こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。
乳歯が抜けず、大人になっても残ってしまう、大人乳歯。
先月のブログでは、大人乳歯の原因・デメリットのお話をさせていただきました。
今回は、大人乳歯の治療方法をご紹介します。
目次
■大人乳歯の治療方法
◎抜歯をして、人工歯(義歯)で補う治療がメインになります
大人乳歯の原因は様々です。原因は様々ですが、大人乳歯に対しては、残っている乳歯を抜歯し、人工歯(義歯)で補う、以下の治療がメインになります。
1.インプラント
◎ほかの歯を傷つけず、しっかりと食べ物を噛めます
大人乳歯を抜いた後の補綴治療は、インプラントがオススメです。
インプラント治療では、ネジのような形をした人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め入れます。
手術後は、安定性の高い人工歯根により、硬い物や弾力のある物をしっかりと噛んでお食事を楽しめます。
天然の歯の噛む力を100とした場合、インプラントは80~90%程度、噛む力を回復可能です(※)。
(※)平均の数値です。患者様やお口の状態により、
噛む力の回復率が異なる場合があります。
安定性の高さに加え、インプラントは、ほかの歯を傷つけません。ほかの歯を傷つけないため、残っている歯の寿命の延伸にもつながります。
2.ブリッジ
◎入れ歯と比べると安定性が高いですが、隣の歯を削る必要があります
ブリッジとは、失った歯の部分に橋をかけるようにして、人工歯をかぶせる補綴方法です。
むし歯や歯周病などで歯を失い、保険のブリッジで歯を補っている方も多いかと思います。
天然の歯の噛む力を100とした場合、ブリッジは60~80%程度、噛む力を回復可能です(※)。
(※)平均の数値です。患者様やお口の状態により、
噛む力の回復率が異なる場合があります。
固定式のため、ある程度、噛む力を回復可能なブリッジ。取り外し式の入れ歯と比べると安定性が高いブリッジですが、ブリッジには、「隣の歯を削って被せ物をかぶせる」というデメリットも。
歯を削る、という治療の性質により、ブリッジは、被せ物をした歯の寿命が縮まる場合があります。
3.入れ歯
◎古くからある一般的な補綴方法ですが、入れ歯がずれたり外れることも
入れ歯とは、取り外し可能な義歯を装着する補綴方法です。
保険の部分入れ歯では、クラスプと呼ばれる金具を残っている歯にかけ、入れ歯を装着・使用します。
天然の歯の噛む力を100とした場合、部分入れ歯は30~40%程度、噛む力を回復可能です(※)。
(※)平均の数値です。患者様やお口の状態により、
噛む力の回復率が異なる場合があります。
金具で支える、という構造上、部分入れ歯は、インプラントのような手術、ブリッジのような歯を削る治療は行いません。
手術や歯を削る治療を必要としない反面、取り外し式のため、部分入れ歯は使用中にずれたり外れることがあります。特に、保険の部分入れ歯は、金具で支える、という構造上、入れ歯がずれたり外れやすいです(※)。
(※)自費の部分入れ歯の中には、比較的、
ずれや外れが起きにくい物もあります。
■大人乳歯をそのまま残しておく選択肢も
◎むし歯にかかっておらず、歯がグラグラしていない場合は、大人乳歯を残す選択肢もあります
永久歯と比べて、乳歯(大人乳歯を含みます)は、歯質が未成熟でやわらかく、むし歯にかかりやすいです。むし歯のかかりやすさのほか、永久歯と比べて乳歯は歯根が短いため、大人乳歯は歯がグラグラしているケースもあります。
むし歯にかかりやすく、歯がグラグラしているケースもある、大人乳歯。
上記の理由により、大人乳歯は、抜歯をして、歯を補う治療(インプラント・ブリッジ・入れ歯)が一般的です。
抜歯後、歯を補う治療が一般的ですが、むし歯にかかっておらず、歯がグラグラしていない場合は、そのまま、大人乳歯を残して使い続ける選択肢もあります。
{今は大きな支障がなくても、いずれ、大人乳歯は抜け落ちたり問題が起きる可能性が高いです}
むし歯にかかっておらず、歯がグラグラしていない場合は、そのまま、大人乳歯を残して使い続ける選択肢もあります。ただし、永久歯と比べて乳歯は歯質が未成熟なため、大人乳歯は長年の使用に耐えられる構造をしていません。
今は大きな支障がなくても、歯質が未成熟、という性質上、いずれ、大人乳歯は抜け落ちたり問題(むし歯、歯根破折、歯並びの乱れなど)が起きる可能性が高いです。
【大人乳歯でお困りの方はお気軽にご相談ください】
大人乳歯がある場合は、できるだけ早めに歯科医院を受診することで、早期に、適切な治療を行いやすくなります。
乳歯が抜けずに残っている方、大人乳歯でお困りの方は、当院までお気軽にご相談ください。