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小児矯正は何歳から?始める時期の目安と早めに相談したいサイン

小児矯正は何歳から?始める時期の目安と早めに相談したいサイン

 

▸ 「小児矯正は何歳から始めればいいですか?」

 

こんにちは。おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック院長の押村侑希です。

お子さんの歯並びについてご相談を受けていると、とても多いのが、

「小児矯正は何歳から始めればよいですか?」というご質問です。

5歳ではまだ早いのか。

小学1年生になったら始めるべきなのか。

永久歯が全部生えるまで待った方がよいのか。

インターネットで調べても「4歳から」「6歳から」「7歳頃」など、さまざまな情報が出てくるため、迷われる保護者の方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、小児矯正には「全員が○歳から始める」という決まった年齢はありません。

大切なのは、「何歳になったか」ではなく、「今、歯や顎がどのように成長しているか」を見ることです。

この記事の要点まとめ

  • 小児矯正を始める年齢は、全員同じではありません
  • 「相談する時期」と「実際に治療を始める時期」は分けて考えます
  • おしむら歯科では、6〜10歳頃を成長を利用した小児矯正の中心的な時期の一つとして診ています
  • 受け口、交叉咬合、強い叢生、口呼吸などは早めに確認したいサインです
  • 一方、歯並びや顎の成長に問題がなければ、すぐ治療せず経過観察になることもあります
  • 「永久歯が全部生えるまで待つ」のが適切とは限りません
  • 早く始めれば必ず治療期間が短くなるわけでもありません

▸ まず知ってほしい「相談する時期」と「治療を始める時期」の違い

 

ここは、小児矯正を考えるうえでとても大切なポイントです。

「矯正相談を受ける=すぐに矯正装置をつける」わけではありません。

たとえば6歳で歯並びについて相談しても、「今はまだ治療しなくてよいので、半年後にもう一度確認しましょう」となることもあります。

反対に、乳歯が多く残っている時期でも、噛み合わせや顎の成長に明らかな問題があれば、早い段階から対応を検討する場合があります。

AAPD(米国小児歯科学会)の2024年版指針でも、発育途中の歯列については、乳歯列期・混合歯列期・永久歯列期それぞれで問題を評価し、異常の種類、成長状態、治療を行うメリットと待つことのリスクを比較して治療時期を決めることが示されています。

つまり、相談は早めでも構わない。治療開始は診断してから決める。

これが基本的な考え方です。

 

 

▸ 小児矯正では6〜10歳頃が一つの大切な時期です

 

6歳頃になると、前歯が永久歯へ生え変わり始め、奥には「6歳臼歯」と呼ばれる第一大臼歯も生えてきます。乳歯と永久歯が混在するこの時期を「混合歯列期」といいます。

乳歯と永久歯が混在するこの時期は、歯並びや噛み合わせの変化が分かりやすくなる時期です。この時期には、次のような点を確認します。

  • 歯が並ぶスペースは足りているか
  • 前歯に強いガタつきがないか
  • 永久歯が本来とは違う場所から生えていないか
  • 交叉咬合などの噛み合わせのずれがないか
  • 上下の顎の成長バランスに問題がないか
  • 指しゃぶりや口呼吸などの習癖がないか


おしむら歯科でも、6〜10歳頃は、顎や顔面がまだ成長している力を利用しながら歯列や口腔機能を整えることを検討しやすい時期と考えています。

ただし、これは「6歳になったら全員矯正を始める」という意味ではありません。

6歳でも治療が必要ない子もいれば、5歳頃から状態を確認した方がよい子もいます。

 

 

▸ おしむら歯科が「早めの確認」を大切にしている理由

 

子どもの矯正には、大人の矯正とは大きく異なる特徴があります。

それは、まだ成長している途中であることです。

成人矯正では、すでにできあがった顎や歯列の中で歯を動かすことが中心になります。


一方、小児期には、歯だけでなく、

  • 上顎・下顎の成長
  • 舌の位置
  • 飲み込み方
  • 唇や頬の使い方
  • 咀嚼
  • 鼻呼吸
  • お口を閉じる力


なども変化していきます。

当院の小児矯正では、幼少期からの発育を重視し、歯並びだけでなく、舌の位置、唇や頬の使い方、顎顔面の成長、口腔機能なども確認します。


だからこそ、「前歯が全部永久歯になるまで待ちましょう」「永久歯が全部並んでから考えましょう」が、すべてのお子さんにとって正解とは限りません。

 

 

▸ では、何歳頃に一度相談すればよい?

 

歯並びに特に気になるところがなくても、前歯の生え変わりが始まる5〜7歳頃に、一度歯並びと顎の成長を確認してもらうのは一つの方法です。

この時期になると、

  • 永久歯の大きさ
  • 歯が生える方向
  • 永久歯が並ぶスペース
  • 上下の顎のバランス
  • 噛み合わせ
  • 舌や唇の使い方


などが少しずつ分かってきます。


その時点で問題がなければ、「半年後」「1年後」と経過を観察すればよいのです。

早めに診てもらうメリットは、早く治療を始められることではなく、「必要な時期を逃しにくくなること」にあります。

 

 

▸ 年齢を待たず、早めに相談したい7つのサイン

 

次のような状態がある場合は、「○歳になるまで待つ」と決めず、一度歯科医院へ相談することをおすすめします。

 

1.下の前歯が上の前歯より前に出ている

 

いわゆる「受け口」「反対咬合」です。

前歯の噛み合わせだけの問題の場合もあれば、上顎と下顎の成長バランスが関係している場合もあります。

成長の状態によって対応が異なるため、早めに現在の顎の状態を確認します。

 

2.奥歯の噛み合わせが左右どちらかにずれている

 

上下の歯を噛み合わせたときに、左右どちらかの奥歯がきれいに噛み合わず、噛み合わせが横にずれている状態を「交叉咬合」と呼びます。
噛むたびに下顎を左右へずらしている場合、顎の位置や成長へ影響する可能性があるため、早めに噛み合わせや顎の位置を確認することが大切です。

 

3.永久歯が生え始めた時点ですでに大きく重なっている

 

前歯が生えてきたものの、「明らかに入る場所がない」「前後に重なっている」「横から生えている」という場合は、永久歯が並ぶスペースが不足している可能性があります。

すぐに装置を使用するかどうかは別として、顎の幅や今後生えてくる永久歯の位置を確認しておくと安心です。

 

4.前歯が大きく前へ出ている

 

上の前歯が大きく前方へ出ている場合は、歯だけの問題なのか、上下の顎の成長バランスが関係しているのかを確認します。

また、口唇を自然に閉じにくい状態がないかも確認します。

 

5.上下の前歯が噛み合っていない

 

奥歯を噛んでも前歯に隙間ができる状態を「開咬」といいます。

指しゃぶり、舌を前へ出して飲み込む癖、舌の位置などが関係している場合があります。

 

6.いつも口が開いている・口呼吸をしている

 

歯並びについて考えるとき、歯だけを見ればよいわけではありません。

おしむら歯科では、

  • 普段から口がポカンと開いている
  • 鼻ではなく口で呼吸している
  • 舌が下にある
  • 飲み込むときに唇へ力が入る
  • 睡眠中にいびきをかく

といった点も確認しています。


これらがあるから必ず矯正治療が必要というわけではありません。

鼻づまりなどがあれば、耳鼻咽喉科での評価を優先することもあります。

 

7.乳歯がなかなか抜けない・永久歯が変な場所から生えてきた

 

永久歯の萌出方向、過剰歯、スペース不足などによって、永久歯が本来とは違う場所から生えてくることがあります。

この場合は、矯正治療そのものより先に、レントゲンなどで永久歯の位置を確認することが大切です。

 

▸ まだ矯正を始めなくてもよい場合もあります

 

反対に、

  • 乳歯の間に適度な隙間がある
  • 永久歯がおおむね順調に生え変わっている
  • 上下の噛み合わせに大きな問題がない
  • 口唇を自然に閉じられる
  • 鼻呼吸ができている
  • 強い口腔習癖がない


といった場合は、すぐに小児矯正を始めず、定期的に成長を確認することもあります。


以前の記事でもお伝えしたように、「様子を見る」というのは「何もしない」という意味ではありません。

半年から1年ごとに、「永久歯の生えるスペースは足りているか」「顎の成長バランスは変化していないか」を確認していけば、必要なタイミングで治療を検討できます。

 

▸ 早く始めれば始めるほどよい、わけではありません

 

ここも非常に重要です。

小児矯正について調べていると、「早く始めれば抜歯しなくて済む」「幼児期から始めれば治療期間が短くなる」といった情報を見かけることがあります。

しかし、早く始めることそのものが目的ではありません。

必要のない時期から治療を始めれば、装置を使う期間が長くなったり、お子さんやご家族の負担が増えたりする可能性があります。

治療を始める時期は、歯並びや噛み合わせの状態、顎の成長、今治療するメリット、経過を見た場合のリスクなどを踏まえて判断します。


大切なのは、早期治療ではなく、適期治療です。

「早ければ早いほどよい」でも、「永久歯が全部生えるまで待てばよい」でもありません。

 

▸ 5歳・6歳・7歳・8歳、それぞれ何を見る?

 

年齢だけで治療は決まりませんが、保護者の方がイメージしやすいよう、大まかな目安をご紹介します。

年齢の目安 主に確認したいこと
4~5歳頃 受け口、交叉咬合、指しゃぶり、口呼吸、お口ポカン、舌の使い方
5~7歳頃 前歯の生え変わり、顎の幅、噛み合わせ、6歳臼歯、永久歯のスペース
7~9歳頃 前歯の叢生、上下顎の成長バランス、永久歯の萌出方向、口腔機能
9~12歳頃 犬歯・小臼歯の萌出スペース、顎の成長、仕上げの矯正が必要か
永久歯列完成後 ワイヤー矯正・マウスピース矯正などを含めた最終的な歯列調整


あくまで目安です。

同じ7歳でも、永久歯への生え変わりが早い子と遅い子では、治療の適期が異なります。

 

▸ おしむら歯科は「歯並びだけ」で開始時期を決めません

 

おしむら歯科では、小児矯正を検討するとき、歯並びや顎の形だけでなく、お口の機能や呼吸の状態もあわせて確認します。

歯がガタガタしているから、すぐ装置を入れる。そのような考え方ではありません。

歯列や顎の幅だけでなく、

  • 舌はどこにあるか
  • 正しく飲み込めているか
  • 唇を自然に閉じられるか
  • 鼻で呼吸できているか
  • 食事をしっかり噛めているか
  • いびきや鼻づまりがないか


などを確認します。

当院が小児矯正で大切にしているのは、単に歯を並べることではなく、成長期のお口の機能を確認し、その子にとって必要な時期に必要な介入を行うことです。

 

▸ 「もう8歳だから遅い?」と心配しなくても大丈夫です

 

「小児矯正は早い方がよい」という情報を見ると、「もう8歳だから手遅れでは?」「10歳になってしまったので遅いでしょうか?」と不安になる方もいらっしゃいます。

しかし、年齢だけで「もう遅い」と判断することはできません。
10歳でも成長を利用できる場合がありますし、逆に6歳でも、今は経過観察の方が適していることがあります。

「何歳だからできる・できない」ではなく、現在の歯列、骨格、永久歯の発育、成長の残り方を確認することが大切です。

 

■よくある質問

Q1.5歳で矯正相談をするのは早すぎますか?

A.相談するだけであれば早すぎるとは限りません。受け口、交叉咬合、口呼吸、指しゃぶりなど気になる点がある場合は、一度状態を確認しておくとよいでしょう。診察の結果、「今は治療せず経過観察」となることもあります。

Q2.前歯が永久歯に生え変わってから相談すればよいですか?

A.一つの目安にはなりますが、それより前に確認した方がよい噛み合わせもあります。特に受け口や左右にずれた噛み合わせ、強い口腔習癖などがある場合は、年齢を待たずご相談ください。

Q3.永久歯が全部生えてから矯正するのでは遅いですか?

A.永久歯列になってからでも矯正治療は可能です。ただし、顎の成長や永久歯が生えるスペースに対する治療は、成長期だからこそ検討できるものがあります。どちらが適するかはお子さんの状態によって異なります。

Q4.6歳になったら必ず小児矯正を始めるべきですか?

A.いいえ。6歳は歯や顎の成長を評価しやすくなる一つの時期ですが、問題がなければ治療を始める必要はありません。必要な時期を見極めるために、経過を確認していくことも大切です。

 

Q5.口呼吸がある場合は、小児矯正が必要ですか?

A.口呼吸だけで矯正治療の必要性を判断することはできません。鼻炎、アレルギー、扁桃やアデノイドなどが関係している場合もあるため、必要に応じて耳鼻咽喉科との連携も検討します。そのうえで、舌位や口唇閉鎖、歯列・顎の成長への影響を確認します。

 

 

▸ 迷ったら「治療を始める相談」ではなく、「成長を確認する相談」へ

 

小児矯正を検討している保護者の方に、一番お伝えしたいのは、相談したからといって、すぐ矯正を始めなければならないわけではないということです。

小児矯正は、「何歳になったら始めるか」ではなく、「その子の成長の中で、いつ介入するのがよいか」を考える治療です。

特に5〜7歳頃になると、前歯の生え変わりや顎の成長から、将来の歯並びについて分かることが増えてきます。

そこで問題が見つかれば治療の時期を考え、問題がなければ安心して成長を見守ることができます。

おしむら歯科では、歯並びだけではなく、顎の成長、舌、飲み込み、口唇、呼吸なども確認し、「今すぐ始めるべきなのか」「もう少し待った方がよいのか」「今は治療自体が必要ないのか」を保護者の方へ分かりやすくお伝えします。

「まだ矯正するか決めていない」「とりあえず今の成長が順調なのか知りたい」という段階でも構いません。

お子さんの歯並びが気になり始めたら、一度ご相談ください。


>>おしむら歯科の小児矯正


押村侑希

歯科医師


おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック

院長

押村侑希

▶ 監修者プロフィール

経歴
2001年 南山高校女子部卒業
2007年 愛知学院大学歯学部歯学科卒業
2017年 日本成人矯正歯科学会認定専門医コース修了(2年)
2018年 Dr John flutter(ブリスベン開業)診査診断コース修了
2019年 おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック院長就任
2020年 愛知県歯科医師会食育推進委員、ユマニテク歯科衛生士専門学校非常勤講師
2023年 愛知県歯科医師会調査室参与
資格・所属学会
日本顎咬合学会認定医
日本成人矯正学会会員
日本摂食嚥下リハビリテーション学会会員
メタルフリー歯科学会 認定医

 

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