おしむら歯科ブログ BLOG OSHIMURA

むし歯になりやすい人・なりにくい人がいるのは、なぜ? むし歯のなりやすさは遺伝・体質が関係しているの?


「ちゃんと歯を磨いているんだけど、むし歯になることが多い…」

「むし歯になりやすい人・なりにくい人がいるのは、なぜ?」


進行すると、眠れないほど歯が痛むこともある、むし歯。


むし歯の進行を抑えるためには、ご自身で行う毎日の歯磨き+歯間清掃(セルフケア)が基本です。


セルフケアが基本ですが、歯磨きや歯間清掃の有無に関わらず、実は、「むし歯になりやすい人・なりにくい人」が存在します。


同じように歯を磨いていても(or歯を磨かなくても)、むし歯になりやすい人・なりにくい人がいるのです。


上記のように聞くと「なぜ?不公平じゃん そんなの!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。


どのような理由(因子)で、むし歯になりやすい・なりにくいが左右されるのでしょうか?

今回は、「むし歯になりやすい人・なりにくい人」のお話です。


■むし歯になりやすい人・なりにくい人の違い どんな要素がむし歯のなりやすさを左右するの?


むし歯になりやすい人・なりにくい人の違い。

以下のような要素(因子)が、むし歯になりやすい・なりにくいを左右するとされています。


1.砂糖の摂取量

砂糖の摂取量が多い方はむし歯になりやすいです。

一方、砂糖の摂取量が少ない方はむし歯になりにくい傾向が見られます。


2.あまり歯磨きをしないor間違ったやり方で歯磨きを行っている

  • あまり歯磨きをしない

  • 間違ったやり方で歯磨きを行っている


方は歯垢・食べかすなどの磨き残しが出やすく、むし歯になりやすいです。


一方、


  • 朝・昼・晩の食事の後+間食後、こまめに歯を磨いている

  • 正しい方法で歯磨きを行っている


方はむし歯になりにくい傾向が見られます。


3.唾液の量

  • 口腔乾燥症(ドライマウス)

  • ストレスを抱えている

  • 糖尿病などの持病がある

  • お薬の副作用がある

  • 遺伝・体質(4.で後述します)


上記のような原因により、唾液の分泌が少ない方はお口の中が乾燥しがちになり、むし歯になりやすいです(唾液による口腔内の自浄作用が薄れてしまう)。


一方、唾液の分泌が多い方は、


  • 唾液の自浄作用(歯についた細菌・食べかすを洗い流す作用など)

  • 唾液の緩衝作用(お口の中の酸を中和する作用)


が働きやすく、むし歯になりにくい傾向が見られます。


なお、唾液の量に加え、唾液の質もむし歯のなりやすさ・なりにくさに関係する大きな要素です(唾液の質については、次の4でお伝えします)。


4.遺伝・体質(唾液の量・唾液の質、歯の形、歯のエナメル質の厚さ、細菌叢など)

以下のような遺伝(生まれつきの要素)・体質が、むし歯のなりやすさ・なりにくさに関係しているとされています。


唾液の量


遺伝・体質により、唾液の分泌が少ない方はお口の中が乾燥しやすく、むし歯になりやすいです。


一方、遺伝・体質により、唾液の分泌が多い方は唾液の自浄作用・酸の緩衝作用が働きやすく、むし歯になりにくい傾向が見られます。


唾液の質


実は、唾液の質もむし歯のなりやすさ・なりにくさと関係が。


唾液が持つ、「お口の中の酸を中和する能力」を唾液緩衝能(だえきかんしょうのう)と呼びます。


遺伝・体質により、唾液緩衝能が低いと、むし歯菌が出す酸や食べ物に含まれる酸を中和しにくく、むし歯になりやすい(歯が溶けやすい)です。


一方、遺伝・体質により、唾液緩衝能が高い方はお口の中の酸を中和しやすく、むし歯になりにくい傾向が見られます。


歯の形


  • 歯の噛み合わせ面の溝が深い(通常よりも溝が深め)

  • 歯の噛み合わせ面の凹凸が大きい(通常よりも凹凸が大きめ)


遺伝・体質により、上記のような歯の形の方は、溝の中や凹凸の周辺に歯垢・食べかすが残りがちになり、むし歯にかかりやすい傾向が見られます。


歯のエナメル質の厚さ


遺伝・体質により、歯のエナメル質が薄い方はエナメル質の表面から歯の神経までの距離が短くなり、むし歯が重度に進行しやすいです。


一方、遺伝・体質により、歯のエナメル質が厚い方や硬い方は、むし歯が重度に進行しにくい傾向が見られます。


細菌叢


細菌叢(さいきんそう)とは、


  • 悪玉菌(むし歯菌・歯周病菌など)

  • 善玉菌(乳酸菌(歯に良い作用があるとされる種類の乳酸菌)など)


など、「細菌の集団」を指す言葉です。


  • 遺伝

  • 体質

  • 環境(3歳頃までに親御さんからの口移しを介して、お子さんにむし歯菌がうつったなど)


により、お口の中の細菌叢に悪玉菌が多い方はむし歯にかかりやすいとされています。


一方、


  • 遺伝

  • 体質

  • 環境(唾液感染を避け、3歳頃まで、お子さんにむし歯菌をうつさない取り組みを行った)


により、お口の中の細菌叢に善玉菌が多い方はむし歯菌が繁殖しにくく、むし歯にかかりにくい傾向が見られます。


5.歯並びの乱れ

歯並びが乱れている方は隅々まで歯ブラシを行き届かせにくく、歯垢・食べかすが残りやすいです。実際、歯並びが乱れている方は、むし歯になるケースが少なくありません。


一方、歯並びが良い+適切な方法でこまめに歯を磨いている方は隅々まで歯ブラシを行き届かせやすく、むし歯になりにくい傾向が見られます。


【むし歯の進行を抑えるには、砂糖の摂取を控え、セルフケア&プロケアを継続することが大切】


「むし歯になりやすい人・なりにくい人の違い」について、お話をさせていただきました。


少し、お話が長くなってしまいましたが、むし歯のなりやすさ・なりにくさは様々な要素(因子)が関係していることに、驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?


様々な要素がありますが、むし歯の進行を抑えるために大切なポイントは以下の3つです。


[むし歯の進行を抑えるために大切な3つのポイント]


  1. できるだけ、砂糖の摂取を控える

  2. 毎日、適切な磨き方で飲食後に歯を磨く+就寝前など、最低でも1日1回歯間清掃をする(セルフケア)

  3. 定期的に歯科医院で検診(定期検診)を受ける(プロケア)


ふだんの生活では上記の3つを心がけ、むし歯から歯を守りましょう。

おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

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