「親知らずの抜歯前にCT検査を行う理由は?」
こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。
歯列のいちばん奥に生えてくる歯、親知らず。
今回は、「親知らずの抜歯前のCT検査の重要性」について、お話しします。
目次
■親知らずの抜歯前のCT検査が重要な理由
◎親知らずの歯根が下顎の中を通る神経と癒着している場合があります
下顎の親知らずを抜歯する際には、下顎の中を通る神経に注意が必要になります。
理由は、下顎の親知らずの歯根が、下顎の中を通る神経と癒着している(歯根が神経とくっついている)場合があるためです。
親知らずの歯根が神経とくっついている場合、そのままの状態で無理に抜歯を行うと神経を傷つけてしまう可能性も。
神経を傷つけてしまうと、抜歯後に下唇まわりの感覚が麻痺することがあります。
{下唇まわりの感覚の麻痺はいつまで残るの?}
下唇まわりの感覚の麻痺が生じた場合、抜歯後2週間~2ヶ月程度で麻痺が解消されることが多いです。麻痺が解消されることがある一方、神経の損傷が大きい場合は半年~数年~長期間に渡り、麻痺(orしびれ)が残ってしまうケースも。
■親知らずの抜歯前にCT検査を行うことで、抜歯の安全性・精確性を高められます
◎CT検査で、親知らずの形状や神経・血管の位置を立体的に確認
下顎の神経と癒着していることもある、親知らず。
抜歯時に神経・血管を傷つけるなどのリスクを避けるためには、親知らずの抜歯前のCT検査が重要です。
親知らずの抜歯前にCT検査を行うことで、親知らずの歯冠・歯根の形状や神経・血管の位置を立体的に確認できます。
{縦・横に加え、奥行きを確認できるCT検査}
従来のレントゲン検査では、縦・横の平面的な情報しか確認できませんでした。
一方、歯科用CTは縦・横に加え、奥行きを含めて立体的に対象箇所の形状を確認できます。
歯科用CT撮影により、
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親知らずの歯冠・歯根の形状
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下顎の中を通る神経・血管の位置
を立体的に確認することで、親知らずの抜歯の安全性・精確性を高められます。
◎CT撮影で得られた立体的なデジタルデータを基に、抜歯シミュレーションを行います
親知らずの抜歯の安全性・精確性を高めるには、抜歯前のシミュレーションが大切です。
当院では、CT撮影で得られた立体的なデジタルデータを基に、どのように親知らずを抜くか、抜歯シミュレーションを行います。
あらかじめ、抜歯シミュレーションを行っておくことで、抜歯の手順や神経・血管の位置を再度、確認。抜歯時に神経・血管を傷つけるなどの事故が起きるリスクをできるだけ減らしています。
【親知らずでお困りの方はお気軽にご相談ください】
おしむら歯科では、親知らず外来を設けています。
口腔外科医により、歯茎の切開が必要な難抜歯にも対応可能です(※)。
(※)当院にて対応が難しい抜歯については、
高次医療機関へご紹介いたします。
– 抜歯時のストレスを軽減 「静脈内鎮静法」のご案内 –
当院では、ご希望の方に「静脈内鎮静法」による抜歯を行っています。
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親知らずの抜歯が不安
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抜歯に恐怖感がある
など、親知らずの抜歯に不安・恐怖を感じる方は、静脈内鎮静法をご選択いただけます。
静脈内鎮静法とは、点滴にて、静脈内に鎮静作用のあるお薬を注入する鎮静法です。
静脈内鎮静法を行うことで意識がぼんやり・うとうとした状態になり、抜歯時に感じるストレス・恐怖感を軽減できます。
静脈内鎮静法は別途費用が必要です。静脈内鎮静法をご希望の方は、歯科医師までお申しでください。
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なお、静脈内鎮静法の有無に関わらず、抜歯の際は局所麻酔を行います。抜歯時に痛みを感じることはほぼありません。
今回は、「親知らずの抜歯前のCT検査の重要性」について、お話をさせていただきました。
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親知らずのむし歯をくり返している
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親知らずが埋まっている
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親知らずが斜め・横向きに生えている
など、親知らずでお困りの方は当院までお気軽にご相談ください。