おしむら歯科ブログ BLOG OSHIMURA

歯ぎしり・食いしばり、噛み合わせの悪さなど 歯周病を進行させることがある「もう一つの原因」とは?


日本人が歯を失う原因の第1位、歯周病(※)。


(※)公益財団法人8020推進財団

第2回 永久歯の抜歯原因調査

(2018)より引用。


自覚症状に乏しく、ご自身では気づきにくい歯周病ですが、皆様はどのような原因で歯周病が進行(悪化)すると思いますか?


お口の中にひそむ歯周病菌? はい その通りです。

たしかに、歯周病を進行させる原因の一つは、歯周ポケット内に侵入・増殖した歯周病菌が挙げられます。


歯周病菌は歯周病を悪化させる大きな原因です。ただし、歯周病菌に加え、歯周病を進行させるものには「もう一つの原因」が。


今回は、「歯ぎしり・食いしばり、噛み合わせの悪さなど、歯周病を進行させる「もう一つの原因」」について、お話しします。


■歯周病を進行させる原因は①「歯周病菌」 ②「歯・歯周組織にかかる過剰な負担」


◎歯ぎしり・食いしばり、噛み合わせの悪さなどが原因で歯・歯周組織に過剰な負担がかかると歯周病が進行しやすくなります

歯周病は、主に以下の2つが原因で進行すると考えられています。


[歯周病を進行させると考えられている2つの原因]


  • 歯周ポケット内に侵入・増殖した歯周病菌(カビ菌などで構成される歯周病菌)

  • 歯ぎしり・食いしばり、噛み合わせの悪さなどが原因で生じる歯・歯周組織への過剰な負担


上記のうち、歯周病菌については理解できるものの、「どうして、歯・歯周組織への過剰な負担が原因で歯周病が進行するの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。


歯・歯周組織への過剰な負担で歯周病が進行する理由は、そもそも、


歯周病=「何らかの原因により、歯茎・顎の骨などの歯周組織がダメージを受けている状態」であるためです。


何らかの原因が①の歯周病菌(による歯周組織の炎症)の場合もある一方、


  • 歯ぎしり・食いしばり

  • 噛み合わせの悪さ(外傷性咬合)


など(=前述の②)が原因で歯周組織がダメージを受け、歯周病が進行することもあります。


◎歯・歯周組織にダメージを与えるほどの噛み合わせの悪さ=「外傷性咬合」には要注意

少し、難しい言葉を使いますが、できるだけわかりやすくご説明します。


噛み合わせの悪さが原因で歯・歯周組織に過剰な負担がかかっている場合、悪い噛み合わせのことを「外傷性咬合(がいしょうせいこうごう)」と呼びます(咬合=噛み合わせ)。


歯・歯周組織にダメージを与えるほどの噛み合わせの悪さ=外傷性咬合には注意が必要です。


噛み合わせが悪いと歯・歯周組織にアンバランスで過剰な負荷がかかりやすくなり、歯・歯周組織が傷むことがあります(外傷性咬合による、咬合性外傷)(ちょっと紛らわしい言葉ですね)。


[噛み合わせの悪さ(外傷性咬合)をひき起こすことがある主な原因]


  • 歯並びの乱れ


  • 顎の形の異常
    (受け口、口ゴボなど、顎の骨格そのものの異常)


  • 歯ぎしり・食いしばりによる顎関節の関節円板のすり減り・ずれ
    (顎関節症を発症する主な原因の一つでもあります)


  • 不良補綴物
    (精度が低い補綴物:周りの歯と高さ・位置が合っていない歯の詰め物・被せ物、インプラント・ブリッジの精度が低い人工歯、入れ歯の精度が低い義歯など)


  • 歯周病の進行による歯茎下がり・顎の骨の吸収


{歯と歯のあいだに食べかすが挟まった状態を放置していると、歯周病が進行する場合も}


上記のような噛み合わせの悪さ=咬合性外傷のほか、日常のちょっとしたことでも歯周病が進行することもあります。


ちょっとしたこととは、食べかすです。

お食事の後、歯と歯のあいだに食べかすが挟まった状態を放置するのは良くありません。


歯と歯のあいだに挟まった食べかすの圧力によって歯・歯周組織がダメージを受け、歯周病が進行する場合があるのです(食片圧入による歯周病の進行)。


お食事の後は、大体でも良いので、フロスを使って歯と歯のあいだに挟まっている食べかすを取り除きましょう。なお、就寝前の歯間清掃では左右にフロスを動かし、歯と歯のあいだの汚れを丁寧に除去するようにしましょう。


【噛み合わせのプロフェッショナルによる、総合的・包括的な歯科治療を行っています】


今回は、歯周病を進行させる「もう一つの原因」である「歯・歯周組織への過剰な負担」について、お話をさせていただきました。


おしむら歯科では、日本顎咬合学会の噛み合わせ認定医による、噛み合わせを考慮した総合的・包括的な歯科治療を行っています。


噛み合わせを考慮した歯科治療に加え、歯科矯正が必要な場合は、日本矯正歯科学会の矯正認定医がカウンセリング・治療を担当いたします。


  • 歯並びの乱れ

  • 顎の形の異常

  • 歯ぎしり・食いしばり


上記のようなお悩みがある場合は、まずは、当院までお気軽にご相談ください。


ご来院の際は、歯科医師が患者様の現在のお口・顎周りのお悩みなど、お話をお伺いします。お話をすべてお伺いした上で、お一人おひとりの方に適した治療方法をご提案させていただきます。


– 院内に歯科技工所を併設し、補綴物の精度を高めています –


おしむら歯科では、院内に歯科技工所を併設。歯科医師と歯科技工士が一貫性のある連携を取りながら、精度を高めた補綴物をご提供いたします。

おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

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