こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。
今回は「赤ちゃんの歯磨き」についてお話をさせていただきます。
目次
- ■はじめての歯磨きはいつからスタート?
- ◎最初の乳歯が生えてきたら仕上げ歯磨きを始めましょう
- ◎仕上げ磨きは「やさしい力で」
- ◎仕上げ磨き専用の歯ブラシを使うと磨きやすくなります
- ■仕上げ磨きのコツ
- ポイント①「ふだんからお子さまの口元にふれておく」
- ポイント②「前歯を磨くときは上唇の「スジ」を指でカバーしてあげる」
- ポイント③「奥歯を磨くときは「奥から手前」に歯ブラシを動かす」
- ポイント④「短時間で丁寧に」
- ポイント⑤「仕上げ磨きを「楽しい時間」にする」
- ■子どもが自分で歯磨きをスタートするのは何歳から?
- ◎自分でスプーンを持てる「1歳半ごろ」になったら歯ブラシを持たせてみましょう
- 【乳歯が生えてきたら小児歯科での定期検診をおすすめします】
■はじめての歯磨きはいつからスタート?
◎最初の乳歯が生えてきたら仕上げ歯磨きを始めましょう
赤ちゃんに歯が生え始めたら、「お食い初め(おくいそめ)」をしますね。お食いそめと同時にしていただきたいのが、「保護者様による仕上げ磨き」です。
個人差がありますが、だいたい生後6~9ヶ月くらいになると最初の乳歯が生え始めます。最初の乳歯が生えてきたら、保護者様がお子さまの歯の仕上げ磨きをしてあげてください。
◎仕上げ磨きは「やさしい力で」
赤ちゃんへの仕上げ磨きはやわらかい歯ブラシでやさしく行ってください。シャカシャカと音がするようなブラッシングは強すぎです。
音がするような仕上げ磨きは赤ちゃんがビックリしてしまいます。歯や歯ぐきを痛める原因にもなります。
◎仕上げ磨き専用の歯ブラシを使うと磨きやすくなります
赤ちゃんへの仕上げ磨きは市販の「仕上げ磨き専用歯ブラシ(ママ歯ブラシ)」を使うと磨きやすくなります。ブラシの硬さは「やわらかめ」にしてください。
■仕上げ磨きのコツ
ポイント①「ふだんからお子さまの口元にふれておく」
ふだんからお子さまの口元にふれておくことで、仕上げ磨きのときに嫌がりにくくなります。ほっぺやお口のまわりを指で軽くふれたり、なでたり、日常生活で赤ちゃんの口元にタッチする習慣をつけましょう。
ポイント②「前歯を磨くときは上唇の「スジ」を指でカバーしてあげる」
仕上げ磨きをするときに上唇の内側にある「スジ(上唇小帯:じょうしんしょうたい)」に歯ブラシが当たると、赤ちゃんが痛がって嫌がります。
仕上げ磨きをするときは保護者様が赤ちゃんのお口の中に歯ブラシを持っていない方の指を入れ、上唇の内側にあるスジを指の腹でカバーしてブラッシングしてください。
ポイント③「奥歯を磨くときは「奥から手前」に歯ブラシを動かす」
赤ちゃんのお口はとっても小さいです。ブラッシングのときに手前から奥に歯ブラシを動かすとお口の奥に歯ブラシの先端が当たってしまい、赤ちゃんが嫌がります。奥歯を磨くときは「奥から手前」に歯ブラシを動かしてブラッシングしましょう。
~仕上げ磨き とっておきの「裏ワザ」~
・歯ブラシを噛んでしまうときは?
もし、赤ちゃんやお子さまが歯ブラシを噛んでしまい動かせない場合には、グイッとお口の横から歯ブラシを入れ、「歯ブラシを横に動かす」のもOKです。
歯ブラシをがっちり噛まれて動かせない場合は、噛まれている歯ブラシはそのまま噛ませておいて、一回り小さい別の歯ブラシをお口の中に入れると磨きやすくなります。
ポイント④「短時間で丁寧に」
赤ちゃんへの仕上げ磨きは時間をかけすぎないようにしましょう。砂糖が入った甘いお菓子やジュースをたくさん与えていなければ、赤ちゃんへの仕上げ磨きはそれほど念入りに行う必要はありません。
仕上げ磨きが長くなると赤ちゃんが嫌がります。ブラッシングは長くても2分以内で終わらせましょう。ただし、急ぎ過ぎて雑なブラッシングになったり、シャカシャカと強い力で磨くのはNGです。仕上げ磨きは「短時間で丁寧に」を心がけてください。
ポイント⑤「仕上げ磨きを「楽しい時間」にする」
赤ちゃんへ仕上げ磨きをするときは保護者様から赤ちゃんにやさしく話しかけたり、お歌を歌いながら行うとよいでしょう。楽しい雰囲気の中で仕上げ磨きを行うことで、赤ちゃんが仕上げ磨きを「楽しい時間」と認識しやすくなります。
仕上げ磨きが終わったときは、赤ちゃんをほめてあげることも大切です。ほめてあげることで赤ちゃんが嬉しくなり、「仕上げ磨きをするとほめられる」楽しい感覚が身につきやすくなります。
~赤ちゃんが嫌がっている場合は?~
赤ちゃんがむずかったり、眠そうなときは仕上げ磨きはしなくてもかまいません。赤ちゃんの機嫌が悪いときに無理に仕上げ磨きをすると、仕上げ磨きを「嫌なモノ」と認識しやすくなってしまいます。
■子どもが自分で歯磨きをスタートするのは何歳から?
◎自分でスプーンを持てる「1歳半ごろ」になったら歯ブラシを持たせてみましょう
お子さまが自分で歯磨きをする年齢は、スプーンを持てる「1歳半ごろ」が開始の目安です。お子さまがスプーンを持ち始めたら、歯ブラシを持たせてあげてください。
もちろん、この年齢のお子さまは自分ではきちんとした歯磨きはできません。
最初は「歯磨きの真似」でOKです。「お母さん(お父さん)がやるから、いっしょにやってみよう」など、保護者様がお子さまに歯磨きの仕方を見せてあげ、お子さまに真似させてみましょう。
お子さまがブラッシングをしているときは保護者様がしっかり見てあげて、終わったらほめてあげてください。ほめてあげるとお子さまに「歯磨きをするとほめられる(=嬉しい)」認識が生まれ、歯磨きをする習慣づけにつながります。
【乳歯が生えてきたら小児歯科での定期検診をおすすめします】
おしむら歯科では、0歳の赤ちゃんから小学生までの子どもを対象にした小児歯科の定期検診を行っています。
乳歯は未成熟のためむし歯にかかりやすく、進行も速いです。
お子さまの大切な歯を守るために、まずは保護者様が毎日の仕上げ磨きをしっかりと行い、合わせて、歯科医院で定期的に小児歯科検診を受けることをおすすめします。