おしむら歯科ブログ BLOG OSHIMURA

セルフケアと定期メンテナンスの大切さ



「歯磨きしているのに、すぐむし歯になる…」

「歯磨きだけじゃ、ダメなのかな?」


こんにちは。おしむら歯科 院長の押村侑希です。


「毎日、食事の後にちゃんと歯磨きをしているのにすぐにむし歯になる」


患者様に多い、お悩みです。歯磨きを頑張っているのにむし歯になると努力が報われないようで、悲しくなってしまいますよね。


この「歯磨きしているのにむし歯になる」、には理由があります。


ご自身で行う歯磨きは、どんなに頑張ってもすべての歯垢を落とし切れないのです。


■歯磨きだけでは歯垢を落とし切れません


◎歯磨きだけで落とせる歯垢は60%程度

どんなに丁寧に磨いても、歯磨きだけでは歯についた歯垢は60%程度しか落とせません。残りの40%は磨き残しとなり、磨き残した歯垢にひそむ細菌によってむし歯や歯周病を発症しやすくなってしまいます。


◎フロスや歯間ブラシを活用することで80%程度まで清掃率を高められます

歯垢は歯と歯のあいだの隣接面にも付着します。


セルフケアを行うときは歯磨きに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを活用して歯と歯のあいだの歯垢を落としましょう。正しい方法で行う歯磨きと歯間清掃により、80%程度まで歯垢を落とすことが可能です。


歯磨きと歯間清掃のやり方はこちらの記事で詳しくご説明しています。併せてご参照ください。


■残りの20%の歯垢はどうやって落とすの?


◎セルフケアでは残りの20%の歯垢は落とせません

正しい方法で歯磨きと歯間清掃を行えば、最大で80%程度の歯垢を落とせます。ただし、ご自身で行うセルフケアでは残りの20%の歯垢は落とせません。


セルフケアでは落とせない20%の歯垢は以下のような場所に付着しています。


[セルフケアでは落とせない歯垢]


・奥歯の噛み合わせ面の溝の奥に入り込んだ歯垢


奥歯の噛み合わせ面の溝はとても細く、歯ブラシの毛先が入りません。


・歯に付着した歯石の表面の小さな穴に入り込んだ歯垢


歯に付着した歯石の表面の穴はとても小さく、歯ブラシの毛先が入りません。


・歯周ポケットの深い部分に付着した歯垢


歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットの深い部分=歯の根面の下部に付着した歯垢は歯ブラシでは落としにくいです。


◎落とし切れない歯垢は歯石になります

セルフケアで落とせない歯垢はやがて歯石になります。歯垢が石灰化してできた歯石はがっちりと歯に付着するため、歯磨きでは落とせません。


歯に付着した歯石はご自身で落とすのが難しいため、


歯垢が残る→歯石に変わる→歯石の表面の小さな穴にむし歯菌や歯周病菌などの細菌が棲み着く→小さな穴の中の歯垢は歯磨きでは落とせない→穴の中で細菌が増殖してむし歯や歯周病にかかりやすくなる→細菌の増殖によりバイオフィルムが作られ、歯垢が残る→歯石に変わる…


という悪循環が生まれてしまいます。


■定期メンテナンスの大切さ


むし歯や歯周病にかかりにくくするには、毎日のセルフケアに加えて歯科医院で定期的にメンテナンスを受けることが大切です。


歯科医院のメンテナンスでは歯科医師が検診を行い、お口の状態、むし歯や歯周病の有無をチェックします。併せて、器具や機械を使って歯の清掃を行い、セルフケアでは落とし切れない歯垢や歯石を除去します。


[定期メンテナンスで行うこと]


①歯の検診(お口の状態&むし歯・歯周病などの病気のチェック)

②歯のクリーニング

③唾液検査(必要がある場合)

④歯磨き指導(必要がある場合)


①定期的な歯の検診でお口の異常をいち早く察知し、早期治療につなげます


定期メンテナンスでは歯科医師が検診を行い、お口の状態、むし歯や歯周病などの病気の有無をチェックします。検診の結果、むし歯や歯周病が見つかった場合は患者様のご同意を得た上で治療を進めていきます。


定期的に歯の検診を受けることでお口の異常をいち早く察知でき、早期治療につながります。


②セルフケアで落とし切れない歯垢や歯石を歯のクリーニングで除去します


定期メンテナンスでは歯の検診と併せて歯のクリーニングも行います。


[歯科医院で行う歯のクリーニングの内容]


・PTC

・PMTC

・歯石取り(スケーリング)


・PTC(プロフェッショナル・トゥース・クリーニング)


PTCとは、歯ブラシやフロス・歯間ブラシなどの器具を使って行う歯のクリーニングです。


歯科衛生士が行うPTCにより、セルフケアでは落とせない歯垢の除去を図ります。


・PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)


PMTCとは、専用の器具や機械を使って行う歯のクリーニングです。


PMTCでは歯科衛生士がラバーカップ、ラバーチップ、ポリッシングブラシなどの専用の器具や機械を使って徹底的に歯垢と歯石を除去します。クリーニングの仕上げには歯質を強化するフッ素塗布も行います。


・歯石取り(スケーリング)


歯石取りとは、歯に付着した歯石を除去する歯のクリーニングです。歯科衛生士がハンドスケーラーや超音波スケーラーを使って歯石を除去します。


{SRP(スケーリング・ルートプレーニング)}


歯ぐきから上に付着した歯石を落とすときは通常のスケーリングを行います。


歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットの内部に付着した歯石を落とすときはSRP(スケーリング・ルートプレーニング)を行います。SRPの際には歯周ポケットの深い部分まで器具を挿入するため、麻酔を行う場合もあります。


③唾液検査(必要がある場合)


歯磨きや歯間清掃をしているのにむし歯にかかってしまう場合は、唾液検査を行うことがあります。


唾液検査により、以下の情報が得られます。


・唾液の量
唾液の分泌量が分かります。


・唾液の能力
お口の中が酸性やアルカリ性に傾かないよう、中和する唾液の能力(中和力)が分かります。


・むし歯菌の数
むし歯をひきおこすミュータンス菌やむし歯を進行させるラクトバチルス菌のおおよその数が分かります。


唾液検査の結果をチェックすることで、患者様ご自身に合ったケア方法の確立を目指します。


④歯磨き指導(必要がある場合)


歯磨きや歯間清掃をしているのにむし歯にかかってしまう方は、歯磨きの仕方が間違っている可能性があります。


当院では、ご希望の患者様に歯科衛生士による歯磨き指導を行っています。


歯磨き指導では歯科衛生士が正しい歯磨き&歯間清掃のやり方をアドバイスいたします。ご希望の方は歯科医師またはスタッフまでご遠慮なくお申し出ください。


【セルフケア+歯科医院で受ける定期メンテナンスでお口の健康を守りましょう】


お口の健康を守るためには、まずは毎日の歯磨き&歯間清掃を行うことが大切です。ただし、セルフケアだけでは歯垢や歯石は十分に取り除けません。


セルフケアに加え、歯科医院で定期メンテナンスを受けることでお口の異常をいち早く察知でき、早期治療につながります。また、歯科衛生士のクリーニングによってご自身では落とし切れない歯垢や歯石を除去でき、むし歯や歯周病が発生・進行するリスクを抑えられます。


おしむら歯科では1年に3~4回の定期メンテナンスをおすすめしています(※)。セルフケアと併せ、歯のプロフェッショナルによる定期メンテナンス(検診+歯のクリーニング)をぜひご活用ください。


(※)むし歯や歯周病の症状によっては1年に5回以上の

定期メンテナンスが必要になることがあります。


おしむら歯科こども矯正歯科クリニック
院長
押村 侑希

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