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悪い歯並びを放置してはいけない理由



こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。


当院では、お子様の顎の健全な成長をうながし、正しいお口の使い方を身につけることにアプローチする小児矯正「マイオブレース」を行っています。


以前のブログでは、お子様の歯並びを乱れさせる可能性がある「悪い癖」のご説明をさせていただきました。


今回は、「お子様の悪い歯並びを放置してはいけない理由」についてお話しします。


■お子様の悪い歯並びを放置してはいけない理由


◎お子様の悪い歯並びを放置すると、一生、お口の健康に悪影響を与える可能性があります

保護者様の中には、お子様の悪い歯並びに対して「乳歯は抜けて永久歯に生え変わるんだから、問題ないのでは?」とお考えになる方がたまにいらっしゃいます。しかし、これは大きな間違いです。


たしかに、乳歯は6~12歳頃の時期に永久歯へと生え変わります。歯は生え変わりますが、悪い歯並びは口元だけではなく、顎の成長や全身の姿勢(筋肉・骨格)にも悪影響をおよぼすことがあるのです。


お子様の悪い歯並びを放置すると以下のようなデメリットが発生しやすくなり、一生、お口の健康に悪影響を与える可能性があります。


■悪い歯並びを放置するデメリット


①口元の見た目が悪くなりやすい


歯並びが乱れていると、口元の見た目が悪くなりやすいです。


出っ歯、受け口、ガタガタ歯(叢生:そうせい)など、歯並びの乱れによって口元の見た目が悪くなり、コンプレックスを持ってしまうケースが少なくありません。


見た目のコンプレックスが生じると、「手で口元を隠してしまう」「人前でお口を大きく開けて笑えなくなる」など、お子様が何事にも消極的で引っ込み思案になることがあります。


歯並びの悪さから自分に自信を失ってしまい、スポーツや発表会、おしゃれ(服装や自分の見た目)、お友達とのコミュニケーションなど、人生においてさまざまな場面で良くない影響を与えるおそれも。


②お口をしっかり閉じられず、口腔内が乾燥してむし歯・歯周病になりやすい


歯並びが悪いと噛み合わせも乱れているケースが多く、噛み合わせの乱れによってお口がしっかり閉じられなくなることがあります。


お口をしっかり閉じられないと口腔内の乾燥によって唾液(唾液には細菌をやっつける自浄作用があります)がすみずみまで行き渡らなくなり、むし歯・歯周病にかかりやすくなります。


③すみずみまで歯を磨きにくく、むし歯・歯周病になりやすい


歯並びが悪いとすみずみまで歯を磨きにくく、歯垢の磨き残しが出やすくなります。


歯垢はむし歯菌や歯周病菌などの細菌&細菌が出した代謝物(細菌のウンチ)のかたまりです。歯垢が細菌のウンチ(細菌&ウンチのかたまり)なのに対し、むし歯菌などの細菌が出す酸(歯を溶かす酸であり、むし歯の原因)は細菌のおしっこにたとえられます。


小さなお子様は自分自身で上手に歯を磨けません。自分自身で上手く歯を磨けないことに加え、歯並びが悪いお子様はどうしても歯垢の磨き残しが増えてしまい、歯垢にひそむ細菌によってむし歯・歯周病にかかりやすくなります。


④発音に支障が出やすい


歯並びが悪いと歯のすき間から空気が漏れてしまい、発音に支障が出ることがあります。特に前歯の歯並びにすき間があると「サ・タ・ナ・ラ」行の発音に支障が出やすいです。


歯並びの悪さからお口をしっかり閉じられず、唇のすき間から空気が漏れて発音に支障が出るケースもあります。


⑤全体の歯を使ってしっかり噛めず、顎が健全に発達しにくくなる


歯並びが悪いお子様は全体の歯を使ってしっかり噛んでいないケースが多いです。


全体の歯を使って噛まない習慣を続けていると顎の筋肉や骨格への刺激が不足してしまい、顎が健全に発達しにくくなります。


噛む刺激の不足により、歯並びが悪いお子様は下顎が健全に成長せず、顎が小さいまま大人になってしまうケースが近年、特に増えています。


顎が健全に成長しないと口元が前に突き出し、下顎が引っ込んで首との境目がわかりにくくなる「口ゴボ」(顎無し顔)(アデノイド顔貌)になり、お顔立ちのバランスに悪影響をおよぼす可能性が高まります。


⑥姿勢が悪くなりやすい


歯並びが悪いと噛み合わせも乱れているケースが多いです。


噛み合わせは全身の筋肉や骨格と密接に関係しています。


噛む動作をつかさどる顎の筋肉や骨格をはじめとして、顎と首、首と肩、首と背骨は連動しており、噛み合わせが乱れていると全身の筋肉や骨格バランスに悪影響が出やすいです。


また、歯並びが悪いお子様は全体の歯がきちんと噛み合った状態でお口を閉じられないケースが少なくありません。


お子様が常にお口を開けていることが原因で顎の筋肉や骨格バランスが乱れてしまい、猫背になったり、頭が下がった状態で顎のみが前に突き出すなど、歯並びが悪いと姿勢も悪くなりやすいです。


⑦噛み合わせの乱れにより、歯や歯周組織が傷ついて歯を残しにくくなる


歯並びが悪く噛み合わせが乱れていると、一部の歯に過剰な負荷がかかって歯や歯周組織(歯ぐき、顎の骨)が傷つきやすくなります。


事実として、奥歯しか噛み合っていない歯並びの方(開咬:かいこう)(オープンマウス)は、80歳になった時点で20本以上歯が残っているケースが0%だった、という調査結果があります(※)。噛み合わせの乱れが原因で過剰な負荷がかかって歯や歯周組織が傷つき、多くの歯が失われてしまったのです。


(※)「Dental Prescale®を用いた8020達成者の咬合調査」(2005)より。


噛み合わせの乱れが原因で歯に過剰な負荷がかかり、歯根が割れる「歯根破折」をひき起こすこともあります。歯根破折は割れ方によっては歯を残せる場合もありますが、ほとんどは抜歯になります(抜歯後はインプラントなどの補綴治療で歯を補います)。


噛み合わせの乱れによって歯周病を発症したり歯周病の症状が進行し、歯を失ってしまうケースも珍しくありません(外傷性咬合による非プラーク性歯周疾患)。


【できるだけ早い時期に、お子様の悪い歯並びの改善するための小児矯正を受けることをおすすめします】


おしむら歯科では、お子様の歯並びを乱れさせる悪い癖の根本的改善にアプローチする小児矯正「マイオブレース」を行っています。


マイオブレースはマウスピース(トレーナー)を用いて顎の健全な成長を促し、お子様が正しいお口の使い方を身につけられるように導く小児矯正です。


5~9歳頃までの顎が未成熟な子どものうちにマイオブレースを行うことでお子様の悪い癖の改善にアプローチすると共に、顎の健全な成長をうながします。顎が健全に成長し、顎の骨格が適切に広がると生え変わりの際に永久歯がまっすぐ生えやすくなり、将来の綺麗な歯並び、および、バランスの取れたお顔立ちにつながります。


お子様に悪い癖がある・歯並びが乱れている場合は当院までお気軽にご相談ください。相談費は無料です。


カウンセリングでは歯科医師が歯並びや顎の状態、悪い癖の有無をチェックし、それぞれのお子様に合った適切な治療方法をご提案いたします。


おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
院長
押村 侑希

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