「しょっちゅう、子どもがむし歯になる」
「子どもの歯ぐきが腫れている」
「子どもの口に異常がある」
こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。
お子さまに見られやすい代表的なお口の病気には、まず、むし歯が挙げられます。むし歯のほか、お子さまによっては、何らかの原因で子ども特有のお口の病気が起きることも。
お子さまのお口に異常があるとき、保護者様は「どうすれば良いのかしら…」「このままでは、どうなっちゃうんだろう…」と、大変、ご心配かと思います。
お子さまのお口に異常が見つかったときは、早めに歯科医院で診察を受けることが大切です。歯科医院で診察を受けることで、歯科治療で治せるのか、それとも、歯科以外の医科で治療が必要なのかを判断しやすくなります。
今回は、お子さまをお持ちの保護者様のために、子どものお口に見つかることがある主な病気をご説明します。
目次
①むし歯
[主な症状]
・歯の変色(歯の一部が茶色くなったり、歯に黒い穴が開く)
・歯のしみ
・歯の痛み
むし歯とは、ミュータンス菌などの細菌が出す酸により、歯が溶けてしまう感染症です。
[治療]
歯科で治療を行います。
{子どもはむし歯にかかりやすく、進行が速いです}
子どもの乳歯や生え変わったばかりの永久歯は歯質が未成熟でやわらかいです。歯質が未成熟のため、子どもはむし歯にかかりやすく、大人よりもむし歯が速く進行します。
②歯並びの乱れ
[主な症状]
・歯並びの乱れ
ガタガタ歯、出っ歯、受け口、すきっ歯など、何らかの原因によって歯並びが乱れることがあります。
[治療]
歯科で矯正治療(小児矯正:マイオブレース)を行います。あごの骨格異常が原因の歯並びの乱れは、口腔外科・形成外科での治療が必要になることも。
{子どもの頃の悪い癖が歯並びを乱れさせることが多いです}
口呼吸、舌癖、頬杖など、子どもの頃の悪い癖が原因で歯並びが乱れることが多いです。遺伝で歯並びが乱れることもありますが、ほとんどは子どもの頃の悪い癖によって歯並びが乱れると考えられています。
③歯肉炎(初期の歯周病)
[主な症状]
・歯ぐきの腫れ
・歯ぐきからの出血
歯肉炎とは、初期の歯周病です。むし歯と同じく、歯周病は感染症に分類されます。
[治療]
歯科で治療を行います。お子さまご自身&保護者様によるブラッシングで歯ぐきの状態を改善できる可能性もあります。
{子どもの歯周病が増えています}
近年は、さまざまな原因により、子どもが歯周病にかかるケースが増えています。子どもの歯周病については、ブログにてご説明しています。併せてご参照ください。
④先天性欠如歯
[主な症状]
・乳歯や永久歯が生えてこない
何らかの原因により、乳歯や永久歯が生えてこないことがあります。
[治療]
歯科で治療(矯正治療、少ない歯を補う補綴治療)を行います。生えてこない箇所によっては、歯科治療が特に要らないケースもあります。
{親知らずが生えない方が増えています}
近年は、何らかの原因により、親知らずが生えない方が増えています。
親知らずが生えない原因ははっきりとはわかっていません。食の欧米化でやわらかい物ばかり食べ、あごが正常に育たないことや、栄養不足が原因と考えられています。
先天性欠如歯については、ブログにてご説明しています。併せてご参照ください。
⑤埋伏歯
[主な症状]
・歯の一部、または、歯全体が歯ぐきの中に埋まっている
何らかの原因により、歯の一部、または、歯全体が歯ぐきの中に埋まって生えてしまう場合があります。
[治療]
歯科で治療(抜歯、埋まっている歯をひっぱり出す牽引処置)を行います。
{埋伏歯は全体の歯並びに悪影響をおよぼしやすいです}
埋伏歯は、全体の歯並びに悪影響をおよぼしやすいです。埋まっている歯が隣の歯を押し、全体の歯並びを乱れさせるケースは少なくありません。また、不完全に生えている歯は周りの歯との高さが合わず、噛み合わせが乱れることもあります。
埋伏歯については、ブログにてご説明しています。併せてご参照ください。
⑥先天歯(先天性歯)
[主な症状]
・生まれたばかりの赤ちゃんに歯が生え始める
通常、乳歯は生後6ヶ月目ごろに下の前歯が2本、生えてきます。しかし、何らかの原因により、生後1~2ヶ月以内の赤ちゃんに歯が生え始めることがあります。
[治療]
歯科で治療(抜歯)を行います。自然に歯が抜け落ち、抜歯が不要なケースもあります。
{先天歯は哺乳に悪影響をおよぼすことも}
先天歯で、生まれたばかりの赤ちゃんに歯があると、お母さんやミルク瓶からの哺乳がしにくくなるケースがあります。哺乳に悪影響が見られる場合は抜歯を行うことで、母乳・ミルクを飲みやすくなります。
⑦上皮真珠(じょうひしんじゅ)
[主な症状]
・歯ぐきに白いぶつぶつができる
乳歯の組織の影響により、生まれて間もない赤ちゃんの歯ぐきの表面に白いぶつぶつができることがあります。
[治療]
生後6ヶ月以降になると自然消滅することが多く、基本的に、治療は不要です。
{歯ぐきのぶつぶつはひっかかないようにしましょう}
上皮真珠でできた歯ぐきのぶつぶつをひっかくと、歯ぐきを傷つけるおそれがあります。赤ちゃんの歯ぐきにぶつぶつがあるときは歯科医院で受診後、歯ぐきをひっかかないようにしましょう。
【お子さまのお口に異常が見られるときは、まずは、歯科医院で診察を受けることをおすすめします】
子どものお口に見られることがある主な病気について、ご紹介をさせていただきました。
さまざまな原因により、子どものお口には病気や異常が発生するケースがあります。今回、ご紹介したもの以外にも、子どものお口に起こり得る病気には口蓋裂や川崎病なども存在するため、注意が必要です。
お子さまのお口に異常が見られるときは、まずは、歯科医院で診察を受けることをおすすめします。