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乳歯・永久歯の見分け方 違いはあるの?



「あれ?ウチの子の歯… これは、乳歯なの?永久歯なの?」

「こないだ抜けたのは、どの歯だったっけ?これは、乳歯?永久歯?」


昔は、抜けた乳歯を、上の歯は縁側の下や床下に、下の歯は屋根の上に投げていましたね。そんな“おまじない”。今はもう、知らない方もいらっしゃるかもしれません。


個人差はありますが、6歳ごろになると、永久歯が生え始めます。6歳ごろから永久歯が生え始めるため、6歳~12歳ごろにかけては、お口の中が乳歯と永久歯が混ざった状態に。この、6歳~12歳ごろの時期を「混合歯列期(こんごうしれつき)」と呼びます。


混合歯列期は乳歯と永久歯が混ざっているため、どちらの歯なのか、見分けにくいことも。親御さんによっては、お子さんの歯のどれが永久歯なのか分からず、ご不安を感じるときもあるかと思います。


そこで今回は、お子さんの歯が乳歯・永久歯、どちらなのかを知りたい方に、「乳歯・永久歯の見分け方」をご説明します。


■乳歯・永久歯の見分け方


◎サイズ、色など、乳歯・永久歯には違いがあります

見分けにくいことがある、乳歯・永久歯。


必ずしも、すべてのお子さんに当てはまる訳ではありませんが、乳歯・永久歯には、主に、以下のような違いがあります。お子さんの歯が乳歯・永久歯、どちらなのか、見分けにくいときは、以下をご参考に、歯のサイズや色を確認してみてください。


①歯のサイズ

永久歯と比べて、乳歯は小さいです。


お子さんや歯の位置、性別によって差はありますが、永久歯は、乳歯の1.3~1.5倍ほど大きくなります(※)。


(※)4・5番目の奥歯を除きます。


[乳歯・永久歯の大きさ(歯の横幅)]


(セル内上段は乳歯)(セル内下段は永久歯)

歯の位置


上顎

(歯の横幅の平均値)

下顎

(歯の横幅の平均値)

1)真ん中の前歯

乳切歯:6.5mm

切歯:8.5mm

乳切歯:4.1mm

切歯:5.4mm

2)2番目の前歯

乳側切歯:5.4mm

側切歯:7.0mm

乳側切歯:4.6mm

側切歯:6.0mm

3)3番目の前歯(犬歯)

乳犬歯:6.6mm

犬歯:7.8mm

乳犬歯:5.7mm

犬歯:6.8mm

4)4番目の奥歯

第1乳臼歯:7.2mm

第1小臼歯:7.4mm

第1乳臼歯:8.1mm

第1小臼歯:7.1mm

5)5番目の奥歯

第2乳臼歯:9.0mm

第2小臼歯:6.8mm

第2乳臼歯:10.2mm

第2小臼歯:6.9mm

6)6番目の奥歯

(乳歯に6番目の歯は

ありません)

第1大臼歯:10.5mm

(乳歯に6番目の歯は

ありません)

第1大臼歯:11.1mm

7)7番目の奥歯

(乳歯に7番目の歯は

ありません)

第2大臼歯:10.0mm

(乳歯に7番目の歯は

ありません)

第2大臼歯:10.7mm


(※1)船津敬弘先生、他「日本人乳歯の大きさにおける性差」(1999)より引用。

(※2)飯田忠夫先生、他「歯冠近遠心幅径値の分布型について」(1988)より引用。


{乳歯・永久歯では、歯の高さも多少、異なります}


歯の横幅の違いのほか、乳歯・永久歯では、歯の高さも多少、異なります。


個人差はありますが、永久歯と比べて乳歯は少し、歯が低いです。


②歯の色

◎乳歯は白っぽいです 永久歯は透明感があり、やや黄色味が強くなります


個人差はありますが、乳歯・永久歯では、歯の色が異なります。


乳歯は子どもの歯であり、歯質が未成熟なため、透明感がそれほど強くなく、白っぽい色です。


未成熟な乳歯に対して、永久歯はエナメル質の歯質がより厚くて硬く、歯に透明感があります。透明感が高くなるため、永久歯はエナメル質の下にある象牙質の本来の色(黄色味)がでやすいです。白っぽい乳歯と比べて、永久歯は透明感があり、やや黄色味が強くなります。


③歯の硬さ

◎乳歯は歯質が未成熟でやわらかいです 永久歯は歯が硬くなります


乳歯・永久歯は、歯の硬さが違います。


歯質が未成熟で、永久歯と比べてエナメル質が薄いため、乳歯は、歯がやわらかいです。


永久歯は、エナメル質を含めて歯質が厚くて硬く、乳歯と比べて歯が硬くなります。


なお、乳歯・永久歯、どちらも歯の表面は人体でいちばん硬い組織であるエナメル質で覆われています。乳歯・永久歯で歯の硬さは異なりますが、どちらも、エナメル質は硬いです。


乳歯がやわらかい、と言っても永久歯と比べた場合の表現であり、乳歯を触って「やわらかい」と感じることはありません。


上記の理由により、一般の方がご自身(または親御さん)で硬さを比べて、乳歯・永久歯のどちらなのかを見分けるのは難しいです。


【お子さんの歯・お口でお困りごとがあるときは、お気軽にご相談ください】


「乳歯・永久歯の見分け方」について、ご説明をさせていただきました。


なお、今回ご紹介した見分け方は、あくまでも、目安です。


乳歯・永久歯を判別するためには、歯科医院での受診が基本になります。


「子どもの歯が乳歯・永久歯、どっちなのかを知りたい」

「乳歯がむし歯になり、子どもがとても痛がっている」


など、お子さんの歯・お口でお困りごとがあるときは、おしむら歯科までお気軽にご相談ください。


診察では、歯科医師がお子さんの歯・お口の状態をチェックします。歯・お口の状態をチェックした上で、それぞれのお子さんに合った治療・ケアをご提案させていただきます。


おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

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