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乳歯の裏から永久歯が生えてきた!様子見と抜歯の判断基準を解説

乳歯の裏から永久歯が生えてきた!様子見と抜歯の判断基準を解説

■仕上げ磨きで気づいた「二枚歯」、まず知ってほしいこと


「乳歯がまだ残っているのに、裏側から白い永久歯がのぞいている……」


お子さまの口の中を見て驚いた方も多いのではないでしょうか。「様子を見ていいの?」「すぐ受診すべき?」と迷うのも当然です。


本記事では、二枚歯の原因から受診の判断基準、家庭でできるケアと避けたい行動までをコンパクトにまとめました。


この記事の要点まとめ

  • 乳歯の裏から永久歯が生える「二枚歯」は、顎のスペース不足や萌出方向のずれが主な原因とされている
  • 乳歯のグラつき具合や経過期間を目安に、様子見か受診かを歯科医師に相談しながら判断することが大切
  • 受診までの間はタフトブラシでケアし、乳歯を無理に動かす行為は控えることが望ましい

■乳歯が抜ける前に永久歯が生えてくる「二枚歯」の原因と放置リスク

■乳歯が抜ける前に永久歯が生えてくる「二枚歯」の原因と放置リスク

◎永久歯が裏側から生える仕組み―乳歯の歯根吸収が遅れる理由


本来、永久歯は乳歯の真下でゆっくり成長し、乳歯の根を少しずつ吸収しながら押し上げていきます。


ところが顎のスペースが十分でなかったり、永久歯が生えてくる方向がずれていたりすると、乳歯の根がうまく吸収されないことがあります。


その結果、永久歯が内側からひょっこり顔を出す二重歯列——いわゆる「二枚歯」の状態になるケースがあるのです。生え変わりの時期に起こりやすく、特に下の前歯で多く見られる現象です。


◎二枚歯をそのままにしておくと起こりうる3つの問題


二枚歯の状態が長引くと、以下のような影響が出てくる場合があります。


  • 歯並びの乱れ: 永久歯が本来の位置へ移動しにくくなり、ガタつきにつながることがあります

  • むし歯リスクの上昇: 乳歯と永久歯が重なった部分は歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まりやすい状態です

  • 噛み合わせへの影響: 永久歯がずれた位置のまま固定されると、上下の歯がうまく噛み合わなくなる場合があります

■「様子見でよいケース」と「早めに抜歯すべきケース」の判断基準

■「様子見でよいケース」と「早めに抜歯すべきケース」の判断基準

◎経過観察で問題ないケース―乳歯のグラつきと永久歯の位置で見極める


次の条件に当てはまる場合、経過観察で問題ないことが多いとされています。


  • 乳歯がすでにグラグラし始めている
  • 永久歯が乳歯のすぐ裏(ほぼ真後ろ)に出てきている
  • 気づいてから2〜3週間程度

このような場合、乳歯が抜けたあとに、舌や口まわりの筋肉の働きで永久歯が徐々に正しい位置へ整っていくことがあります。


ただし1〜2ヶ月経っても変化が見られないようであれば、一度歯科医師に相談してみてください。


◎早めの受診をおすすめするケース―乳歯が動かない・永久歯が大きくずれている場合


一方、以下のような状態であれば早めに受診されることをおすすめします。


  • 1〜2ヶ月経過しても乳歯にグラつきがまったくない
  • 永久歯が乳歯から大きく内側にずれた位置から生えている
  • 永久歯がすでに半分以上見えているのに乳歯が動かない

乳歯の抜歯は保険適用で対応できるケースが多いため、費用面で過度に心配する必要はありません。


当院ではお子さまの不安に配慮し、必要があれば表面麻酔を十分に効かせてから処置を行っています。痛みへの配慮を大切にしていますので、お気軽にご相談ください。


■受診までに家庭でできる正しいケアと意外な避けたい行動


◎二枚歯の重なり部分はタフトブラシで磨く―仕上げ磨きのコツ


乳歯と永久歯が重なっている部分には、普通の歯ブラシだけでは毛先が届きにくいことがあります。


そこで活躍するのがタフトブラシ(毛束がひと房だけの小さなブラシ)です。


重なりの隙間にタフトブラシの先をそっと差し込み、小さく動かして汚れをかき出してみてください。仕上げ磨きの最後にひと手間加えるだけで、むし歯リスクを抑える効果が期待できます。


◎「自分で乳歯を揺らして抜く」は避けたい行動


「早く抜いてあげたい」という気持ちから、つい次のような行動をしてしまうケースがあります。


  • 指や糸で乳歯を無理に引っ張る
  • 硬い食べ物を積極的に噛ませて抜こうとする
  • グラグラしていない乳歯を何度も揺らす

こうした行為は歯ぐきや歯根を傷つけたり、感染リスクを高めたりする可能性があるため、控えるようにしましょう。


◎将来の歯並びへの影響と小児矯正が必要になるケースの目安


二枚歯が自然に解消しても、永久歯がきちんとした位置に生えないケースは珍しくありません。歯並びに乱れが気になる場合は、顎の成長が活発な小学校低〜中学年のうちに小児矯正を検討するのも一つの選択肢です。


当院ではお子さまの成長段階に合わせたご相談をお受けしています。気になったタイミングで早めにご相談いただくことで、対応の幅が広がります。


■よくある質問

Q. そのままにしておくとどうなりますか?

A. 永久歯が本来の位置に収まりにくくなり歯並びが乱れたり、重なり部分に汚れが溜まってむし歯リスクが高まったりする可能性があります。経過観察の期間を決めたうえで様子を見ることが大切です。


Q. 乳歯の抜歯は痛いですか?子どもが怖がっています。

A. 小児歯科では表面麻酔や声かけなど、お子さまの不安をやわらげる工夫をするのが一般的です。処置自体は短時間で終わることがほとんどですので、過度に心配しなくても大丈夫ですよ。


押村侑希

歯科医師


おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック

院長

押村侑希

▶ 監修者プロフィール

経歴
2001年 南山高校女子部卒業
2007年 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
2017年 日本成人矯正歯科学会認定専門医コース修了(2年)
2018年 Dr John flutter(ブリスベン開業)診査診断コース修了
2019年 おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック院長就任
2020年 愛知県歯科医師会食育推進委員、ユマニテク歯科衛生士専門学校非常勤講師
2023年 愛知県歯科医師会調査室参与
資格・所属学会
日本顎咬合学会認定医
日本成人矯正学会会員
日本摂食嚥下リハビリテーション学会会員
メタルフリー歯科学会 認定医