おしむら歯科ブログ BLOG OSHIMURA

【進行段階別】歯周病治療の内容


歯を失うこともある怖いお口の病気、歯周病。歯周病は歯を失う原因の第1位です(※)。多くの方が、歯周病が原因で歯を失っています。


(※)公益財団法人8020推進財団「第2回

永久歯の抜歯原因調査」(2018)より引用。


歯周病の進行を抑えるためには、毎日のセルフケア(歯みがき+歯間清掃)に加え、歯科医院で定期的に歯周病メンテナンス(お口の検診+歯のクリーニング)を受けることが大切です。


ケアをしっかり継続して進行を抑えることが大切ですが、歯周病が進行してしまったときは進行段階に合わせて適切な治療を行うことで、歯・歯周組織の状態改善につなげていきます。


今回は、歯周病の進行段階に合わせて行われる、歯周病治療の内容をご紹介します。


■初期段階「歯肉炎」の歯周病治療の内容


◎初期段階の歯周病である歯肉炎はご自身で行うセルフケアと定期メンテナンスで治せる可能性があります

初期段階の歯周病である歯肉炎。


歯肉炎になると歯ぐきが赤く腫れたり、歯みがきのときに歯ぐきから血が出ることも。


歯肉炎はご自身で行う毎日のセルフケア(歯みがき+歯間清掃)、および、歯科医院で受ける定期メンテナンス(お口の検診+歯のクリーニング)(=プロケア)で歯・歯周組織の状態を改善できる可能性があります。


<歯科医院で行う歯周病の定期メンテナンスの内容>


・歯科医師による歯・歯周組織のチェック

・歯科衛生士による歯のクリーニング&歯石取り(SRP:歯ぐきから上の歯の部分、および、歯周ポケット内部に歯石が付着しているときは歯ぐきから下の歯根面の歯石取り)


歯肉炎の症状を改善し、これ以上歯周病が進行しないようにするためには、セルフケアとプロケアを続けることが大切です。ご自身で行う毎日のセルフケアと歯科医院で受けるプロケアの継続により、歯・歯周組織の改善につなげていきます。


■中程度~重度の「歯周炎」の歯周病治療の内容


◎中程度以上の歯周病である歯周炎では、外科的な歯周病治療が必要になることがあります

初期段階の歯肉炎が進行し、中程度以上になった歯周病を「歯周炎(歯周炎・重度歯周炎)」と呼びます。


歯周炎になると、炎症によって歯ぐきが下がったり、歯を支えている顎の骨(歯槽骨)が大きく溶けるなど、歯周組織へのダメージがより重くなっていきます。


歯周炎は歯周組織へのダメージが大きく、歯のクリーニング・歯石取りのみでは状態を改善することが難しいです。このため、中程度以上の歯周病である歯周炎では、以下のような、歯ぐきの切開をともなう外科的な歯周病治療(歯周外科治療)が必要になることがあります。


≪歯周外科治療の種類≫


組織付着手術


・フラップ手術(歯ぐきを切開し、病巣に侵された部分を清掃する手術)

・歯周ポケット掻爬術


切除術


・歯肉切除術

・骨切除術(骨整形を伴う骨切除)


歯周組織再生術


・エムドゲイン

・リグロス

・歯周組織再生誘導法(GTR

・骨移植術


歯周形成術


・歯肉弁移動術

・小帯切除術

・遊離歯肉移植術


【セルフケア&プロケアを継続し、歯周病の進行を抑えましょう】


おしむら歯科では、歯周病の進行を抑えるための定期メンテナンスを行っています。少なくとも1年に2回以上、可能であれば1年に3~4回のペースで歯科医院で定期メンテナンスを受けることで、歯周病の進行を抑えやすくなります。


歯周病の怖いところは、痛みや違和感などの自覚症状を感じにくく、患者様ご自身では歯周病にかかっていることに気づきにくい点です。痛みや違和感を感じにくいことから放置してしまい、病気が進行して歯がグラグラになったときにはじめて歯周病に気づくケースが少なくありません。


中程度以上の歯周病である歯周炎になると歯周外科治療が必要になることが多く、歯を残せる確率が下がっていきます。手を尽くしても歯を残せない場合は患者様のご同意を得た上で抜歯を行い、インプラント・ブリッジ・入れ歯などの補綴治療で失った歯を補います。


かけがえのない大切な歯・歯周組織を守るためにも、毎日のセルフケアをしっかり行うと共に歯科医院で定期的にメンテナンス(プロケア)を受け、歯周病の進行を抑えましょう。

おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
歯科医師
押村 侑希

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