おしむら歯科ブログ BLOG OSHIMURA

生活習慣・食習慣で変えられる「歯の健康」



「毎日、食後に歯みがきをしているのに、むし歯になりやすい…」

「きちんと歯みがきをしていれば、歯医者には行かなくてもイイよね?」


毎日きちんと歯を磨いているのに、むし歯になる…そんなご経験・心当たり、ありませんでしょうか?


歯の健康を守るためには、ご自身で行う毎日の歯みがきがケアの基本です。しかし、歯みがきのみでは、歯の健康は守れません。歯の健康には、毎日の歯みがきに加え、日頃の生活習慣・食習慣も大きく関わってきます。


今回は、生活習慣・食習慣で変えられる「歯の健康」のお話です。


■歯に悪い生活習慣・食習慣とは?


以下のような生活習慣・食習慣がある方は、むし歯・歯周病が進行しやすくなり、歯の健康が悪化する確率が高まります。


① だらだら食べ・だらだら飲みをしている

間食・おやつが多く、常に、何かしらの飲食物を食べている・飲んでいるなど(無糖の水・お茶を除きます)、だらだら食べ・だらだら飲みは歯の脱灰(だっかい:食べ物に含まれる酸やむし歯菌が出す酸で歯のエナメル質が溶けてしまうこと)が起きやすくなります。


だらだら食べ・だらだら飲みをしている方は、歯の脱灰によってエナメル質が常に溶けているような状態です。脱灰により、歯のエナメル質がやわらかくなった状態が常に続くため、歯の奥深くまでむし歯が進行しやすくなってしまいます。


② ジュースやお菓子など、砂糖を多く含む飲食物を摂ることが多い

砂糖や液糖、果糖などの糖分はむし歯菌のえさであり、むし歯菌が活動するためのエネルギー源です。エネルギー源のため、ジュースやお菓子など、砂糖を多く含む飲食物はむし歯菌を活発化させてしまい、むし歯が進行するリスクが高まります。


③ 歯みがきをしない・歯間清掃をしない

あまり歯みがきをしない方は、歯に歯垢・汚れ(糖分を含む食べカスなど)がついた状態が続くため、歯垢の中にひそむむし歯菌・歯周病菌が増えてしまい、むし歯・歯周病が進行しやすくなります。また、歯みがきのみであまり歯間清掃をしない方も、歯と歯のあいだについた歯垢・汚れにより、むし歯・歯周病が進行しやすくなります。


④ 誤った方法による歯みがき

歯みがきをしていても、誤ったブラッシングでは、歯についた歯垢・汚れを十分に落とせません。特に、自己流で歯みがきをしている方は、誤った方法によるブラッシングを行っているケースが多いです。


⑤ 歯科医院の定期検診に行かない

ご自身で行う歯みがき+歯間清掃は、お口の健康を守るための基本のケアです。ただし、歯みがき+歯間清掃のみでは、歯についた歯垢・汚れを十分に落とせません。


歯みがき+歯間清掃のみを行い、歯科医院の定期検診に行かない方は、歯垢・汚れの磨き残しがでやすいです。歯垢の磨き残しに加え、磨き残した歯垢が石灰化してできた歯石により、歯石の下で細菌が増えてしまい、むし歯・歯周病が進行するリスクが高まります。


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上記の5つが、歯の健康を悪くする可能性がある主な生活習慣・食習慣です。ご自身に当てはまるものはありましたでしょうか?


次の項では、歯の健康を改善・維持するための生活習慣・食習慣をご紹介します。


■歯の健康を改善・維持するための生活習慣・食習慣


上記を踏まえ、以下の生活習慣・食習慣を実践することで、歯の健康を改善・維持しやすくなります。


1.1日3食、決まった時間に食べる・飲む(無糖で酸度が低い飲み物はOK)

だらだら食べ・だらだら飲みによる歯の脱灰・むし歯の進行を防ぐためには、1日3食、決まった時間に食べる・飲むことが大切です。


1日に3回の食事を取るときは、5時間以上、食事と食事のあいだの時間を空けて決まった時間に食べる・飲むことで、歯の脱灰を防ぎやすくなると共に、唾液による歯の再石灰化をうながせます。


なお、水やお茶、コーヒー、紅茶など、無糖で酸度が低い飲み物は、1日を通して継続的に飲んでもOKです。牛乳も酸度が低いですが、牛乳には乳糖という糖分が含まれるため、1日を通して継続的に飲む飲料としてはあまり適しません(栄養の面でも牛乳はカロリーが高く、飲み過ぎると肥満につながる可能性があります)。


2.砂糖の摂取はなるべく控える

むし歯の原因になるため、砂糖の摂取はなるべく控えましょう。


WHO(世界保健機関)のガイドラインでは、むし歯を防ぐための砂糖摂取の上限量を「1日につき15~20g以下」としています(※)。


(※)WHO「成人及び児童の糖類摂取量」(2015年)より引用。


3.毎食後、歯みがきをする(最低でも1日1回、夜、寝る前の歯みがきは必ず行う)

毎食後、および、間食やおやつの後は、歯みがきをしましょう。


毎食後の歯みがきが理想ですが、忙しくて時間がない場合やどうしても歯を磨くのがめんどくさいときは、最低でも1日1回、夜、寝る前の歯みがきは必ず行ってください。


4.正しい方法で適切にブラッシングする 歯間清掃も忘れずに行う

正しい方法で適切にブラッシングすることで、歯についた歯垢・汚れを効率的に落としやすくなります。


{歯科衛生士による歯みがき指導を行っています}


おしむら歯科では、歯科衛生士による歯みがき指導を行っています。ご希望の方は歯科医師、または、受付までお申し出ください。


歯間清掃も忘れずに


正しい方法でのブラッシングに加え、歯間清掃も大切です。デンタルフロスや歯間ブラシを用い、歯間清掃も忘れずに行いましょう。なお、歯間ブラシが歯と歯のすき間に入らない場合は、無理に歯間ブラシを使わなくてもOKです(デンタルフロスを使いましょう)。歯と歯のすき間に入らないのに、無理に歯間ブラシを使うと、歯のエナメル質や歯ぐきを傷めるおそれがあります。


5.歯科医院で定期的に検診を受ける

歯の健康を守るためには、ご自身で行う毎日の歯みがき+歯間清掃によるセルフケアに加え、歯科医院で受ける定期検診も欠かせません。歯科医院で定期的に検診を受けることで、むし歯・歯周病などのお口の病気・異常の早期発見・早期治療につなげやすくなります。


お口の状態チェックのほか、定期検診の際に行う歯のクリーニングにより、ご自身の歯みがきでは落とし切れない歯垢・汚れの除去につながり、むし歯・歯周病予防の効率性を高められます。


【生活習慣・食習慣を見直して、歯の健康の改善・維持にアプローチしましょう】


生活習慣・食習慣は歯の健康に大きく関わります。


歯みがきをしているのにむし歯になりやすい方は、この機会に生活習慣・食習慣を見直して、歯の健康の改善・維持にアプローチしましょう。


今回は、生活習慣・食習慣で変えられる「歯の健康」のお話をさせていただきました。次回のブログでは、今回のテーマの一つ「食習慣」に関連する、「歯に良い食べ物・歯に良くない食べ物」についてご説明します。

おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

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