おしむら歯科ブログ BLOG OSHIMURA

インビザライン(矯正治療)で後悔しないために



こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。

当院で採用している矯正治療のひとつに「インビザライン(マウスピース矯正)」があります。

20代~30代の女性の患者様を中心に人気がある矯正ですが、インビザラインは100%安全・成功する矯正方法ではありません。治療を受ける際には慎重にクリニックを選ばないと、矯正が失敗してしまうケースもあります。

今回は「インビザラインで起こり得る失敗」「矯正の治療院選びの大切さ」についてお話をさせていただきます。

■インビザラインの失敗ケース


インビザラインで起こり得る失敗は、主に以下の5つのケースがあります。

①マウスピースの装着時間を守らず、歯があまり動かなかった
②抜歯矯正や重度の歯並びの乱れに対応できず、矯正効果があまり見られなかった
③歯並びは良くなったが、噛み合わせが乱れたままになった
④インビザラインが原因で顎関節症になってしまった
⑤矯正終了時に歯ぐきが下がってしまった


①マウスピースの装着時間を守らず、歯があまり動かなかった

インビザラインは1日あたり20時間以上、マウスピースの装着が必要です。定められた装着時間を守らなかった場合、矯正効果が半減したり、歯があまり動かないことがあります。

≪対策方法≫

インビザラインでは定められた1日の装着時間をかならず守ることが大切です。

②抜歯矯正や重度の歯並びの乱れに対応できず、矯正効果があまり見られなかった

インビザラインをふくめ、マウスピース矯正はマイルドな力をかけて歯を少しずつ動かします。ワイヤー矯正のように強く歯を締めないため、マウスピース矯正は抜歯矯正や重度の歯並びの乱れを治すのにはあまり適していません(※)。そのようなケースでインビザラインだけで治療をしようとすると、うまく歯を動かせずに矯正効果があまり見られないことがあります。

(※)症例によっては抜歯矯正や重度の歯並びの乱れに
インビザラインで対応できる場合もあります。


≪対策方法≫

抜歯矯正や重度の歯並びの乱れにはワイヤー矯正への変更や併用(インビザラインと合わせて治療を行うこと)が必要になることがあります。

③歯並びは良くなったが、噛み合わせが乱れたままになった

インビザラインをふくめ、マウスピース矯正は「上下の歯の噛み合わせを治しづらい」という特徴があります。その理由は、マウスピース矯正は使用するマウスピースが0.5mmほどの厚みがあるため、厚みが邪魔をして上下の噛み合わせを調整しにくいためです。

また、マウスピース矯正は、歯の噛み合わせを整えるのに必要な以下の動きを苦手とします。

・歯を歯ぐき側に押し下げる動き(=圧下:あっか)
・歯を舌側に引っ張り出す動き(=挺出:ていしゅつ)

このため、インビザラインなどのマウスピース矯正では歯並びは整えられるものの噛み合わせは乱れたまま、、、という失敗が起きることがあります。

≪対策方法≫

治療方法をワイヤー矯正へ変更するもしくはワイヤー矯正とインビザラインを併用するなどの対策が必要となります。

症例によっては、アタッチメントという小さなプラスチック製のポッチを歯の表面につけて、インビザラインのみで噛み合わせを整えられる場合もあります。

④インビザラインが原因で顎関節症になってしまった

インビザラインをふくめ、マウスピース矯正はマウスピースの厚みによって「顎関節症」や「奥歯の沈み込み」が起きることがあります。その理由は、矯正期間中、ふだんの生活でお口を閉じている際に、上下のマウスピースの厚み分(0.5mm+0.5mm=1mmの厚み)の高さによって顎関節に負担がかかってしまうためです。

≪対策方法≫

インビザラインが原因で奥歯の沈み込みや顎関節症を発症してしまった場合は、マウスピースの奥歯部分を切り取る調整を行うことがあります。調整をしても沈み込みや顎関節症が改善されない場合にはワイヤー矯正に変更するか、もしくはいったん矯正治療をお休みする場合もあります。

⑤矯正終了時に歯ぐきが下がってしまった

インビザラインをふくめ、すべての矯正治療で起こりやすい失敗(副作用)のひとつに「歯ぐきが下がる」があります。

矯正治療は歯に力をかけて動かすため、刺激を受けた歯槽骨(あごの骨)が薄くなることがあります。歯並びを外側に広げる動きをするときに、特に歯ぐきが下がりやすいです。その理由は、歯槽骨が薄くなることで歯が歯槽骨から外側に向かって飛び出してしまい、歯ぐきが下がってしまうためです。

≪対策方法≫

矯正治療を行うときには「歯並びを歯槽骨の中に収めること」を意識して治療を行う必要があります。歯槽骨の中に歯並びを収めることで歯が外側に飛び出すのを防ぐことができ、歯ぐきが下がる現象を抑えられます。

歯周病の方は矯正治療を行うと歯ぐきが下がりやすいです。歯周病の症状がある場合には矯正治療前にしっかりと歯周病治療を行い、歯周病を治しておくことが大切です。

■おしむら歯科の矯正治療の特徴


おしむら歯科では、以下の5つのポイントにより、矯正治療における失敗やトラブルが起きないように努めております。

Point1.「矯正専門医による専門性の高い矯正治療」

当院では、矯正専門医による専門性の高い矯正治療を行っています。矯正専門医は矯正学を学び、矯正の臨床経験を積んだ“矯正のプロフェッショナル”です。矯正専門医による矯正治療では歯並びはもちろんのこと、あごやお顔の形をふくめた総合的な外観(お顔全体の印象)を整えられるよう、多角的な視点で治療を進めていきます。

Point2.「iTero(3Dスキャナー)を使った口腔内撮影」

当院では3DスキャナーのiTero(アイテロ)を使い、矯正治療を受ける患者様の口腔内を撮影します。iTeroによる撮影は1~2分程度です。iTeroを使うことで患者様の歯並びやあごの形を立体的に撮影でき、精密な矯正治療を行うのに役立ちます。

iTeroによるスキャンは歯の型取りも兼ねています。従来のどろどろしたシリコンや石膏を使った型取りをする必要がなく、快適に歯型取りを行えます。

Point3.「セファロを使った精密な矯正診断」

セファロとは、矯正治療を受ける患者様のお顔の形(あご、歯並び、唇、鼻、おでこの位置など)を数値化できる撮影機器です。セファロ撮影により、あごの形状、歯並びや歯の傾き、唇、鼻、おでこの位置などを数値化して立体的に把握できます。セファロで得られたデータをもとに診断を行うことで、口元だけではなくお顔全体のバランスを考えた矯正治療が可能となります。

Point4.「ワイヤー矯正など、さまざまな選択肢をご提案」

インビザラインだけでは治療がむずかしい場合は、ワイヤー矯正など、ほかの治療方法をご提案いたします。ワイヤー矯正とインビザラインを併用することで治療効果を最大限に引き出せることもあります。ワイヤー矯正を用いることで治療期間の短縮にもつながります。

Point5.「患者様との意識のすり合わせを行う(治療のゴールを共に確認)」

矯正治療を成功させるためには、患者様と歯科医師が「同じゴール(患者様が望む理想の歯並び)」を共有することが大切です。患者様が望む理想の歯並びについて、患者様と歯科医師がお互いに意識のすり合わせをしておくことで治療のゴールを目指しやすくなります。

【歯並びのお悩みは当院までお気軽にご相談ください】


矯正治療の失敗を避け、理想の歯並びを手に入れるためには治療院選びがとても大切です。

インビザラインだけでは治療がむずかしい場合には、ワイヤー矯正へ変更する、または併用する、クリニックの(歯科医師の)柔軟な姿勢が求められます。

おしむら歯科では、患者様のご要望を歯科医師がすべておうかがいし、それぞれの患者様に適した矯正方法をご提案させていただきます。歯並びのお悩みがある方は、当院までお気軽にご相談ください。

おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

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