6ヶ月ごろから生え始めます。歯の位置によって乳歯が生える順番が異なり、おおむね、以下の時期に乳歯が生え、抜けていきます。


<乳歯が生える時期・抜ける時期>


歯が生える時期や順番はお子さまや性別によって多少の差があります。性別についてはそれほど大きな差ではないのですが、男の子と比べて女の子は1ヶ月程度遅く、上下の乳犬歯と上あごの第2乳臼歯が生えてくることが多いです。

 

■乳歯で気をつけたい「むし歯」

 

◎乳歯は歯質がやわらかく、むし歯になりやすいです

 

乳歯は歯の表面のエナメル質・エナメル質の下にある象牙質共に歯質がやわらかく、むし歯になりやすいです。歯質がやわらかいため、乳歯がむし歯になると進行が早く、気がついたときにはむし歯が歯の神経に達しているケースも少なくありません。

 

むし歯は早期発見・早期治療が重要です。細菌が歯の神経に達する前に早い段階でむし歯を見つけられれば、歯にあまりダメージを与えずに治療を行えます。

 

◎乳歯のむし歯を放置すると、永久歯に悪影響が出ることも

 

「乳歯は子どものときだけの歯だし、どうせ抜けるから」と、乳歯のむし歯を放置してしまう方が時折、いらっしゃいます。これは、大きな間違いです。

 

乳歯のむし歯を放置するとむし歯菌などの細菌が歯の根っこの下にある永久歯の歯胚(歯の芽)に悪影響を与え、永久歯の形が悪くなったり永久歯が正しい位置に生えてこなくなることがあります。

 

「歯が痛い」「歯がヘン」など、お子さまが歯の異常をうったえているときはなるべく早めに歯科医院で診察を受けてください。

 

■乳歯から永久歯への生え変わりで気をつけたいこと

 

時期に個人差はありますが、乳歯は6歳ごろから抜け始め、以下の順番で永久歯へと生え変わります。

 

<永久歯が生える時期(乳歯から永久歯への生え変わり)>


◎以下のような「要注意乳歯」がある場合はご相談ください

 

通常、乳歯から永久歯への生え変わりは問題なく行われます。ただし、以下のような「要注意乳歯」があると乳歯から永久歯への生え変わりが正しく行われず、歯並びや噛み合わせが乱れてしまうことがあります。

 

≪要注意乳歯≫

 

・乳歯が抜けないまま、ずれた位置から永久歯が生えてきた

・左右対称に乳歯が抜けず、左右どちらかの乳歯が何ヶ月間も残っている

・グラグラの状態が長く続いており、いつまでも乳歯が抜けない(グラグラからブラブラにならない)

・乳歯が抜けた後、何ヶ月経ってもなかなか永久歯が生えてこない

・生え変わりの時期をとっくに過ぎているのに乳歯が抜けず、永久歯が生えてこない

 

お子さまに上記のような要注意乳歯がある場合は当院までご相談ください。歯科医師がお子さまの歯やあごの状態を確認し、適切な処置・治療方法をご提案させていただきます(※)。

 

(※)必要がある場合は保護者様のご同意を得た上で

乳歯の抜歯を行うことがあります。

 

【お子さまの歯の健康を守るため、定期的に小児歯科検診を受けましょう】

 

乳歯の健康は子どものときだけではなく、大人になった後の永久歯、および、あごの骨の健康にも大きく関係します。一生にわたって丈夫な永久歯を残すためには、小さなころから乳歯の健康を保ち、永久歯への生え変わりをスムーズに行える環境を整えておくことが大切です。

 

おしむら歯科では定期的な小児歯科検診により、お子さまの歯の健康をサポートする取り組みを行っています。

 

<小児歯科検診で行うこと>

 

・歯科医師によるお口の状態チェック

・歯科衛生士による歯のクリーニング

・歯科衛生士による歯みがき指導(むし歯が多い場合、または、ご希望の場合)

 

定期的に小児歯科検診を受けることでお子さまのむし歯や歯並び・噛み合わせの乱れなどのお口の異常をいち早く察知でき、早期治療につながります。

 

現在の歯の健康、そして、お子さまの将来の歯の健康を守るためにも、毎日のセルフケア(お子さまご自身で行う自分磨き+保護者様による仕上げ磨き)と併せ、定期的に小児歯科検診を受けましょう。


おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
院長
押村 侑希

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