ブログ BLOG

産後のママさんのお悩み



こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。

出産の疲れ
赤ちゃんの育児
産後のストレス

産後のママさんは大変です。育児のストレスや不安から、お口の状態が悪化してしまうケースも少なくありません。

今回は、「産後のママさんのお悩み」をQ&A形式でお答えします。お口や赤ちゃんの歯の健康が気になる方、出産後の歯のケアが知りたい方は、ぜひ、ご参考になさってください。

■産後のママさんに多いお悩み Q&A


Q.歯の麻酔は母乳に影響がでないのでしょうか


A.歯の麻酔で母乳に影響がでることはほぼありません。

歯科治療で用いる麻酔が、母乳を飲む赤ちゃんに影響をおよぼす可能性はほぼありません。

歯科麻酔で使用するキシロカインは麻酔の2時間後、わずかに母乳に成分が移行し、麻酔後5~6時間が経つと成分は半分にまで減少します。キシロカインの母乳への移行率は2時間後で約0.1%(1000分の1)、5~6時間経ったときには約0.05%(2000分の1)になります。非常に低い数値のため、歯の麻酔により母乳を飲んだ赤ちゃんに影響がでることはほぼありません。ご安心ください。

ただし、生後3ヶ月までの赤ちゃんは代謝機能が低いため、母乳育児をされている方の歯科治療では大事をとって生後3ヶ月までは歯科麻酔を控えることがあります。

赤ちゃんへの歯科麻酔の影響が不安な方は問診票や診察時にその旨、お伝えください。妊娠中と同じく、麻酔を使わずに応急処置で対処いたします。

Q.産後、むし歯にかかりやすくなった気がします


A.妊娠中のホルモンバランスの変化と産後のストレスにより、お口の状態が悪化することがあります。

妊娠中はホルモンバランスが変化し(女性ホルモンの増加による口内環境の悪化)、いつもよりむし歯や歯周病にかかりやすくなります。

妊娠中は唾液も減りやすく、自浄作用が低下してむし歯や歯周病にかかりやすくなります。つわりによって歯のエナメル質が胃酸で溶かされることもあります。

このような理由から、妊娠中に歯が弱くなってしまう方は少なくありません。

上記に加え、産後は育児やストレスの影響で唾液の分泌が低下しやすく、むし歯や歯周病にかかりやすいです。

「妊娠中に歯が弱くなる」+「産後のストレスでさらに歯が悪くなる」、この “ダブルパンチ”を避けるためには、以下の点に気をつけることが大切です。

[妊婦さん&産後のママのオーラルケアのポイント]


①唾液の分泌を増やす(お口の浄化作用をアップ)
②ブラッシングはやさしく(エナメル質を保護、歯の再石灰化を促進)
③食事内容を見直す(だらだら食べ、だらだら飲みをしない)

①唾液の分泌を増やす


妊娠中や産後はストレスの影響で唾液の分泌が低下しやすくなります。唾液を分泌させるためには、ストレスをできるだけ少なくすることが重要です。妊娠中や産後、不安なときには1人で悩まず、ご家族やお友達、先輩ママさんに相談したり、趣味に打ち込む、自分の好きなことをする、などしてストレスを減らすとよいでしょう。

食事の際には、しっかりと噛むことで唾液が分泌されます。砂糖不使用のキシリトールガムも唾液の分泌に効果的です。

②ブラッシングはやさしく


妊娠中や産後は忙しさやストレスから、ついつい「ゴシゴシ磨き」をしてしまいがちです。歯をゴシゴシ強く磨くとエナメル質が削られてしまい、歯が弱くなってむし歯にかかりやすくなります。

ブラッシングは軽い力で、やさしく行いましょう。ペンを持つように、軽い力で歯ブラシを持つと力加減を調節しやすくなります。

③食事内容を見直す


妊娠中、赤ちゃんへの栄養を考えて食事量を増やす方も多いかと思います。妊娠中はそれでも良いのですが、産後、妊娠中に増えた食事量のまま食生活を続けてしまったり、間食の回数が増えると口内環境が悪化しやすくなります。

・1日に4食、5食以上食べてしまう
・口さびしいのでついついお菓子を食べてしまう
・砂糖がふくまれた甘いジュースや砂糖入りのコーヒーなどをいつも飲んでいる

このような「だらだら食べ」「だらだら飲み」の習慣があると、歯が溶ける「脱灰(だっかい)」が常に続いた状態となり、むし歯や歯周病にかかりやすくなります。

食事は決まった時間に取り、よく噛んで唾液を分泌しながら食べることを心がけてください(次の食事まで5時間以上空けるのが理想的です)。

間食を食べるときは菓子パンやケーキなどのやわらかいスイーツではなく、おせんべいやするめいかなどの硬い物を食べることで唾液の分泌がうながされ、口内環境の改善につながります。

【キッズスペース・無料託児室を完備しています】


産後ママに多いお悩みについて3つ、Q&A形式でお答えをさせていただきました。

妊娠中と産後は「唾液の分泌」「ブラッシング」「食事内容」、この3つに気をつけることで口内環境の改善につながり、むし歯や歯周病を防ぎやすくなります。

おしむら歯科では、キッズスペース・無料託児室を完備し、お母さんとお子さまが通いやすい環境づくりを行っています。おむつ交換台やお母さんのためのパウダースペースも備えており、赤ちゃんや小さなお子さまをお持ちの方も安心して診療をお受けいただけます。

妊娠中や産後は口内環境が悪化しやすく、むし歯や歯周病にかかりやすくなります。お口の病気を悪化させないためにもまずは毎日の歯磨きをしっかり行い、合わせて、歯科医院で定期的に検診とメンテナンスを受けることをおすすめします。


おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
院長
押村 侑希

⇒院長の経歴はこちら