おしむら歯科ブログ BLOG OSHIMURA

顎関節症を悪化させないために|家でできる予防とやってはいけないこと

顎関節症を悪化させないために|家でできる予防とやってはいけないこと

■顎関節症の症状、日常の習慣で悪化させていませんか?


「口が開きにくい」「顎がカクカク鳴る」

こんな顎関節症のサインに心当たりはありませんか?


ふだん何気なく続けている習慣が、症状に影響を与えていることがあります。本記事では、避けておきたいNG行動と、家で今日から取り入れられる予防セルフケアを具体的にお伝えします。


この記事の要点まとめ

  • 片側噛みや頬杖などの日常習慣が、顎関節への負担を増やす可能性があります
  • 自己判断で無理に口を開ける訓練は避け、力を抜くリラクゼーションを心がけましょう
  • 痛みが続く・口が開きにくいなどの症状があれば、早めに歯科医院への相談を検討しましょう

■顎関節症を悪化させる「やってはいけない」習慣


顎関節症の基本的な症状や原因については、以前の記事(その症状、顎関節症かもしれません・顎関節症は自然に治る?)でも詳しくご紹介しました。ここでは、つい無意識にやってしまいがちなNG行動を整理します。


◎片側だけで噛む・硬いものを無理に食べる


いつも同じ側ばかりで噛んでいると、片方の顎関節に負荷が偏りやすくなります。スルメやフランスパンのように硬い食べ物を長時間噛み続けることも、関節円板や咀嚼筋へのストレスにつながる場合があります。


食事では左右バランスよく噛むことを心がけ、顎に違和感があるときは柔らかめのメニューを選ぶと負担を抑えやすいでしょう。


◎頬杖・うつ伏せ寝など無意識の姿勢グセ


デスクワーク中の頬杖は、体重の一部が片側の顎に持続的にかかり、関節のバランスを崩しやすい習慣です。うつ伏せ寝も、顔の重みが顎を横方向に圧迫し続けるため同様の負担が考えられます。


こうした姿勢グセは無意識だからこそ厄介で、まず「自分がやっている」と気づくことが改善への第一歩になります。


◎「大きく口を開けて動かせば治る」と自己判断しない


顎の動きが悪いと感じると、「とにかく大きく開けてストレッチすれば楽になるのでは」と考える方もいらっしゃいます。しかし、炎症が起きている状態で無理に口を開閉すると、関節や周囲の組織にさらなる負担をかけてしまう可能性も否定できません。


自己流の訓練はかえって症状を長引かせるおそれがあるため、口の開閉練習を試したい場合は、まず歯科医院で現在の状態を確認してもらうことが大切です。


■家でできる顎関節症の予防セルフケア


◎食いしばり・歯ぎしりに気づくためのセルフチェック


日中、ふと気がつくと上下の歯が触れ合っていませんか? 本来、口を閉じていても歯と歯の間にはわずかな隙間があるのが自然な状態です。この「歯の接触癖(TCH)」は、顎関節へじわじわと負担をかけ続けるとされています。


朝起きたときに顎がだるい・こめかみが張っていると感じるなら、就寝中の歯ぎしりが起きているサインかもしれません。


◎顎まわりの力を抜くリラクゼーション習慣


予防で大切なのは「顎の力を抜く時間」を意識的につくること。唇を軽く閉じたまま歯を離し、舌先を上あごにそっと当てる——たったこれだけで咬筋の緊張がゆるみやすくなるといわれています。


お風呂に入っているときやテレビを見ているときに、蒸しタオルを顎の横に当てて温めるのも手軽な方法です。毎日のちょっとした積み重ねが、顎まわりの筋肉をほぐす助けになるでしょう。


◎セルフケアで様子を見てよい場合と受診を検討すべきサイン


軽い顎の疲れや、たまに鳴るカクカク音くらいであれば、上記のセルフケアで経過を見ても問題ないケースが多いとされています。ただし、次のような状態が続くときは早めの受診を検討してください。


  • 痛みが1〜2週間以上続いている
  • 口が指2本分(約3cm)以上開かない
  • 食事に支障が出るほどの痛みがある

これらに当てはまる場合は、自己判断で放置せず歯科医院へ相談されることをおすすめします。当院でも顎関節症のご相談を受け付けていますので、気になる症状がありましたらお気軽にお問い合わせください。


■よくある質問

Q. 顎関節症の予防にマウスピースは有効ですか?

A. 就寝時の歯ぎしりや食いしばりから顎への負担を軽減する目的で、マウスピース(スプリント)が用いられることがあります。ただし、市販品ではフィットしない場合もあるため、歯科医院でご自身に合ったものを作製してもらうのが望ましいです。


Q. 顎がカクカク鳴るだけでも受診したほうがよいですか?

A. 音だけで痛みもなく、口の開け閉めに支障がなければ、すぐに治療が必要とは限りません。ただ、症状が変化する可能性もあるため、一度歯科医院で状態を確認しておくと安心です。


Q. ストレスと顎関節症には関係がありますか?

A. ストレスや緊張は無意識の食いしばり・歯ぎしりを引き起こしやすく、顎関節症の症状に影響を与える一因と考えられています。リラクゼーションや適度な運動で心身の緊張をほぐす工夫も、予防に役立つとされています。

押村侑希

歯科医師


おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック

院長

押村侑希

▶ 監修者プロフィール

経歴
2001年 南山高校女子部卒業
2007年 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
2017年 日本成人矯正歯科学会認定専門医コース修了(2年)
2018年 Dr John flutter(ブリスベン開業)診査診断コース修了
2019年 おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック院長就任
2020年 愛知県歯科医師会食育推進委員、ユマニテク歯科衛生士専門学校非常勤講師
2023年 愛知県歯科医師会調査室参与
資格・所属学会
日本顎咬合学会認定医
日本成人矯正学会会員
日本摂食嚥下リハビリテーション学会会員
メタルフリー歯科学会 認定医