おしむら歯科ブログ BLOG OSHIMURA

予防で歯医者に通うメリット 日本人の予防意識の変化について


①「歯医者は歯が痛くなったら行くところ」

②「むし歯や歯周病になる前に、歯医者に通ってお口の病気を予防する」


こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。


とつぜんですが、今回は歯に関するクイズをだしてみました。


皆様は「歯の健康」に対して①or②、どちらの考えをお持ちでしょうか?


近年では歯に対する意識が高まっており、②「予防のために歯医者に通う」とお答えになった方も多いかと思います。


①「歯が痛くなってから歯医者に行く」では、すでに歯や歯周組織がダメージを受けている可能性があるため、ベストの選択とは言えません(歯科医院に行かないよりは良いですが)。


歯の健康を守るためには、まずは毎日の歯みがき・歯間清掃をしっかり行うことが大切です。セルフケアに加え、痛みや違和感がなくても日頃から定期的に歯科医院に通い、検診と歯のクリーニング(予防のための定期検診)を受けておくことでむし歯や歯周病の進行を防ぎやすくなります。


■予防のために定期的に歯科検診を受けるメリット


予防のために定期的に歯科検診を受けることには以下のようなたくさんのメリットがあります。


メリット①「むし歯や歯周病の早期発見・早期治療につながる」


歯科医院の定期検診では、お口の健康状態のチェックと歯のクリーニング、歯石取りを行います。


{定期検診のメリット}


1年に3~4回程度のペース(※)で定期的にお口の健康状態をチェックすることで、歯や歯ぐき、歯槽骨の異常を察知しやすくなります。お口の異常の察知により、むし歯・歯周病の早期発見・早期治療につながります。


(※)患者様やお口の状態により定期検診のペースが異なります。


むし歯や歯周病を早期発見・早期治療することで病気の進行を抑えやすくなります。早期治療により、重症化した場合と比べて治療時に感じる痛みや治療費が少なく済みます。


メリット②「むし歯や歯周病の進行を防ぎやすくなる」


{歯のクリーニング、歯石取りのメリット}


定期検診の際は検診と併せ、歯のクリーニングも行います。


ご自身の歯みがきでは落とし切れない歯垢、歯石をクリーニング+歯石取りで除去することで歯の清掃状態の改善につながり、むし歯や歯周病の進行を防ぎやすくなります。


メリット③「天然の歯を残す確率を高められる」


歯を失う原因の第1位は歯周病、2位はむし歯、3位は歯根破折です。


歯科医院で定期検診を受けることで、歯を失う可能性があるお口の病気やトラブルをいち早く察知しやすくなります。お口の異常の早期発見により早期治療につながるため、ご自身の天然の歯を残す確率を高められます。


■海外の歯科先進国では予防のための定期検診が浸透しています


◎スウェーデンでは80~90%、アメリカでは70%が予防のために歯科医院に通院

スウェーデンやアメリカなどの海外の歯科先進国では、予防のための定期検診を受ける習慣が浸透しています。


スウェーデンでは大人の80~90%(子どもはほぼ100%)以上、アメリカでは国民全体の70%以上が予防のために歯科医院に通っているとされています。


歯科先進国の人達は歯が痛くなってから歯科医院に行くよりも、予防のために歯科医院に通ってむし歯・歯周病を未然に防ぐことがお口の健康面&医療費の面で優れていることを認識しているのです。


■歯に対する日本人の予防意識の変化


◎8020運動の始まり

「8020運動(はちまるにいまるうんどう)」という言葉があります。これは、「80歳になってもしっかり噛める丈夫な歯(機能歯)を20本残しましょう」というスローガンです。


1989年(平成元年)、当時の厚生省(現在の厚生労働省)と日本歯科医師会によって8020運動が提唱されました。


◎予防のために歯科医院に通う方が増えています

8020運動の提唱や歯に対する意識の変化(健康や美に対する意識の向上)にともない、日本でも予防のために定期的に歯科検診を受ける方が増えています。


2022年に行われた厚生労働省の調査結果では、過去1年間に歯科検診を受けた方の割合が58%となりました(※1)。


1990年代後半では定期検診受診率が10%以下(2~6%)と低かったことを鑑みると、日本人の歯に対する予防意識が大きく向上していると考えられます(※2)。


(※1)厚生労働省歯科疾患実態調査(令和4年)より引用。

(※2)保険福祉動向調査「歯科受診者数(主たる診療内容別)」(1999年)より引用。


1993年には80歳で20本以上の歯が残っている方は10%程度だったのが、予防のための定期検診を受ける方が増えたのにともない、2022年の調査では80歳で20本以上の健康な歯が残っている方が51.6%(80歳の半数以上)にまで達したことが明らかになっています(※3)。


(※3)厚生労働省歯科疾患実態調査(令和4年)より引用。


【歯科医院で定期検診を受け、大切な歯の健康を守りましょう】


昨今はコロナ禍により“歯科医院離れ”が起きていましたが、現在は少しずつ患者様が戻りつつあります。


コロナなどの伝染病を防ぐ意識を持つことは重要ですが、歯に対する健康意識を持つことも大切です。


歯は食べ物を噛むために欠かせない器官です。お肉・お魚・お野菜など、どんな食べ物でもしっかり噛める健康な歯を保ち続けることが全身の健康維持につながります。


かけがえのない大事な歯を守るためにも、毎日のセルフケア(歯みがき+歯間清掃)に加え、1年に3~4回程度のペースで定期的に歯科検診を受けましょう(※)。


(※)患者様やお口の状態により定期検診のペースが異なります。

おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

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