「むし歯でもないのに冷たい・熱い物が歯にしみる」
「噛んだときに歯が痛い」
「原因不明の頭痛や肩こりが治らない」
このような症状をお持ちの方はいらっしゃいませんでしょうか?上記の症状がある場合、歯ぎしり・食いしばりの癖が原因でお口や身体の異常がひき起こされている可能性があります。
今回はお悩みの方も多い「歯ぎしり・食いしばり」の治療やケア方法についてご説明します。
目次
■歯ぎしり・食いしばりとは
歯ぎしりとは、上下の歯をこすり合わせたりカチカチと鳴らしてしまう癖です。
食いしばりとは、上下の歯を噛みしめる癖を指します。
どちらも、ご自身では気づかず無意識に行っている場合が多いです。起きているときのほか、就寝中に歯ぎしりや食いしばりをしてしまう方も少なくありません。
■歯ぎしり・食いしばりの疑いがある症状
歯ぎしり・食いしばりの癖があると大きな負担が歯やあごにかかってしまい、以下のようなさまざまな症状をひき起こすことがあります。
≪お口やあごの症状≫
1.むし歯ではないのに冷たい・熱い物がふれると歯がしみる・歯が痛む
2.むし歯や歯周病ではないのに噛んだときに歯が痛む
3.歯が欠けた・割れた・すり減った
4.詰め物や被せ物が欠けた・割れた
5.歯がぐらぐらする・歯ぐきから膿が出る
6.口を開けたり発音するときに顎関節にひっかかりを感じる
7.顎関節から音がする・顎関節が痛む
8.歯周病が悪化した
≪全身の症状≫
1.頭痛・肩こり
2.首・背中・腰の痛み
■歯ぎしり・食いしばりの癖がおよぼすお口やあごへの悪影響
1.むし歯ではないのに冷たい・熱い物がふれると歯がしみる・歯が痛む
歯ぎしり・食いしばりの癖があると過剰な負荷によって歯のエナメル質がひび割れてしまうことがあります。エナメル質がひび割れると歯の神経に近い象牙質に刺激が伝わりやすくなり、冷たい・熱い物が歯にふれたときにしみたり痛みを感じやすくなります。
2.むし歯や歯周病ではないのに噛んだときに歯が痛む
むし歯や重度の歯周病ではないのに噛んだときに歯が痛む場合は、歯ぎしり・食いしばりの癖によって歯根が割れている可能性があります(歯根破折:しこんはせつ)。
3.歯が欠けた・割れた・すり減った
特に心当たりがないのに歯が欠けたり・割れた・すり減った場合は、歯ぎしり・食いしばりの癖が歯にダメージを与えている可能性があります。
4.詰め物や被せ物が欠けた・割れた
レジンやセラミック製の詰め物や被せ物が欠けた・割れた場合は、歯ぎしり・食いしばりの癖が補綴物にダメージを与えている可能性があります。
5.歯がぐらぐらする・歯ぐきから膿が出る
重度のむし歯や重度の歯周病ではないのに歯がぐらぐらする・歯ぐきから膿が出る場合は、歯ぎしり・食いしばりの癖によって歯根破折(歯根が割れる)が起きている可能性があります。
歯根が破折すると歯がぐらぐらしたり、歯ぐきの側面にプクッと膿のおでき(フィステル)ができることがあります。むし歯治療などで神経を抜いた歯や、事故などで神経が死滅した歯は歯根破折が起きやすいです。
6.口を開けたり発音するときに顎関節にひっかかりを感じる
口を開けたり発音するときに顎関節にひっかかりを感じる場合は、歯ぎしり・食いしばりの癖によって顎関節症を発症し、あごの関節がずれている可能性があります。
7.顎関節から音がする・顎関節が痛む
口を開け閉めするときに顎関節から音がする・顎関節が痛む場合は、歯ぎしり・食いしばりの癖によってあごの関節に負担がかかり顎関節症を発症している可能性があります。
8.歯周病が悪化した
毎日しっかりと歯みがきし、歯科医院で歯のクリーニングを受けているのに歯周病が悪化した場合は、歯ぎしり・食いしばりの癖によって非プラーク性の歯周疾患が進行している可能性があります。
非プラーク性の歯周疾患とは、噛み合わせの乱れや歯ぎしり・食いしばりなど、異常に強い噛み合わせの力によって発症する歯周病です。非プラーク性の歯周疾患では噛み合わせの乱れによるアンバランスな力や歯ぎしり・食いしばりによる過剰な負荷が原因で歯や歯ぐき、歯槽骨がダメージを受けてしまい歯周病が悪化することがあります。
■歯ぎしり・食いしばりの癖がおよぼす全身への悪影響
1.頭痛・肩こり
歯ぎしり・食いしばりの癖は顎関節のほか、頭蓋骨周りの筋肉を緊張させて頭痛の原因になることがあります。顎関節周りの筋肉の緊張が首、肩におよんで肩こりを発症するケースもあります。
2.首・背中・腰の痛み
歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は噛み合わせが乱れていることがあります。噛み合わせが乱れていると顎関節周りの筋肉、および、全身に対する力のかかり方がアンバランスになってしまい、筋肉や骨格のバランスが崩れて首・背中・腰に痛みを生じるケースがあります。
■歯ぎしり・食いしばりの治療・ケア方法
◎歯ぎしり・食いしばりの原因を知ることで治療・ケアを行いやすくなります
歯ぎしり・食いしばりをひき起こす原因はストレスが大きく関係していると言われています。
ストレスのほか、片側だけで噛む、しゃくるように飲むなど、誤ったお口の使い方が原因でお口周りの筋肉バランスが崩れてしまい、歯ぎしり・食いしばりの癖がひき起こされることもあります。
歯ぎしり・食いしばりの癖を治すには、癖をひき起こす原因を知ることが大切です。原因を知り、原因に合わせた治療・ケアを行うことで癖の解消、および、お口や身体にかかるダメージの緩和につながります。
≪治療方法≫
①ストレスに対する治療を行う
②正しいお口の使い方を身につける
≪ケアの仕方≫
①ストレスをためないようにする
②ナイトガードを装着する
≪治療方法≫
①ストレスに対する治療を行う
歯ぎしり・食いしばりの癖はストレスが原因でひき起こされることが少なくありません。ストレスが原因のケースにおいては、症状によっては心療内科や精神科での治療が必要になる場合も。
②正しいお口の使い方を身につける
片側の歯だけで噛む、しゃくるように飲むなど誤ったお口の使い方が原因でお口周りの筋肉バランスが崩れてしまい、歯ぎしり・食いしばりの癖が起きることがあります。
誤ったお口の使い方が原因で歯ぎしり・食いしばりの癖が起きている場合は、口腔筋機能療法(MFT)などのトレーニングにより正しいお口の使い方を身につけることで癖の改善につながります。
≪ケア方法≫
①ストレスをためないようにする
歯ぎしり・食いしばりの癖はストレスが関係しているケースが少なくありません。ストレスをゼロにするのはむずかしいかもしれませんが、日頃の生活では以下の点を意識し、なるべくストレスをためないようにすることが大切です。
・小さなことは気にしない
・睡眠時間を長くとる
・気晴らしできるスポーツや趣味を行う(ギャンブルなど大金を使うものはかえってストレスがかかりやすいためNG)
②ナイトガードを装着する
歯ぎしり・食いしばりの癖によって歯や歯ぐき、歯槽骨にダメージを受けている場合は、歯科医院で作製するナイトガード(マウスピース)を装着することで就寝中の歯ぎしり・食いしばりからお口を守りやすくなります。
【歯ぎしり・食いしばりの癖がある方はおしむら歯科へご相談ください】
おしむら歯科では歯ぎしり・食いしばりの癖がある方に治療、および、ケアを行っています。正しいお口の使い方に導く口腔筋機能療法(MFT)のほか、ナイトガードはオーダーメイドによりそれぞれの患者様の歯やあごに合わせてマウスピースをお作りします。
むし歯や重度の歯周病ではないのに歯がしみる・歯が痛い、歯がグラグラする、原因不明の頭痛や肩こりが続いている、などの症状がある場合は当院までご相談ください。
初診では現在のお悩みをお伺いした上で噛み合わせや歯並び、顎関節の状態をチェックします。チェックの結果、お口に原因がある場合は歯科治療、および、適切なケアを行い歯ぎしり・食いしばりの癖の改善、症状の緩和にアプローチいたします。