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■痛みがなくても油断は禁物——詰め物が取れたときに知っておきたいこと
「ポロッと詰め物が取れたのに、まったく痛くない。このまま様子を見てもいいかな」
そう感じるのは自然なことです。
ただ、痛みがない=安全とは限りません。痛くない理由・放置で起こりうるリスク・応急処置・治療の流れと費用目安を、この記事でまとめました。
この記事の要点まとめ
- 痛みがなくても二次むし歯や歯の破折につながる可能性があり、1週間以内の受診が目安
- 取れた詰め物は乾燥保管し、瞬間接着剤の使用や取れた側で噛むことは避けることが大切
- 早期受診であれば再装着1回・数百円台で済む場合があり、放置するほど治療が大がかりになりやすい
■歯の詰め物が取れても痛くない理由と放置リスク

◎痛みがない3つのパターン——むし歯が浅い・神経がない・まだ刺激が届いていない
「痛くないから大丈夫」と考えたくなりますが、痛みを感じない背景には主に3つのパターンがあります。
- むし歯がまだ浅い段階:歯の表面のエナメル質付近にとどまっていて、神経への刺激がほとんどない
- 過去に神経を取った歯:痛みを感じるセンサー自体がすでにない
- 象牙質まで進んでいるが刺激が届いていない:取れた直後は無症状でも、日が経つにつれしみ始める場合がある
いずれのパターンでも、むき出しの歯面には細菌が付着しやすくなっています。
◎放置1週間・1ヶ月で変わる歯の状態——二次カリエスと歯の破折
詰め物が外れた面は、唾液中の細菌につねにさらされます。二次カリエス(二次むし歯)は通常のむし歯より進行が速い傾向があるとされ、注意が必要です。
1週間程度であれば応急処置と早めの受診で対処できるケースが多い一方、1ヶ月以上そのままにしておくと神経まで感染が広がったり、薄くなった歯質が噛み合わせの力で割れたりする可能性があります。
治療が大がかりになるほど通院回数も費用もかさむため、早めの受診が大切です。
◎「数日以内なら大丈夫」と「すぐ受診すべき」を分けるセルフチェック
次のうち一つでも当てはまるなら、できるだけ早く歯科医院へ連絡するようにしましょう。
- 冷たいもの・温かいものがしみる
- 歯の一部が欠けている、または黒く変色している
- 歯ぐきが腫れている・出血がある
- 取れた部分が鋭利で舌や頬の内側を傷つけている
どれにも当てはまらない場合でも、目安は1週間以内の受診です。当院では、お電話の際に「詰め物が取れた」とお伝えいただければ、状況に応じて適切な治療をご提案いたします。
■受診までにやるべき応急処置と避けたい行動
◎取れた詰め物の正しい保管方法と患部の歯磨きのコツ
取れた詰め物は軽く水洗いしたあと、ジップ付きの袋や小さな容器に入れて乾燥した状態で保管しましょう。ティッシュに包むと、うっかりゴミと一緒に捨ててしまいがちなので気をつけてください。
患部の歯磨きは、毛先のやわらかいブラシでそっと食べかすを取り除き、ぬるま湯でやさしくうがいするのがポイント。食事はなるべく反対側で噛むようにすると、歯への負担を減らせます。
◎瞬間接着剤で付け直す・硬いものを噛む…よくある誤解と注意したい行動
意外と多いのが、市販の瞬間接着剤で自分で戻してしまうケースです。接着剤の成分が歯や歯ぐきを傷める可能性があるうえ、ずれた位置で固まると噛み合わせが狂い、歯科医院での再治療がかえって難しくなることがあります。
ほかにも注意しておきたい点をまとめました。
- 取れた側で硬いものを噛む → 歯の破折につながりやすい
- 詰め物を捨ててしまう → 再装着の選択肢がなくなる
- 市販の仮封材を長期間使い続ける → あくまで一時しのぎと割り切る
仕事や休日の都合ですぐ通えない場合でも、まずは電話で状況を伝えておくと適切なアドバイスを受けやすくなります。
■再装着か作り直しか——治療の流れ・回数・費用の目安
◎再装着で済むケース・作り直しになるケースの判断基準
持参した詰め物をそのまま戻せるかどうかは、レントゲンなどで歯の状態を確認してからの判断になります。おおまかな目安は次のとおりです。
- 再装着できる条件:詰め物に変形や破損がない/歯側に新たなむし歯がない/噛み合わせの適合が良好など
- 作り直しになる条件:むし歯が生じている/詰め物自体が劣化・変形している/歯が欠けているなど
見た目だけでは判断しにくいことが多いので、自己判断は避け、歯科医院で確認してもらうことが大切です。
◎保険適用の費用と通院回数——再装着なら1回、作り直しでも2〜3回が目安
保険適用の場合、再装着なら1回の通院・数百円〜千円台で済むのが一般的です。作り直しでも通院2〜3回・数千円程度が目安になります。
これが放置によって神経の治療(根管治療)まで必要になると、通院は5回以上に増えたり、費用も大きくなったりする傾向があります。
■よくある質問
Q. 詰め物が取れた場合、何日くらいなら放置しても大丈夫ですか?
A. 明確な安全期間はありませんが、1週間以内の受診をおすすめしています。痛みやしみる症状があるときは、できるだけ早めにご連絡ください。
Q. 詰め物が取れたのに痛くないのはなぜですか?
A. むし歯がまだ浅い、過去に神経を取っている、刺激がまだ神経に届いていないなど、複数の理由が考えられます。痛みがなくても問題がないとは限らないため、早めの受診をおすすめします。
Q. 取れた詰め物を持っていけば、そのまま付け直してもらえますか?
A. 詰め物に変形がなく、歯側にも新たなむし歯がなければ再装着できる場合があります。状態によっては作り直しになるケースもあるため、まずは詰め物を保管して歯科医院へお持ちください。
2007年 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
2017年 日本成人矯正歯科学会認定専門医コース修了(2年)
2018年 Dr John flutter(ブリスベン開業)診査診断コース修了
2019年 おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック院長就任
2020年 愛知県歯科医師会食育推進委員、ユマニテク歯科衛生士専門学校非常勤講師
2023年 愛知県歯科医師会調査室参与
日本成人矯正学会会員
日本摂食嚥下リハビリテーション学会会員
メタルフリー歯科学会 認定医
