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上の親知らずと下の親知らず、抜歯の難しさや痛みが違うって本当?


「親知らずを抜くことになったけど、上と下で痛みや腫れが違うって聞いた…」そんな不安、ありませんか?実際のところ、上の親知らずと下の親知らずでは、骨の構造や歯の生え方がかなり異なります。そのため、抜歯の難易度や術後の経過にも差が出てくるのです。


上の親知らずは比較的スムーズに抜けることが多い一方、下の親知らずは横向きに埋まっていたり、神経のすぐそばに位置していたりして、より慎重な処置が求められるケースも珍しくありません。


この記事では、上下それぞれの親知らず抜歯の違いを分かりやすくお伝えし、あなたの不安を少しでも和らげるお手伝いをしたいと思います。事前に違いを把握しておけば、心の準備が整い、抜歯当日も落ち着いて臨めるはずですよ。


■上の親知らずが抜きやすいと言われる理由


「上の親知らずは抜きやすい」という話、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。実はこれ、ただの噂ではなく、きちんとした解剖学的な理由があるんです。


◎上顎の骨は柔らかく、歯が動きやすい

上顎の骨には「海綿骨」と呼ばれるスポンジのような組織が多く含まれています。この構造のおかげで、上の親知らずは抜歯の際に動きやすく、歯科医師が力を加えると比較的素直に抜けてくれる傾向があります。


下顎と比べると骨の密度が低いので、抜歯にかかる時間も短くなりやすいです。処置時間が短ければ、その分だけ体への負担も軽減されます。


◎上の親知らずは真っすぐ生えているケースが多い

もうひとつの理由として挙げられるのが、上の親知らずは真っすぐ生えていることが比較的多いという点です。真っすぐ生えていれば、複雑な処置は必要なく、シンプルな抜歯で済むケースがほとんど。


歯茎を大きく切開したり、歯を分割したりする必要がなければ、術後の回復も早い傾向にあります。ただし、すべての上の親知らずが同じ条件とは限りません。生え方や根っこの形によっては慎重な対応が必要になることもあるため、事前の検査でしっかり確認しておくことが大切です。


■下の親知らずの抜歯が難しくなりやすい3つの要因



一方、下の親知らずについては「抜くのが大変だった」という声をよく耳にします。その背景には、下顎ならではの特徴が深く関わっているのです。


◎下顎の骨は硬く、抜歯に時間がかかることも

下顎の骨は「皮質骨」という硬い組織に覆われていて、上顎に比べるとかなり密度が高い構造になっています。そのため、歯を抜く際に骨を少し削る処置が必要になることがあり、どうしても時間がかかりやすいのが特徴です。


処置時間が長くなると、その分だけ術後の腫れや痛みにも影響が出やすくなる傾向があります。この点を頭の片隅に入れておくと、心の準備がしやすいかもしれません。


◎横向き・埋伏で生えている割合が高い

下の親知らずは、横向きや斜めに生えていたり、完全に歯茎の中に埋まっている「埋伏歯」の状態であることが珍しくありません。こういったケースでは、歯茎を切開して歯を露出させたり、歯を小さく分割してから取り出す処置が必要になってきます。


このような複雑な抜歯は「難抜歯」と呼ばれ、通常よりも慎重な対応が求められます。


◎下顎には神経が近く、慎重な処置が必要

下の親知らずのすぐ近くには「下歯槽神経」という太い神経が走っています。この神経は下唇や顎の感覚をつかさどっているため、抜歯の際には細心の注意を払う必要があるのです。


多くの歯科医院では、事前にCT撮影を行って神経と親知らずの位置関係を立体的に把握してから処置に臨みます。こうした丁寧な事前検査を行うことで、より安心して抜歯を受けられる環境が整えられています。


■抜歯後の痛み・腫れは上と下でどう違う?



抜歯そのものの難易度に加えて、術後の経過にも上下で違いが出やすいもの。事前に知っておくことで、回復期間の過ごし方もイメージしやすくなるでしょう。


◎上の親知らずは痛み・腫れが軽い傾向

上の親知らずは処置時間が短く、骨を削るような侵襲的な処置が少ないケースが多いため、術後の痛みや腫れも比較的軽く済む傾向があります。


「思っていたより楽だった」と感じる方もいらっしゃり、翌日から普段通りの生活に戻れることも。もちろん個人差はありますが、痛み止めを数回飲む程度で落ち着くケースも見られます。


◎下の親知らずは腫れのピークが2〜3日後に来ることも

下の親知らずの場合、骨を削ったり歯を分割したりする処置が必要になると、術後の腫れがやや強めに出やすい傾向があります。腫れのピークは抜歯から2〜3日後に訪れることが多く、そこから徐々に引いていくのが一般的な経過です。


痛みについても、処方された薬を指示通りに服用すれば、多くの場合コントロールできます。1週間ほどで日常生活に支障がない程度まで回復することがほとんどですが、この期間は激しい運動や飲酒を控えるなど、体をいたわって過ごすことが大切です。


■よくある質問


Q. 下の親知らず抜歯後、どのくらい腫れますか?


A. 個人差はありますが、腫れのピークは抜歯から2〜3日後に訪れることが多いです。1週間程度で落ち着いてくるケースがほとんどなので、その間は患部を冷やしたり、処方されたお薬を服用したりしながら過ごしましょう。


Q. 上の親知らずでも痛みが強く出ることはありますか?


A. 上の親知らずであっても、根っこが曲がっていたり骨と癒着していたりすると、抜歯に時間がかかり痛みが出やすくなることがあります。事前の検査で状態を確認しておくと、より安心して臨めます。


Q. 親知らず抜歯後、食事はいつから普通にできますか?


A. 麻酔が切れてから2〜3時間後には、やわらかいものから食べ始めることができます。抜歯した側で噛むのは避けて、1週間程度は刺激の強い食べ物を控えるようにしてください。

おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

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