「麻酔注射が痛いのがイヤ」
「歯医者さんの「キーン」という音が苦手」
「歯科治療に強い恐怖を感じてしまう」
こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。
歯科治療が不安、怖いと感じる方は、治療時の麻酔の痛みや歯を削るときの音が苦手なケースが多いです。
当院では、麻酔時の痛みをできるだけ減らし、痛みの少ない歯科治療を心がけています。歯を削る音など、歯科治療に恐怖や不安を感じてしまう方は鎮静効果のある笑気ガスや静脈内鎮静法を用い、リラックスした状態で治療をお受けいただくことも可能です。
今回は、当院で行っている「痛み・不安の少ない歯科治療への取り組み」についてご紹介します。
目次
■麻酔の痛みを軽減
おしむら歯科では、麻酔時の痛みを減らすために以下を行っています。
①注射前の表面麻酔
②極細の注射針を使用
③ゆっくりとしたスピードで麻酔液を注入
①注射前の表面麻酔
麻酔注射を行う前には、塗るタイプの麻酔薬を注射箇所の歯ぐきに塗布します。表面麻酔をすることで注射針のチクッとする痛みが軽減されます。
②極細の注射針を使用
麻酔注射に使う針は極細の物を使用し、注射時の痛みを軽減します。
③ゆっくりと麻酔液を注入
麻酔注射の際はゆっくりと麻酔液を注入し、歯ぐきに感じる圧迫痛を軽減します。
■「笑気吸入鎮静法」で治療時の不安や恐怖感を軽減
当院では、歯科治療に強い不安を感じる方や小さなお子さまのために「笑気麻酔(しょうきますい)」を行っています。
笑気麻酔は正式名を「笑気吸入鎮静法」と言い、鎮静法の一種です。鎮静効果のある笑気ガスを吸っていただくことでリラックスして治療が受けられるようになります。
◎笑気麻酔とは
笑気麻酔とは、鎮静効果のある亜酸化窒素(N2O)と酸素を混ぜた笑気ガスを鼻から吸うことでリラックスした状態になる鎮静法です。
安全性が高く、歯科先進国のアメリカでは全体の3割以上の歯科医院(小児歯科ではほぼ100%)で笑気麻酔が使われています。日本では1割程度の歯科医院が笑気麻酔を導入しています。
◇笑気麻酔がおすすめの方◇
・歯科治療に強い不安や恐怖を感じてしまう方
・歯科治療を大人しく受けられない、泣いてしまうお子さま
・高血圧や心臓病をお持ちで歯科治療時に血圧が上がってしまうおそれがある方
・嘔吐反射(器具をお口に入れるとオエッとなる)が強い方
・神経質で歯科治療時の痛みに敏感な方
◆笑気麻酔を適用できない方◆
・妊娠初期(妊娠3ヶ月以内)の妊婦の方
・中耳炎で治療中の方
・2ヶ月以内に眼の手術を受けた方
・過呼吸発作をお持ちの方
・鼻がつまっていて鼻呼吸ができない方
~笑気麻酔 Q&A~
Q.笑気ガスを吸うとどうなる?
笑気ガスを鼻から吸うと頭がふわふわとした感覚になり、身体がじんわりと温かくなってリラックス状態になります。「夢の中にいる感覚」「お酒を飲んでほろ酔い気分になったときみたい」と感じる方もいらっしゃいます。
全身麻酔と異なり、笑気ガスは完全に意識を失うことはありません。ただし、患者様によっては気持ち良さからウトウトと眠ってしまう場合もあります。
Q.笑気ガスは安全なの?
笑気麻酔は30%の低濃度亜酸化窒素と70%の酸素を混ぜたガスを使用するため、極めて安全性が高いです。笑気ガス(亜酸化窒素)には鎮静・鎮痛・催眠作用がありますが、いずれも弱い作用のため、単独では全身麻酔に使えません。麻酔法の中では、笑気ガスはもっともマイルドで安全な麻酔(鎮静法)です。
Q.笑気麻酔を吸ったら注射の麻酔はしないの?
笑気麻酔とともに局所麻酔(麻酔注射(浸潤麻酔))も行います。麻酔注射が苦手な方は笑気麻酔を行うことにより、麻酔時の注射の痛みを感じにくくなります。
Q.身体に負担はないの?
笑気麻酔は体内に薬剤を注入しないため、肺や肝臓に負担がかかりません。肺や心臓に病気をお持ちの方にも安全に使用できます(※)。
(※)病気の種類や身体の状態によっては笑気ガスを適用できない
ケースがあります(上記「笑気麻酔を適用できない方」をご参照ください)。
Q.笑気麻酔の後はすぐに帰れるの?
笑気ガスは吸入を止めた瞬間にすぐに体外への排出(排泄)が始まります。吸入中止後、10~15分ほど経てば体外へガスが排出されるため、そのままお帰りいただけます。車の運転も可能です(※)。
(※)車を運転してお帰りになる場合は
院内にて長めにリカバリータイムを取っていただきます。
■インプラント手術や親知らずの抜歯時の不安を和らげる「静脈内鎮静法」
◎静脈内鎮静法とは
静脈内鎮静法とは、鎮静効果のある薬剤を点滴で静脈内に注入する鎮静法です。薬剤の鎮静効果により、リラックスした状態で歯科治療をお受けいただけます。
◎静脈内鎮静法の適用場面
静脈内鎮静法はインプラント手術や親知らずの難抜歯(歯ぐきの切開をともなう抜歯)、口腔外科手術など、手術が必要な歯科治療の際に主に用いられます。
◎完全に意識を失うことはありません
静脈内鎮静法は患者様の静脈内に薬剤を注入するため、笑気ガスよりも強い鎮静効果を得られます(手術中に眠ってしまう患者様もいらっしゃいます)。ただし、全身麻酔のように完全に意識を失うことはありません。
~静脈内鎮静法 Q&A~
Q.静脈内鎮静法の当日の注意事項は?
静脈内鎮静法を行う当日は施術の3時間前までに食事を済ませ、1時間前からは飲み物を含むすべての飲食をおひかえください。
歩きにくい靴(ヒールの高い靴など)はご帰宅の際に転倒の危険があるため、歩きやすい靴でご来院ください。
施術前はお化粧を落としていただきます。血中酸素を計る際に支障がでるため、当日は手指へのマニュキュアやネイルアートはしないでください。コンタクトレンズ・指輪・腕時計・入れ歯もはずしていただきます。
Q.静脈内鎮静法をしたときは車の運転はできるの?
静脈内鎮静法は静脈内に薬剤を注入するため、車・バイク・自転車でのご来院およびご帰宅は不可となります。当日は公共交通機関、または、ドライバーの方が運転する車でご来院ください。
Q.静脈内鎮静法をしたら注射の麻酔はしないの?
静脈内鎮静法と共に局所麻酔(麻酔注射(浸潤麻酔))(症例によっては伝達麻酔)も行います。麻酔注射が苦手な方は静脈内鎮静法を行うことにより、麻酔時の注射の痛みを感じにくくなります。
Q.静脈内鎮静法をしたあとはどれくらい安静にするの?
治療後は平衡感覚が戻るまで、院内のリカバリールームにて安静にしていただきます。リカバリー時間は患者様によって異なります(30分~数時間程度)。
【歯科治療に恐怖や不安を感じる方はお気軽にご相談ください】
歯科治療に恐怖や不安を感じてしまう方は、笑気麻酔や静脈内鎮静法を行うことでリラックスして治療を受けられるようになります。
笑気麻酔、静脈内鎮静法は別途、費用が必要です。笑気麻酔は保険適用でご利用いただけます(3割負担の場合は800円~1,000円程度)。静脈内鎮静法(自費のみ)の費用については歯科医師・スタッフまでお尋ねください