こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。
以前、ブログにて「赤ちゃんや小さなお子さまに行う仕上げ磨き」についてご紹介し、保護者様からご好評をいただきました。今回はお子さまご自身で行う「自分みがき」についてご説明します。
目次
■お子さまが「1歳半ごろ」になったら自分みがきをスタート
◎まずはお子さまに歯ブラシを持たせてみましょう
自分みがきはお子さまがスプーンを持てる1歳半ごろがスタートの目安です。まずは、お子さまに歯ブラシを持たせてみましょう。
最初は歯磨きの真似ごとでかまいません。保護者様がとなりで歯を磨いてみせてあげ、お子さまに「いっしょにやってみよう」と真似させてみてください。
お子さまに歯磨きをみせてあげるときには、TVやDVD、動画サイトなどの「歯磨きソング」を活用すると、自分みがきの時間を楽しみやすくなります。小さなお子さまの自分みがきは磨き方よりも、まずは「歯磨きを楽しめるようになること」が大切です。
~お子さまが自分みがきをしているときはそばで保護者様が見守る~
小さなお子さまは、自分みがき中に歯ブラシでお口の中を傷つけてしまう可能性があります。お子さまが自分みがきでブラッシングするときにはそばで保護者様が見守ってあげてください。
小さなお子さま用のやわらかいハンドルでできた歯ブラシを持たせてあげると、お口の中を傷つけにくくなります。歯ブラシの毛の硬さは「やわらかい」または「ふつう」の物を使ってください。
◎「うがい」の練習も忘れずに
自分みがきをスタートしたら、お子さまにうがいの練習もさせてください。となりで保護者様が水をふくみ、ブクブクしてペッと吐き出す様子を見せてあげましょう。お子さまにブクブクうがいを見せるときには保護者様がほっぺたをプーっとふくらまして、オーバーリアクションでやってあげるとお子さまも真似しやすくなります。
■3~8歳の自分みがき
◎「歯の噛み合わせ面」と「歯の外側」磨きを始めましょう
お子さまが乳歯が生えそろう3歳ごろになったら、しっかりした自分みがきを少しずつ身につけさせましょう。
もちろん、この年齢のお子さまはまだしっかりとした自分みがきはできません。最初は「歯の噛み合わせ面」と「歯の外側」をお子さまご自身で磨けるようにします。
~「こんにちは」「さようなら」で歯ブラシの持ち方を教えてあげましょう~
お子さまが3歳ごろになったら、歯ブラシの持ち方を教えてあげましょう。以下の「こんにちは」「さようなら」で持ち方を教えてあげると、歯の面に合わせてうまく歯ブラシを動かせるようになります。
「こんにちは」の歯ブラシの持ち方・・・歯ブラシの毛先の面が自分を向くように持ちます。
「さようなら」の歯ブラシの持ち方・・・歯ブラシのヘッドの背面が自分を向くように持ちます。
[「こんにちは」と「さようなら」を使ったブラッシングの仕方]
下の歯の噛み合わせ面は、「こんにちは」。
上の歯の噛み合わせ面は、「さようなら」。
上下の歯の外側は、「こんにちは」。
下の歯の裏側は「こんにちは」。
上の歯の裏側は「さようなら」。
お子さまが歯の噛み合わせ面と歯の外側を磨けるようになったら、歯の裏側も磨かせてみてください。
歯の裏側は前歯の裏に歯ブラシを縦に入れて磨いたり、歯の裏の奥歯に対して斜めに歯ブラシを入れて磨くなど、少々むずかしいです(歯の裏側の磨き方は次の「9~12歳の自分みがき」でお教えします)。
お子さまが歯の裏側をうまく磨けない場合は、最初は歯の裏側に対して歯ブラシを横に動かす方法でもかまいません。まずは横磨きでも良いのでお子さまに歯の裏側を自分で磨かせ、様子を見て少しずつ保護者様が歯の裏側の縦・斜め磨きを教えてあげてください。
■9~12歳以降の自分みがき
◎本格的な歯磨きのスタートです
お子さまが9歳以上になったら、いよいよ、本格的な歯磨きを始めます。
[9~12歳以降の自分みがきの仕方(正しいブラッシング方法(※))]
ポイント①「歯ブラシはペンを持つように軽い力で持つ」
ポイント②「歯1~2本に対して10~20回程度歯ブラシを往復させ、小刻みに磨く」
ポイント③「生えてきたばかりで高さが低い奥歯の噛み合わせ面は、歯列の外側から歯ブラシを斜めに入れて磨く」
ポイント④「前歯の裏側は歯ブラシを縦に、奥歯の裏側は歯ブラシを斜めに入れて磨く」
ポイント⑤「歯の外側を横磨きで磨いたあとは仕上げにもう一度、歯の外側に対して楕円を描くように歯ブラシを大きく回しながら磨く(フォーンズ法)」
(※)一例です。ブラッシングにはさまざまな方法があります。
~自分で行うデンタルフロスも始めましょう~
9歳になったらデンタルフロスを使い、お子さまご自身で行う歯間清掃を始めましょう。ただし、まだこの年齢のお子さまは通常の糸だけのタイプのデンタルフロスはお口の中を切ってしまうおそれがあります。お子さまがご自身で使うデンタルフロスは子ども用のハンドルタイプの物がおすすめです。
歯間清掃を行うときは、ハンドルタイプのデンタルフロスの糸を歯と歯のあいだに静かに挿し入れ、フロスの糸を左右に動かしながら舌側にひきあげて歯の隣接面の汚れを落としてください。
■保護者様の仕上げ磨きも必須です
◎お子さまが9歳ごろまでは保護者様が仕上げ磨きをしてあげてください
お子さまが9歳ごろまでは保護者様の仕上げ磨きが必須です。小さなお子さまはまだしっかりと自分で歯を磨けません。お子さまが自分みがきをするときは保護者様が様子を見守り、最後に保護者様による仕上げ磨きを行ってください。
デンタルフロスについては、2歳までは不要です。乳歯が生えそろう3歳以降になったら、仕上げ磨きの際にデンタルフロスを使ってお子さまの歯と歯のあいだの汚れや歯垢をとりのぞいてあげてください。
【子どものうちからの自分みがきで将来の歯の健康につなげましょう】
「3つ子の魂、百歳まで」ということわざがあります。小さなころに覚えた正しいブラッシング方法は何歳になっても覚えているものです。
小さな子どものうちから自分みがきの習慣を身につけさせることで、お子さまの中にお口の健康意識がつく効果を期待できます。正しいセルフケアの習慣が身につくと一生にわたって歯の健康を保ちやすくなり、歯を残せる確率が高くなります。
おしむら歯科では、お子さまの自分みがきや保護者様の仕上げ磨きの仕方を歯科衛生士がお教えする「歯磨きアドバイス」を行っています。ご希望の方は、ご来院の際にお気軽にお申し出ください。