おしむら歯科ブログ BLOG OSHIMURA

むし歯と頭痛の関係 どんな状態のむし歯で頭痛がすることがあるの?


様々な原因によって起きることがある、頭痛。頭痛でお悩みの方は少なくありません。


一般的に、頭痛の原因としては、気圧、体質による偏頭痛、風邪などを連想しますよね。


上記のような原因のほか、意外に思われるかもしれませんが、むし歯によって頭痛がひき起こされる場合もあるのです。


■むし歯と頭痛の関係


むし歯を放置していると、むし歯が重度に進行し、以下のような病気を発症して頭痛が起きる場合があります。


①むし歯が原因の病気:歯髄炎

むし歯が歯の神経(=歯髄:しずい)に進み、歯の神経が炎症を起こしている状態を歯髄炎(しずいえん)と呼びます。


歯髄炎はズキズキと歯が強く痛むのが特徴です。歯の痛みに加え、歯髄炎では、頭痛を伴う場合があります。


②むし歯が原因の病気:歯性上顎洞炎

歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)とは、上顎の奥歯の上にある上顎洞(じょうがくどう)という空洞の粘膜が炎症を起こす病気です。


むし歯が重度に進行すると、歯根の先から上顎洞にむし歯菌が侵入し、上顎洞内の粘膜が細菌感染を起こして歯性上顎洞炎を発症する場合があります。


歯性上顎洞炎になると、頭痛が起きることが多いです。頭痛のほか、歯性上顎洞炎の痛みは左右どちらか片方の頬のあたりが痛む、という特徴があります。


③むし歯が原因の病気:脳静脈血栓症

脳静脈血栓症(のうじょうみゃくけっせんしょう)とは、何らかの原因により、脳の中を走る静脈内に血栓(けっせん:血のかたまり)ができる病気です。


脳静脈血栓症の原因の一つには、むし歯があります。


むし歯が重度に進行すると、歯根の先から顎の骨の中を通る血管内にむし歯菌が侵入し、脳や全身にむし歯菌が駆け巡る場合があります。


脳の血管にむし歯が到達した場合、むし歯菌によって血管内に炎症が起き、脳の血管内に血栓ができて脳静脈血栓症を発症するケースも。脳静脈血栓症を発症すると、頭痛がすることがあります。


④むし歯が原因の病気:脳炎

脳炎とは、何らかの原因により、脳内に白血球が入り込んで脳が炎症を起こす病気です。


脳炎(感染性脳炎)の原因の一つには、むし歯があります。


重度に進行したむし歯では、血液に入ったむし歯菌が脳内への白血球の感染を起こし、脳炎を発症する場合も。脳炎を発症すると、頭痛がすることがあります。


◎むし歯の痛みによるアンバランスな噛み方が原因で、緊張性の頭痛が起きることも

上記のような病気のほか、むし歯の痛みによるアンバランスな噛み方(痛くない方の歯でばかり噛むなど)が原因で、緊張性の頭痛が起きることも。


■むし歯が原因の頭痛の対処方法は?


◎まずは、歯科医院を受診しましょう

むし歯が原因で頭痛が起きている(と思われる)場合は、まずは、歯科医院を受診しましょう。


歯科医院では歯の状態を確認・検査した上で、むし歯の治療を行います。むし歯(歯髄炎を含みます)を治療することで、むし歯が原因の頭痛の解消にアプローチできます。


◎むし歯が原因で起きている病気に対し、治療が必要になる場合も

歯髄炎はむし歯治療に含まれるため、歯科で治療が可能です。


歯性上顎洞炎は口腔外科機能のある歯科医院、または、口腔外科にて、上顎洞内の粘膜の炎症部分を取り除くための外科手術が必要になる場合があります。


脳静脈血栓や脳炎は、脳神経外科での治療(服薬、開頭手術)が必要になることも。


■むし歯が原因で頭痛がするときの応急処置


速やかに歯科医院を受診できない場合は、以下のような応急処置を試してみる方法も。


①むし歯の部分の歯&頭を冷やす

むし歯の部分の歯&頭(身体の頭部です)を冷やすことで血行を落ち着かせ、むし歯の痛みや頭痛をやわらげられる場合があります。


②血行を促進する食べ物・行動を控え、安静にする

以下のような食べ物・行動を控え、安静にして血行を落ち着かせることで、むし歯の痛みや頭痛をやわらげられる場合があります。


[むし歯が痛むときには控えていただきたい食べ物・行動]


  • 血行を促進する食べ物(しょうが、唐辛子など)

  • 血行を促進する行動(汗をかくような激しい運動など)


③鎮痛薬を飲む

市販or医療機関で処方される鎮痛薬を飲むことで、むし歯の痛みや頭痛をやわらげられる場合があります。


なお、脳静脈血栓や脳炎などの疑いがある、または、脳の病気をお持ちの方は、必ず、かかりつけの医師に鎮痛薬を飲んで良いかを尋ねましょう。


【むし歯は早期発見・早期治療が大切です】


むし歯は早期発見・早期治療が大切です。

頭痛をひき起こすほどの重度のむし歯になる前に、歯の違和感・歯の痛みがある場合は、できるだけ早めに歯科医院を受診することが大切です。

おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

⇒院長の経歴はこちら