進行したむし歯・歯周病などが原因で歯の根に炎症が起き、顔・首の表面まで通じる穴が空く「外歯瘻(がいしろう)」。
外歯瘻に対しては、どのような治療方法があるのでしょうか?どこで、外歯瘻の治療を受ければ良いのでしょうか?
先月のブログにひき続き、今回は「外歯瘻」の治療方法について、ご紹介します。
目次
■外歯瘻の治療方法 一般的な歯科医院で外歯瘻を治せるの?
外歯瘻に対しては、歯科、および、口腔外科が主な診療科目になります。
外歯瘻の炎症が強く、痛みが生じている場合、歯科・口腔外科では痛み止めや抗生物質の飲み薬をお出しし、炎症・痛みを抑えることも。
炎症・痛みを抑えた後は、以下のような流れで外歯瘻の治療を進めていきます。
◎口腔外科機能を持つ歯科医院にて抜歯後、手術が必要になることが多いです
外歯瘻の治療では、まずは、膿の原因となっている感染箇所「歯の根」を取り除くことが第一です。
歯の根の感染箇所を取り除く方法ですが、多くの場合、抜歯になります。
抜歯後は、口腔外科機能を持つ歯科医院(歯科口腔外科)にて、以下のような、感染箇所を取り除く外科的な手術が必要になることが多いです。
[歯科口腔外科での外歯瘻の治療方法 – 抜歯する場合 -]
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抜歯
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歯の根から顔・首の皮膚の表面まで通じている膿のトンネル(外歯瘻管:がいしろうかん)を除去する手術
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顔・首の皮膚の凹みを治すための形成手術
◎抜歯をせず、歯を残すために歯の根の手術を行う場合も
歯を残せる可能性がある場合は、抜歯をせずに歯を残しながら、以下のような歯の根の手術・治療を行うケースもあります。
[歯科口腔外科での外歯瘻の治療方法 – 抜歯をせず、歯を残す場合 -]
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歯根端切除術(手術:感染を起こしている歯の根の周辺を切り取ります)、または、歯根端掻把術(手術:歯の根を切除せず、感染病巣をかき出して除去します)
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根管治療(歯科治療)
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歯の根から顔・首の皮膚の表面まで通じている膿のトンネル(外歯瘻管:がいしろうかん)を除去する手術
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顔・首の皮膚の凹みを治すための形成手術
◎外歯瘻の手術は大がかりになることも少なくありません
「外歯瘻の治療では、手術が必要になることが多い」
と聞き、患者様によっては「大げさだなあ」「手術をせずに、抜歯だけで済ませられないの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
手術がイヤ、というお気持ちはわかるのですが、外歯瘻は原則として、手術が必要になります。
外歯瘻は、単なる歯の根の炎症・おできではないです。
外歯瘻は歯の根の炎症が進み、顎の骨や顔・首の筋肉・皮膚組織に膿のトンネルができてしまった状態を指します。炎症や感染を根本的に改善するには、歯の根の炎症部分の切除、および、膿のトンネルを切除する大がかりな手術になることも少なくありません。
【なかなか治らない顔・首のおできなど、気になる症状があるときはご相談ください】
おしむら歯科では、むし歯をはじめ、さまざまな歯科治療に対応しています。
当院にて抜歯を実施可能な場合もありますが、外歯瘻に対する手術は大学病院など、提携の高次医療機関をご紹介いたします。
放置すると顔・首の形が変わってしまったり、全身の感染症に進行する場合もある、怖い外歯瘻。
外歯瘻の進行を抑えるには、原則として、歯科口腔外科での手術が必要になります。
今回は、歯科口腔外科で行う「外歯瘻の治療」のお話をさせていただきました。
なかなか治らない顔・首のおできなど、気になる症状があるときは当院までご相談ください。