おしむら歯科ブログ BLOG OSHIMURA

親知らずを残すメリット・デメリット むし歯をくり返している親知らずは抜いた方がイイ?


「「親知らずは抜かない方がイイ」って、聞いたことがあるけど、本当?」


歯列のいちばん奥に生えてくる歯、親知らず(第3大臼歯(8番))


親知らずを抜く・抜かないで迷われている方は少なくありません。


当院のブログでも、これまでに何度か、親知らずについてお話ししてきました。


親知らずは抜かない方がイイのでしょうか?


反対に、


  • むし歯をくり返している親知らず

  • 斜め・横向きに生えている親知らず

  • 歯の一部or歯全体が埋まっている親知らず


など、「抜くべき親知らず」を抜かないデメリットは?気になる方も多いかと思います。


今回は、「親知らずを残すメリット」「抜くべき親知らずを抜かないデメリット」を掘り下げてみましょう。


■親知らずを残すメリット


◎まっすぐ歯が生えており、しっかり磨けている親知らずは残すことでメリットが得られる場合があります

「親知らずは抜かない方がイイ」


本当なのでしょうか?


実は、親知らずを残しておくことにはメリットも。


  • まっすぐ生えており、しっかり磨けている親知らず(清掃性が良く、むし歯・歯周病にかかっていない親知らず)


は、親知らずを残すことで、以下のようなメリットを得られる場合があります。


1.噛む力を助けやすくなる

親知らずを残すことで、親知らずを抜いた場合と比べて、噛む力を助けやすくなるメリットがあります。


2.マウスピース矯正において、歯を動かすための固定源にするor抜歯した奥歯のすき間を埋める歯として利用できる可能性がある

インビザラインなどのマウスピース矯正では、


  • 歯を動かす際に、親知らずを固定源にする

  • 抜歯した奥歯のすき間を埋める歯として、親知らずを利用する(抜歯した奥歯のすき間に親知らずを移動させる)


上記のように、親知らずを矯正治療に利用できる可能性があります。


なお、昔ながらのブラケット矯正では、親知らずを矯正治療に利用することはあまりありません。ブラケット矯正は固定式の矯正装置を用いる性質上、清掃性の問題などから親知らずを抜いた上で矯正治療を行うことが多いです。


マウスピース矯正で利用できる可能性がある、親知らず。


マウスピース矯正をご検討中の方で、親知らずが残っている場合は、親知らずを抜く前に、矯正治療を担当する歯科医師に「親知らずを抜歯した方が良いかor残した方が良いか」を相談しておきましょう。


3.ブリッジ・部分入れ歯の支えの歯として利用できる可能性がある

親知らずの一つ前の奥歯(第2大臼歯、7番)を失った場合、親知らずを残すことで、歯を補う際にブリッジ・部分入れ歯の支えの歯として親知らずを利用できる可能性があります。


4.歯の移植に利用できる可能性がある

奥歯を失ったとき、親知らずを、失った箇所の奥歯の移植に利用できる可能性があります。


5.親知らずの抜歯で起こり得るお口周りの感覚の麻痺・抜歯窩の細菌感染のリスクを回避できる

親知らずを残すことで、親知らずの抜歯時に起きることがある


  • お口周りの感覚の麻痺

  • 抜歯窩の細菌感染


のリスクを回避できます。


■抜くべき親知らずを抜かないデメリット 抜くべき親知らずを放置するとどうなる?


  • むし歯をくり返している親知らず

  • 斜め・横向きに生えている親知らず

  • 歯の一部or歯全体が埋まっている親知らず


など、「抜くべき(抜いた方が良い)親知らず」を抜かない場合、以下のようなデメリットが生じるおそれがあります。


1.親知らずや親知らずの一つ前の奥歯が、重度のむし歯・歯周病になるおそれがある

  • 斜め・横向きに生えている親知らず

  • 歯の一部が顔を出している親知らず


上記のような親知らずは磨きにくいことが多く、むし歯・歯周病が進行しやすい傾向が見られます。


親知らずのみならず、上記のような親知らずの影響で親知らずの一つ前の奥歯(第2大臼歯、7番)が重度のむし歯・歯周病になるケースも少なくありません。


2.親知らずor親知らずの一つ前の奥歯のむし歯・歯周病に伴い、口臭が生じやすくなるおそれがある

親知らずor親知らずの一つ前の奥歯のむし歯・歯周病が進行すると、むし歯・歯周病に伴い、口臭が生じやすくなるおそれがあります。


3.全体の歯並び・噛み合わせが乱れるおそれがある

斜め・横向きに生えている親知らずは、一つ前の奥歯(7番)を押しているケースが多く見られます。


斜め・横向きに生えている親知らず(8番)が一つ前の奥歯(7番)を押す→7番の奥歯が6番の奥歯を押す→6番が5番の歯を押す…


上記のように「ドミノ倒し」的な状態になり、斜め・横向きに生えている親知らずが原因で全体の歯並び・噛み合わせが乱れる場合も。


【親知らずの抜歯をご検討中の方は、お気軽にご相談ください】


今回は、「親知らずを残すメリット」「抜くべき親知らずを抜かないデメリット」を掘り下げてみました。


なお、「親知らずを抜くタイミング」については、ブログにてご説明しています。親知らずの抜歯をご検討中の方は、当記事と併せて、リンク先の記事をご参照いただければ幸いです。


– おしむら歯科の「親知らず外来」のご紹介 –


おしむら歯科では、親知らず外来を設けています。

口腔外科医により、歯茎の切開が必要な難抜歯にも対応可能です(※)。


(※)当院にて対応が難しい抜歯については、
高次医療機関へご紹介いたします。


– 抜歯時のストレスを軽減 「静脈内鎮静法」のご案内 –


当院では、ご希望の方に「静脈内鎮静法」による抜歯を行っています。


  • 親知らずの抜歯が不安

  • 抜歯に対して恐怖感がある


など、親知らずの抜歯に不安・恐怖を感じる方は、静脈内鎮静法をご選択いただけます。


静脈内鎮静法とは、点滴にて、静脈内に鎮静作用のあるお薬を注入する鎮静法です。


静脈内鎮静法を行うことで意識がぼんやり・うとうとした状態になり、抜歯時に感じるストレス・恐怖感を軽減できます。


静脈内鎮静法は別途費用が必要です。静脈内鎮静法をご希望の方は、歯科医師までお申しでください。


おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

⇒院長の経歴はこちら